現地時間8月6日、カリフォルニアのハンティントンビーチを舞台とした9日間に渡る戦いが遂にクライマックスを迎えた!
歴史あるUS Open、今年はVANSから国際決済を手掛けるシンガポール拠点のスタートアップ企業、Wallexが冠スポンサーになり、『Wallex US Open of Surfing』としてCS第4戦に組み込まれた。
今年は井上鷹がQF進出。2017年、2018年に2連覇した五十嵐カノアがファイナルデイに残ったこともあり、日本でも大いに盛り上がっていた。
ソーヤ・リンドブラッドがキャリア最大の優勝
今イベントでCT入りを確定させたコール・ハッシュマンドを初め、ジェット・シリング、クロスビー・コラピントなど元気が良いカリフォルニアのサンクレメンテチーム。
ウィメンズでは、17歳のソーヤ・リンドブラッドがベテランでツアー返り咲きを目指すサリー・フィッツギボンズ(AUS)を倒し、CS初優勝。ランキングも3位に浮上してクオリファイ圏内に入った。
「5歳の頃からこのイベントで優勝するのが夢だったの。優勝してきたすべての女子を尊敬しているわ。サリーとのファイナル。それもまた夢が叶った瞬間だった。優勝だなんて、本当に今の気持ちを言葉で表現することはできない。とても幸せよ。ビーチでサポートしてくれた家族やスポンサーに感謝したい」
ソーヤとサリーのファイナルは7.17と中盤に6.00を重ねたサリーが主導権を握っていたが、グーフィーフッターのソーヤはプライオリティを持っていたサリーがライトを狙う中、反対側のレフトの波にテイクオフ。パワフルなフロントサイドの2ターンで7.60を出して逆転に成功。大観衆が声援を送る中、再びレフトの波をつかみ、ピア手前まで止まらないサーフィンでダメ押しの8.93をスコアした。
マウイ島のスーパーグロムがCT入りに迫る
メンズサイドはSFで日本の五十嵐カノアをエアーリバースで完璧に抑えたマウイ島のイーライ・ハンネマンがサンクレメンテチームのクロスビーと対戦。
スロースタートながら、カノアを倒した勢いはファイナルでも衰えないどころか加速。一本目でクロスビーとのパドル合戦に勝ち、ファーストセクションでバックサイドのエアーリバース。メジャーマニューバーのコンビネーションでファイナルデイのハイエスト9.00を出して圧倒。この時点で勝負は決まったように見えたほど強烈な一本だった。
イーライはプレッシャーに押しつぶされそうなクロスビーを尻目に最後には再びエアーリバースをメイクして8.10をスコア。
まるでホームのような大勢のサポーターの前でコンビネーションに近い圧勝だった。
「目標を達成したよ。毎日一生懸命やってきたし、それが最終的に報われるのは凄いことだね、神を信頼することも少し必要だった。9ポイントライドのことは覚えてないさ。クロスビーと対戦できて良かった。同世代の中でも最高の存在なんだ。だから、彼に勝つためにエアーをする必要があるとファイナルに挑んだのさ。少し風が吹いてきてエアーのタイミングだと感じた。冷静に準備をする必要があったよ」
マウイ島のスーパーグロムとして子供の頃から注目されていたイーライ。
20歳になり、クリス・ギャラガーのコーチの元、コンテストの世界でも才能を発揮してきた。
ちなみにイーライとクロスビーは一緒に旅をする仲間でもあり、ランキングでも共にクオリファイ圏内に浮上。
来年はこの二人がツアーを揺るがす可能性もありそうだ。
次のCS第5戦は10月1日〜8日にポルトガルで開催される『EDP Vissla Pro Ericeira』
その後、すぐに最終戦がブラジルで開催され、2024年のCTメンバーが揃う。
『Wallex US Open of Surfing』結果
1位 イーライ・ハンネマン(HAW)
2位 クロスビー・コラピント(USA)
3位 ノーラン・ラポザ(USA)、五十嵐カノア(JPN)
5位 リーフ・ヘーゼルウッズ(AUS)、マテウス・ハーディ(BRA)、ジェイク・マーシャル(USA)、ジョージ・ピッター(AUS)
ウィメンズ
1位 ソーヤ・リンドブラッド(USA)
2位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
3位 エリー・ハリソン(AUS)、レイラニ・マクゴナグル(CRC)
5位 ナディア・エロスタルベ(EUK)、ルアーナ・シルヴァ(BRA)、ダニエラ・ロサス(PER)、アリアネ・オチョア(EUK)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)