オーストラリアでの2戦から始まり、南アフリカ、カリフォルニア、ポルトガル、ブラジルと全6戦で争われる2023年のチャレンジャー・シリーズ。通称CSの開幕戦がスナッパーロックスで行われ、現地時間5月13日に終了した。
優勝はサミュエル・プーポ(BRA)とインディア・ロビンソン(AUS)で、サミュエルは今年、インディアンは昨年の共にミッドシーズンカットでCTから脱落した選手。全6戦の内、上位4戦のポイントがカウントされるCSでは優勝がイコール、リクオリファイに結び付く大きな勝利となる。
キャリア最大の優勝
ウィメンズサイドで優勝したのはSFでステファニー・ギルモア(AUS)、ファイナルでソーヤ・リンドブラード(USA)を倒したオーストラリアのインディア・ロビンソン。2022年のミッドシーズンカットでツアーを脱落した彼女は脳震盪や怪我を克服するために懸命な努力を重ねていた。
それが報われ、女王ステファニーを倒してのキャリア最大の優勝を決め、リクオリファイに向け、最高の形でシーズンをスタートさせた。
「夢を見ているような気分よ。この場所で素晴らしい1週間を過ごし、今自分が優勝してここに立っていることが信じられないわ。数年前にチャレンジャーシリーズで2位になったことがあったので、可能性はあると思っていた。でも、実際に優勝する感覚は素晴らしい。昨年ツアーから脱落した後、身体のことを考えてチャレンジャーシリーズの出場は辞退したの。リハビリ時にはスナッパーロックスで良くサーフィンしたわ。それが報われたんだと思う。サポートチームにはとても感謝している。彼らがいなかったら今日この場所に立つことはなかったわ」
2021年のCSフランス戦で2位になった経験があるインディア。
まだ22歳と若く、ハンティンンビーチで開催された『2022 ISA World Surfing Games』にはオーストラリア代表として団体銀メダルに貢献していた。
完璧に近い勝利
メンズサイドはサミュエル・プーポ(BRA)とイーマイカラニ・デヴォルト(HAW)がファイナリストに選ばれ、巨大なエアーリバースで7ポイント台を2本出したサミュエルが圧勝。
イーマイカラニもエアーで5.83を返したものの、時すでに遅く、サミュエルが完璧に近い勝利を収めた。
「優勝はとても嬉しいね。今年は本当に辛い年だった。1つ良い結果を出したけど、必要だったもう一つの結果が出せなかった。しかし、これも神様の計画だと思っている。だから、ゴールドコーストに来る前にリセットしたよ。この優勝は夢が叶ったような感覚だね。自分を支えてくれた全ての人に感謝する。ツアーからは脱落したけど、周りには素晴らしいことが沢山あるんだ。2週間前はとても苦しんでいたのに、今コンテストに勝った。次のナラビーンでも全力を尽くすよ」
2022年のCTでルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝きながらも、2023年はポルトガルで5位になった以外、全て17位と結果を出せず、マーガレットリバーでミッドシーズンカットを宣告されたサミュエル。
それだけツアーで戦うことは厳しいのだ。
日本人選手の結果
2023年のCSには7名の日本人選手が参加。
QSのアジアリージョナルランキングからは田中大貴、ウィメンズは都築虹帆、野中美波、脇田紗良、松岡亜音が出場。
大原洋人、都筑有夢路はリージョナルワイルドカードとして出場権を得ている。
開幕戦は前半に活躍したものの、メンズは25位の大原洋人
ウィメンズは都築虹帆、都筑有夢路の17位が最高位と良いニュースは入らなかった。
CS第2戦は5月17日〜5月24日にNSW州のノースナラビーンで開催される『GWM Sydney Surf Pro Presented by Bonsoy』
ゴールドコーストからは約800kmも離れているため、CSのツアー一行は休む暇もなく、移動することになる。
『Boost Mobile Gold Coast Pro』結果
1位 サミュエル・プーポ(BRA)
2位 イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)
3位 ジェット・シーリング(USA)、クロスビー・コラピント(USA)
5位 ジェイコブ・ウィルコック(AUS)、ジャドソン・アンドレ(BRA)、ヨーガン・クウジネット(FRA)、マイケル・ロドリゲス(BRA)
ウィメンズ
1位 インディア・ロビンソン(AUS)
2位 ソーヤ・リンドブラード(USA)
3位 ステファニー・ギルモア(AUS)、サリー・フィッツギボンズ(AUS)
5位 ニクシー・ライアン(AUS)、サラ・バウム(ZAF)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、ルアーナ・シルヴァ(HAW)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)