現地時間4月9日、オーストラリア・ベルズビーチを舞台としたCT第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』は公式4-6ftレンジの風の影響が入った難しいコンディションのボウルズで敗者復活戦のElimination Roundから始まり、メンズRound of 32を2つのヒートを同時進行するオーバーラッピングヒートの利用で全て消化。
オーウェンの引退、ワイルドカードがカレントリーーのロボことジャック・ロビンソン(AUS)を倒す、ケリーvsカノアのカードなど朝から夕方まで詰まった見所満載のマラソンデイだった。
オーウェンが現役最後のヒート
多くの話題があった2日目だが、一番のハイライトはオーウェン・ライト(AUS)の現役最後のヒート。
Round of 32でイーサン・ユーイング(AUS)に敗れた時点で長いキャリアを終えることになった。
2010年からツアー入りしたオーウェンは翌年にはタイトル争いに絡む大型新人で、4度のCT優勝。2015年のフィジー戦ではR5とファイナルでパーフェクトヒート。つまり、20ポイントを1イベントで二つも出す史上初の偉業を成し遂げた。
「この場所で過ごした時間は本当に特別なものだったよ。ヒートでは楽しい時間を過ごし、2本の波を乗り切った。ヒートには負けたけど、最後はアピールせずにはいられなかったさ。ここは私にとって故郷のような場所で、今日も多くの友人や家族がいる。最後にこの舞台に上がる以外、もっと良い引退の方法は見つからなかった。素晴らしいキャリアを送れたことに、とても感謝しているよ。たくさんの困難な瞬間や喜びがあり、旅もあった。ここでそれらすべてを終え、自分がサーフィンを共にした友人たちとハイファイブを交わし、2人の仲間に担がれてビーチを歩いたのはとても素晴らしいことだったよ。この瞬間に感謝している。まるで瞬きした瞬間に全てが終わった感じがするね。12年間というツアーはあまりにも早すぎて、すべてがあいまいに感じるけど、私はそれを愛しているよ」
理央が敗れ、カノアとコナーが残る
朝方行われたElimination Roundではルーキーの和井田理央(IND)が敗退して初の最下位となったが、Round of 32ではコナー・オレアリー(AUS)がナット・ヤング(USA)とのグーフィーフッター対決で8.23を含むトータル15.73を出して圧勝。
ミッドシーズンカットのライン下、ランキング24位同士のケリー・スレーター(USA)と五十嵐カノア(JPN)の対戦は難しい波にフィットしたカノアが完璧にリズムに乗って7.83を含むトータル13.93で勝利した。
「緊張感があったね。というか、ケリーとの対戦はいつも緊張するよ。最初は彼の方に良い波が回り、自分が追いかけていた。最終的には自分が良いセットを掴んだ時から好転し始めたと思うよ。ミッドシーズンカットや誰がヒートに勝つかを制御することはできないけど、ケリーとのヒートに集中することはできる。彼とこれから何回ヒートで戦えるか分からないので、とても緊張したんだよね。勝利できて嬉しいし、ボウルズでサーフィンができることも嬉しい」
ワイルドカードがトップを倒す
この日最大の番狂わせはカレントリーダーのロボをワイルドカードのザビエル・ハクスタブル(AUS)が倒したRound of 32のH9。
優勝、3位、2位と今シーズン絶好調のロボさえもコントロールできない難しいコンディションと毎年一度はあるワイルドカードの脅威がこのタイミングで訪れてしまった。
ちなみにロボがRound of 32を落としたのは、2019年のポルトガルでの第3戦以来だ。
ザビエルは次のRound of 16でコナーと対戦。
カノアはこの日ハイエストヒートスコアを出したグリフィン・コラピント(USA)とのカード。
グリフィンは『Make or Break』シーズン2でも話していた通り、最大のライバルのカノアとの対戦を楽しみにしているそうだ。
ウィメンズサイドのElimination Roundではケイトリン・シマーズ(USA)、タイラー・ライト(AUS)のライディングが際立っていた。
一方、怪我から復帰して今季初のCT出場となったジョアン・ディファイ(FRA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)がこのラウンドで姿を消している。
ネクストコールは現地時間4月10日の朝7時15分(日本時間同日朝6時15分)で20分後にスタート予定。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)