(イーサン・ユーイングとコーチのカイヒル)Photo by snowy

過去最低に近いコンディションだったが…ベルズは良い結末を迎えた – F+ CT観戦リポート

F+(エフプラス)

波はかなりひどかったけど天気はいいし、この先波はもっとひどいし、今日やってしまいましょうシステム。一日長すぎ。ウインキーなので私らセキュリティが立つ前、早朝真っ暗な中階段降りて岩場歩いてですから。ホント、ベルズボトムの底は深い。死ねる。
今までたくさんベルズには来てるけど、その中でも過去最低に近いコンディションだったと思う。一日ぐらいベルズっぽい波が見たかったかも。昔ならこのファイナルデーのウインキーのようなスモールコンディションだとジョハナに移動で、ま、ビーチブレイクながらいい波を当てられたんだけど、近年はジョハナも観光客で大賑わいで、イースター、スクールホリデーと続く連休の中ではいろいろやりにくく、お金もかかるし、もう無理、って感じらしい。コロナ関連は普通に何事もなかったかのような日常に戻ってる。全員どこでもノーマスク、「密です」上等(笑)。

(歴代の優勝者の名前の中には、1983年にイーサンの母、ヘレン・ランバートの名が)Photo by snowy

まぁ、誰もがそこそこよかったなと思う結末?
幼い時に母を亡くしているイーサン・ユーイング、母親のヘレン・ランバート(旧姓)の優勝から40年ぶりに息子優勝、ベッドサイドのベルがふたつになった。お父さん超嬉しそうだったな。ジョリさんがその時の表彰式の写真をインスタに上げてて、まぁ、ものすごい80年代感出てる。2位はジョディ・クーパー、トム・カレンも2位だったんだと思う。写真に写ってたので。

女子はタイラー・ライト2年連続優勝、兄のオウエンの引退試合で妹優勝。表彰台からふっつ~に、マイワイフに感謝、みたいな。まぁ、もともとオーストラリアはLGBTに寛容な国なので、近年の自由化ムードよりもっと先行ってる感じがする。
2位はライアン・カリナン、モーリー・ピックラムと、表彰台に上がった4人が全員オーストラリアと来た日にゃギャラリー大満足。

現役選手だったころ、うちにコナー・オレアリーと一緒に泊まっていたカイヒルはここのローカルで、現在はコーチもやっていて、イザベラ・ニコルスやワイルドカードでクオーターに行ったザビアやイーサンも見ていた。コナーのコーチのリチャード“ドッグ”マーシュ(懐かしい名前、と思う人はファン歴長いな(笑))はライアン・カリナンも見ていて、私両方よく知っているので、真ん中にハマって観戦。なんか内側の悲喜こもごもが見えたな。

そうね、サーフィンがキレてたのはイーサンだったよね。グリフィンもよかったけど、波の来ないヒートでライアンにやられた。

(ジョンジョンとコーチのロス) PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

女子のほうで印象に残ったのはベティルー・サクラ・ジョンソン。スピードとキレが違う感じ。ロス・ウイリアムスがジョンジョンとともにコーチについているんだけど、ベティルーにパワーが加わると無敵かも。でも今はまだちょっと軽い感じがする。

モーリー・ピックラムも数年前とは別人のサーフィンだ。このね、ジュニアを制して、QSとかCSでちょいちょい勝てるようになってからの伸び、ここでクオリファイの可否が決まるわけだけど、このタイミングでの伸びが日本人にはないと思う。CS出れてほっとひと息なのか、CSで思うように勝てなくてスタックするのか、とにかくここで止まることが多い。

でも日本人の「血」でチームを作れば結構強い。CTならカノアに加えてコナー、リオ・ワイダ、ベティルー、その他世界各国にいるであろう日本人の血を引いている選手たち……悪くはないな。まぁ、そうなると国内の強化指定選手どうこうとか、関係なくなっちゃうわけだけど、それはそれで不都合な人がいるわけか(笑)。

(選手のゼッケンの方には国旗が。日の丸もある)Photo by snowy

結論として、体格の問題はあるけどサーフィンは血ではなく、周囲の人間からの影響(ここ超大事)を含む「環境」ということですかね。日本にいたらダメ、ということではなく、どこを見て、何をするか、どういう目を持った人間から何を学ぶか、に尽きると思う。

F+編集長つのだゆき

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