2028年ロス五輪でロングボードが競技として追加される可能性が高まってから初のISAイベントとなる『ISA World Longboard Championship』は現地時間5月9日に2日目を迎えた。
この日のエル・スンザルも初日と変わらず公式3-4ftレンジ。朝はクリーンなコンディションから始まり、日中は風の影響で難しい波へと変化していく中、ウィメンズR1の残り8ヒートを先に行い、その後に敗者復活戦のリパチャージR1がメンズ、ウィメンズ共に全て進行。
更にウィメンズR2の4ヒートが進行した。
北村亜希子、吉川広夏共に次のラウンドへ
日本代表でこの日出番があったのはウィンメンズの北村亜希子、吉川広夏のみ。
北村健一、浜瀬海はR2スタンドバイのままウィメンズのサポートに徹することになった。
最初に登場したウィメンズR1のH14、北村亜希子は4位でリパチャージR1行きとなったが、リパチャージではスペインとイギリス代表を相手に1位通過を果たした。
勝利者インタビューでは、数カ国語を操る日本でもお馴染みのベンに同じチームとして参加している夫、北村健一の件を聞かれ、「夫のサポートは言葉にできないほど大切です」と答え、吉川広夏、浜瀬海にも「ヒート前にアドバイスしてもらい、それを意識して戦った」と話していた。
ウィメンズR2ではオープニングヒートに吉川広夏が登場して一本目でトリムしながらノーズライドを絡めて綺麗にインサイドまで繋ぎ、6.83。ヒートの主導権を握り、後半には6.17を重ねてトータル13.00で1位通過。
R1よりもリラックスしてピロタンらしさが出てきたヒートだった。
勝利者インタビューでは、初日にも聞かれていたサーフボードの件を更に詳しく聞かれ、長さは9’4。フィンはFCSの9.75を使用していると返答。
普段はノーリーシュでコンテストに参加することが多いが、今回はエルサルバドルの波に合わせてリーシュを使用。日本でも練習をしてきたと話していた。
ちなみに先ほどもお伝えしたベンはできるだけ各国の選手の言語に合わせてインタビューをしている。日本人選手にとっては日本のことを良く知っているだけに心強い人物だろう。
46%を占める女性のトップに立つのは?
今大会はISAが2017年から競技フォーマットを調整して推進している男女平等の流れが進み、女性の競技者数が全体の46%にあたる過去最高の52人にも上る。
その先頭に立つ一人がフランス代表、ディフェンディングチャンピオンのアリス・レモーン。R1ではハングテンも含めた長いノーズライドで8.00を出して他選手を圧倒していた。
「凄い良い波ね。クリーンでロングボードには完璧よ。フランス代表として初めてエルサルバドルに来られて、とても嬉しい。私はすべてのヒートを楽しみ、結果を見守るわ」
アリスが8.00を含むトータル15.33という驚異的な数字を揃えた後、R2ではアリスの最大のライバルと言われているブラジルのクロエ・カルモンがノーズとパワフルなレールワークでそれを上回る15.43で一足先にR3行きを決めた。
R3では吉川広夏がクロエと同ヒートになることが決定している。
WLC初参加のモロッコ選手が活躍
フランスで開催された2019年の前大会の記録を上回る32カ国から118名以上のアスリートが集まった今年のWLC。
初参加となるモロッコの代表、二人の内の一人、タリク・エルバシティはリパチャージR1で見事なフットワークとクリティカルセクションでのノーズライドを決め、目立っていた。
「この場所で高いレベルのサーフィンを見ることができて本当に嬉しい。ISAのコンテストに参加するのは初。モロッコのロングボードシーンは良くなり始めているんだ。競技に参加する人も増えているよ」
アメリカ、オーストラリア、フランス、ブラジルなどロングボードのメジャー国以外の選手を沢山見ることができるのもISAの楽しみの一つ。
スタイルも重要なロングボードではまだ世界中に素晴らしく個性的なロガーがいると感じさせる。
スケジュール
コンテスト3日目の5月10日は朝7時30分に開始予定。
日本時間同日の22時30分。
ウィメンズR2、ウィメンズリパチャージR2、メンズR2の順番で行われる予定。
吉川広夏がウィメンズR2のH1。
北村亜希子がウィメンズリパチャージR2のH7。
メンズR2、H2に北村健一。H8に浜瀬海。
ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/
(THE SURF NEWS編集部)