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フィリッペ・トレド&モリー・ピックラムが優勝!CT第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』

ノースショアを代表する二つのブレイク、パイプライン、サンセットビーチと続くCTハワイレッグ。
ワシントン誕生日の祝日の前日となる現地時間2月19日に第2戦『Hurley Pro Sunset Beach』がファイナルデイを迎えた。

ハワイレッグの後、3月のポルトガル、4月のオーストラリアレッグ2戦で前半戦が終了。
メンズは36名から24名、ウィメンズは18名から12名に絞られるミッドシーズンカットが遂行される。

更に今年は2024年パリ五輪の選手選考も兼ねているため、シーズン序盤から会場は緊張感に包まれている。

フィリッペがワールドチャンピオンの威厳を保つ

(ファイナルで完璧に近いライドをしたフィリッペ )
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ファイナルデイのサンセットビーチは朝の時点で公式4-6ftレンジ、日中は6-8ftレンジまでサイズアップしてビッグマニューバーにいくつかのバレルもあるグッドコンディションに恵まれていた。

QFに残った選手はマニューバーに定評がある選手が多く、更にサンセットビーチでは不利とされているグーフィーフッターはメンズでは ナット・ヤング(USA)、ウィメンズではキャロライン・マークス(USA)の各1名のみで、やはりレギュラーフッターが今年も強かった。

メンズのファイナリストはカイオ・イベリ、ジョアオ・チアンカと2戦続けてのブラジリアン勝負を制したフィリッペ・トレドとイーサン・ユーイング、ロボことジャック・ロビンソンと勢いがあるヤングオージーを倒したカリフォルニアのグリフィン・コラピント。
フィリッペにとっては2022年のエルサルバドルのファイナルのリベンジマッチとなった。

(CT3勝目はお預けとなったグリフィン)
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ファイナルは開始直後に入ったセットでグリフィンが9.17、フィリッペが7.83を出し、その後はピタリとセットが止まり、小康状態。
試合が動いたのはラスト6分を切ってからで、プライオリティの順にグリフィン、フィリッペが波に乗り、同じ画面に映るくらいのタイミングで2本づつセットを分け合った。

両者共にサンセットビーチでのお手本のような深いボトムターンからトップターン、フィニッシュまでメイクしたが、グリフィンが6ポイント止まりだった一方、フィリッペは8.27に9.47と明らかに次元の違うサーフィンをしてCT13勝目を決めた。

「この場所とポジションにいることに感謝している。素晴らしいサーファー達と時間を共有できることは特別だよ。常にハワイでは進化して大会に勝ちたいと思う場所なんだ。自分にとって大きな意味を持つのさ」

(沢山の観客に囲まれた興奮のビーチ凱旋)
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開幕戦を5位で終えていたフィリッペ は今回の優勝で2位に浮上。
トップのロボとは約2,000ポイント差で、優勝経験もある次のポルトガルに挑む。
ポルトガルの後のオーストラリアレッグも相性はまずまずのため、ミッドシーズンカットよりも先の「Rip Curl WSL Finals」を見据えることになった。

「優勝するためにハードなトレーニングをこなし、サーフィンに尽くしている。昨年は楽しかったよ。欲しかったタイトルも獲れたし、勉強にもなったさ。今日のファイナルのようなシチュエーションになった時、準備万端だよと感じるんだ。最初にグリフィンがスコアを出した時も準備はできているよ。さあ、やろうぜってね。ヒートでは波が止まった時間が多かったけど、必ず良い波が来ると思っていたさ。グリフィンは最初に9.17を出したことで優勝を意識してナーバスになっていたようだった。自分は落ち着いて冷静に波を待った。そして、やるべきことをしたんだ」

(家族がフィリッペ の強さを築いている)
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モリー・ピックラムがCT初優勝

(2023年、ウィメンズのレベルは更に上がっている)
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ウィメンズサイドはディフェンディングチャンピオンのブリッサ・ヘネシー(CRI)、強豪タイラー・ライト(AUS)を倒したツアー2年目のモリー・ピックラム(AUS)とケイトリン・シマーズ(USA)とのクロスゲームを制し、ガブリエラ・ブライアン(HAW)を大差で下したキャロラインがファイナルへ。

キャロラインが7.50を出して先行するが、モリーがメンズライクなパワフルなターンで5ポイント台を2本重ねてトータルでリード。
キャロラインはバックアップスコアを伸ばせず、モリーがCT初優勝。
開幕戦を制したカリッサ・ムーア(HAW)と同率でランキングトップとなり、イエロージャージを手に入れた。

「ただのジャージの色に過ぎないけど、トップに立ったことには興奮しているわ。最終目標はトラッセルズよ。とても挑戦しがいがあったこのイベントで勝てて嬉しい。どんな時でも自信を失わず、自分を信じ通すことがこの勝利に結び付いたと思う。ウィメンズサーフィンのレベルは凄い高いわ。CSに落ちたと思えば、CTイベントで優勝することもある。挫折を味わいながらもコツコツと努力を重ねてきた自分を誇りに思う。このような瞬間が全てを価値あるものにしてくれるのよ」

(CT初優勝のモリー)
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ツアー1年目はミッドシーズンカットでCS落ちをしてそこから這い上がったモリー。
新生『Vans Pipe Masters』で優勝して時の人になり、今回の優勝。
まだ20歳の彼女にはアップダウンが大き過ぎた一年ではあったものの、この経験で得られたものは大きいだろう。

また、昨年は健康上の理由でサンセットビーチでのイベントを欠場したキャロラインは今回初出場でファイナルをメイクした。
モリーとは2002年生まれ同士。これからのツアーの中心人物になるだろう若い二人の争いだった。

(久々に表彰台に上がったキャロライン)
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次の第3戦はポルトガル西部・ペニシェ「Supertubos」を舞台とした『MEO Rip Curl Pro Portugal』
3月8日〜16日に開催される。

『Hurley Pro Sunset Beach』結果
1位 フィリッペ・トレド(BRA)
2位 グリフィン・コラピント(USA)
3位 ジャック・ロビンソン(AUS)、ジョアオ・チアンカ(BRA)
5位 ナット・ヤング(USA)、イーサン・ユーイング(AUS)、カイオ・イベリ(BRA)、マシュー・マクギリヴレイ(ZAF)

ウィメンズ
1位 モリー・ピックラム(AUS)
2位 キャロライン・マークス(USA)
3位 タイラー・ライト(AUS)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)
5位 ブリッサ・ヘネシー(CRI)、ステファニー・ギルモア(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、ケイトリン・シマーズ(USA)

2023年CT『Hurley Pro Sunset Beach』終了後のランキング
1位 ジャック・ロビンソン(AUS) 16,085pt
2位 フィリッペ・トレド(BRA) 14,745pt
3位 ジョアオ・チアンカ(BRA) 12,170pt
4位 レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA) 11,120pt
5位 カイオ・イベリ(BRA) 10,830pt

ウィメンズ
1位 カリッサ・ムーア(HAW) 14,745pt
1位 モリー・ピックラム(AUS) 14,745pt
3位 タイラー・ライト(AUS) 13,885pt
4位 ガブリエラ・ブライアン(HAW) 10,830pt
5位 キャロライン・マークス(USA) 10,410pt

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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