オーストラリアレッグのセカンドイベント、CT第5戦『Margaret River Pro』が4月20日からウェスタンオーストラリアのマーガレットリバーで開幕する。
メイン会場はライト、レフト共にあるサンセットビーチのようなオープンフェイスの「メインポイント」
バックアップはレギュラー版のタヒチ・チョープーと称される「The Box」になる。
昨年はジャック・ロビンソン(AUS)、イザベラ・ニコルス(AUS)が優勝。
過去の勝利者を見てもレギュラーフッターが有利な舞台と言える。
今回の一番の注目は昨年から採用されたミッドシーズンカット。
これは全10戦の内の前半5戦終了後のランキングで下位の選手をカットして残りの5戦を戦う選手を絞るシステムだ。
下位の選手は『Margaret River Pro』終了後、5月6日にスナッパーロックスで始まる『 Boost Mobile Gold Coast Pro』からCSを戦い、2024年のCT返り咲きを目指すことになる。
ルーキーや若手にとってはミッドシーズンカットでCS落ちしても復帰する可能性は十分あるが、ベテラン勢にはCTと違う波での過酷なロードとなる。
例えば、ケリー・スレーター(USA)のように、もしCS落ちしたら100%近く引退というケースもあるため、ある意味タイトル争いをする「WSL Finals」よりも多くの選手のキャリアを左右する運命の分かれ道となりえるのだ。
ミッドシーズンカットの条件
ミッドシーズンカットの条件は『Margaret River Pro』終了時点のランキングでメンズは22位までが残り、23位以下がカット。ウィンメンズは10位までが残り、11位以下がカットの対象となり、CS落ちになる。
第4戦『Rip Curl Pro Bells Beach』終了時点でメンズは11名、ウィメンズは3名がミッドシーズンカットを通過して後半戦進出を確定させたと発表されている。
『Margaret River Pro』では 、まだ確定していない選手のヒート毎にこのカットの件で一喜一憂することになりそうだ。
【シーズン後半戦進出を確定させた選手リスト】
・メンズ
ジョアオ・チアンカ(BRA)
ジャック・ロビンソン(AUS)
フィリッペ・トレド(BRA)
イーサン・ユーイング(AUS)
グリフィン・コラピント(USA)
ライアン・カリナン(AUS)
カイオ・イベリ(BRA)
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
ヤゴ・ドラ(BRA)
レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
ガブリエル・メディナ(BRA)
・ウィメンズ
モリー・ピックラム(AUS)
タイラー・ライト(AUS)
カリッサ・ムーア(HAW)
現在、カットライン下にいる選手ではケリーとバロン・マミヤ(HAW)が26位タイ。
カットラインのすぐ上にはジャクソン・ベーカー(AUS)、リアム・オブライエン(AUS)が位置している。
ベルズ戦前に24位でカットライン下にいた五十嵐カノアは17位に浮上しているが、7年のキャリアでマーガレットリバーとの相性は良くなく、まだ油断はできない。
ウィメンズではサリー・フィッツギボンズ(AUS)、コートニー・コンローグ(USA)、レイキー・ピーターソン(USA)のベテラン勢や、昨年活躍したブリッサ・ヘネシー(CRI)がカットライン下にいる。
ベルズ戦の結果で5つランキングを上げた8xワールドチャンピオンのステファニー・ギルモア(AUS)でさえ、9位と危ない位置にいる。
ジョアオ・チアンカが初のイエロージャージ
今年のベルズ戦はF+つのだゆき編集長が言っていた通り、過去最低に近いコンディションで番狂わせも多かった。
カレントリーダーを維持してきたロボことジャック・ロビンソン(AUS)が早いラウンドで敗退してランキングも2位に転落。マーガレットリバーではジョアオ・チアンカ(BRA)が初のイエロージャージを着ることになる。
ウィメンズはツアー2年目のモリー・ピックラム(AUS)が4戦連続でイエロージャージを着用。
両者共にカットラインは免れており、ファイナル5進出でワールドタイトル。そして、2024年パリ五輪出場を目指すことになる。
ワイルドカードとリプレイスメント
すでに『Margaret River Pro』はヒート表が公表されており、ウィメンズは怪我人なく、フルメンバーが揃う。
ワイルドカードの1枠は未定。
メンズはベルズ戦に続き、ラムジ・ブキアム(MAR)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、ミゲル・プーポ(BRA)が怪我で欠場。
リプレスメントとワイルドカードはジェイコブ・ウィルコック(AUS)、リーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)、ジャーヴィス・アール(AUS)、カルロス・ムニョス(CRI)
もう1枠のワイルドカードは未定だ。
『Margaret River Pro』は4月20日〜30日に開催。
ライブ中継は日本時間朝8時頃から配信予定。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)