(イタロとのヒートに向かうカノア) PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

CT第5戦『Margaret River Pro』3日目 カノアと理央がミッドシーズンカットを通過!

現地時間4月22日、ウェスタンオーストラリアのマーガレットリバーで開催中のCT第5戦『Margaret River Pro』は3日目を迎えた。

前日に入った南西ウネリがピークを迎えたメインブレイクは公式6-8ftレンジまでサイズアップして朝から夕方までギッチリとスケジュールが進行。メンズは敗者復活戦のElimination Roundから2つのヒートを同時進行するオーバーラッピングヒートの利用でRound of 32まで行われ、ベスト16が決定。
ウィンメンズは夕方にRound of 16の8ヒート中、4ヒートのみ行われた。

メンズはシーズン後半戦に進む22名が決定

(サイズアップしたメインブレイク)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

メンズは22位まで、ウィメンズは10位までが後半戦に進み、残りの選手はCS落ちになるミッドシーズンカット。
メンズは前日までに9名が通過を確定させていたが、この日の結果によって残りの13名も決定してシーズン後半戦に進む22名が揃った。

ウィメンズはこの日タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)のみ通過を確定させ、残り5名の枠が残されている。

(無事にカットを通過したカノア)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

今シーズン、スランプの五十嵐カノア(JPN)はベルズ戦の結果によって17位とカットラインの上に浮上したものの、マーガレットリバーでは今シーズン3度目のElimination Round行きを強いられ、予断を許さない状況だった。

しかし、和井田理央(IND)、ワイルドカードのリーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)とのElimination Roundでは、プレッシャーを感じさせないライディングを披露。リーフと共にRound of 32進出を決めた。

Round of 32では東京五輪でファイナルを戦ったイタロ・フェレイラ(BRA)との対戦となり、9.03と8.50を出して爆発したイタロに完敗だったが、無事にミッドシーズンカットの通過を確定させた。
Elimination Roundで敗退した理央も同じくシーズン後半戦進出を決めた。

(和井田理央も後半戦へ)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

【シーズン後半戦に進む22名】
ジョアオ・チアンカ(BRA)
ジャック・ロビンソン(AUS)
フィリッペ・トレド(BRA)
イーサン・ユーイング(AUS)
グリフィン・コラピント(USA)
ライアン・カリナン(AUS)
ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)
ヤゴ・ドラ(BRA)
レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
カイオ・イベリ(BRA)
コナー・オレアリー(AUS)
カラム・ロブソン(AUS)
ガブリエル・メディナ(BRA)
ジョーディ・スミス(ZAF)
マシュー・マクギリヴレイ(ZAF)
イタロ・フェレイラ(BRA)
リアム・オブライエン(AUS)
和井田理央(IND)
五十嵐カノア(JPN)
バロン・マミヤ(HAW)
セス・モニーツ(HAW)
イアン・ジャンティ(HAW)

【カットされる13名】
サミュエル・プーポ(BRA)
ナット・ヤング(USA)
ジャクソン・ベーカー(AUS)
ミゲル・プーポ(BRA)
ケリー・スレーター(USA)
マイケル・ロドリゲス(BRA)
マキシム・フスノット(FRA)
コロへ・アンディーノ(USA)
エゼキエル・ラウ(HAW)
カルロス・ムニョス(CRI)
ジャドソン・アンドレ(BRA)
ラムジ・ブキアム(MAR)
ジェイク・マーシャル(USA)

(CS落ちが決まったサミュエル・プーポ)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

ケリーが脱落

(ヒート前に集中するケリー)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

ベルズ戦を終了した時点でカットライン下の26位にいたケリー・スレーター(USA)はOpening Roundこそカレントリーダーのジョアオ・チアンカ(BRA)を倒して好調だったが、Round of 32ではリアム・オブライエン(AUS)とのカードでバックアップスコアが足らず、残り1分に訪れたラストチャンスでもニードスコアに届かず、敗退。
このヒートは両者共にハイスコアは7.83と同じで、リアムは7.70のバックアップスコアを重ねていた。

(ファンに囲まれながら運命のヒートに向かうケリー)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

「マジックが起こるヒートの1つだと思っていたんだ。ニードスコアが10ポイント以内なら逆転のチャンスはある。調子は良かったし、負けたら大変なこの状況に対して緊張もしていなかったよ。美しい今日という日を感謝しながら楽しんでいたんだ」とケリー。

一方、ある意味最も注目されていたこのヒートを戦ったリアムは「本当に良い波を選ぼうと努力したよ。半分でも良いからケリーを寄せ付けないようにしていた。最後に彼がもう1つのチャンスを得た時、全員が歓声を上げたのを聞いて、やばいなと思ったね。幸いにも勝てたけど、彼は本当に凄いコンペティターで史上最高の人だよ。勝てて本当に嬉しい。これからはランキングを考えずにサーフィンに集中して、良い波を掴み、やるべきことに集中したいね」と話していた。

(ケリーを倒したリアム)
PHOTO:© WSL/Cait Mier
(ハイスコアは互角だったケリーだったが…) PHOTO:© WSL/Cait Mier

恐らくケリーがCSから再びCTを目指すことはないだろうが、ワイルドカードという形でタヒチなどお気に入りのイベントに出場して正式に引退という形になるか、それともしばらくは引退という形をとらず、いくつかのイベントにワイルドカードで出場を続ける可能性もある。
11度もワールドタイトルを獲得したケリーのような存在は過去に例がないため、どのような形になるかは不透明だ。

(敗退直後のケリー)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes
(パートナーのカラニとケリー)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

その他、この日はカノアを倒したイタロを始め、17.00と大会2番目のヒートスコアを出したヤゴ・ドラ、フィリッペ・トレド、ジョアオ・チアンカなどブラジリアンの活躍が目立っていた。
4戦続けて9位と一時の勢いがないガブリエル・メディナも勝ち上がっている。

ベルズを制したイーサン・ユーイング(AUS)、初日の主役となったジョン・ジョン・フローレンス(HAW)もラウンドアップを果たしている。

(ファンに囲まれるジョン・ジョン)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

レイキー・ピーターソンが粘り強さを見せる

(望みをつなげたレイキー)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

8ヒート中、4ヒートだけ行われたウィメンズのRound of 16ではカレントリーダーのモリー・ピックラム(AUS)、ワイルドカードのブロンテ・マコーレー(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)、レイキー・ピーターソン(USA)が勝ち上がった。

その中でもカットライン下にいるベテランのレイキーはマーガレットリバーで大きな結果を必要としており、見事にタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)を倒して今シーズン2度目のQF行きを決めた。

(美しい夕焼けとレイキー)
PHOTO:© WSL/Cait Mier

「本当に嬉しいわ。今年は接戦のヒートが続いていて、どれも自分の思い通りにならなかったけど、今回は上手くいって良かった。今までベストなサーフィンができなかったし、ミスもあったけど、そこから多くを学び取ることができた。QFはカリッサと戦うのね。こんな挑戦の時にこそ自分の最高のサーフィンができるはずよ」

ここで敗退したタティアナはポイント差からウィメンズでは5人目となるシーズン後半戦進出を確定。
一方、このラウンドで敗退したコートニーとソフィ・マックロック(AUS)はCS落ちになると予想される。

(コートニーとコーチのマイク・パーソンズ)
PHOTO:© WSL/Cait Mier
(失望するソフィ・マックロック)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

ネクストコールは現地時間4月23日の7時15分(日本時間の同日8時15分)
すでにウィメンズのRound of 16の残りヒートが進行中。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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