カリフォルニア、オーストラリア、エルサルバドルを回り、3イベントで最終ランキングを決め、トップ8がマリブで開催される『Malibu Longboard Championships』でワールドタイトルを争う新しいフォーマットになった2024年のWSLロングボードツアー。
開幕戦の舞台はカリフォルニアのハンティントンビーチ。
昨年は『Vans Duct Tape Invitational』として開催されたが、今年はジョエル・チューダーがツアーから去り、『Huntington Beach Longboard Classic』とイベント名が変わってCS第4戦『Wallex US Open of Surfing』と併催された。
現地時間8月6日に迎えたファイナルデイは、これぞ真夏の祭典と呼べるような大観衆。選手のボルテージもマックスになるのが伝わる興奮のファイナルデイだった。
ケリス・カレオパアが2連覇
ウィメンズサイドは昨年と同じ、ケリス・カレオパア(HAW)とホノルア・ブロムフィルド(HAW)のファイナル。
序盤はケリスの6.17に対してフロントサイドでハング10から難しいセクションでのフィニッシュまでメイクして7.00を出したホノルアがリードしていたが、ケリスは中盤にファイナル最高のレフトのセットを掴み、フロントサイドで長いハング5からカービング、クローズアウトセクションでのフィニッシュまで決めて7.87。逆転に成功した。
「まだ実感がわかないわ。最高ね。メンズもそうだけど、昨年と同じような展開だった。ホノルアとの勝負は凄いプレッシャーになる。彼女は3度のワールドチャンピオンで、目標とするサーファーよ。昨年、ワールドタイトルを逃したことが本気で私を奮起させたの。ここハンティントンで良いスタートを切れたのは、とても嬉しいわ」
昨年17歳にして3Xワールドチャンピオンのホノルアを倒したケリスだったが、最後までワールドタイトルを争いランキング2位でフィニッシュ。
18歳になった今年、ランキングトップで次のベルズ戦に挑むことになる。
アジアの2強を倒したカニエラがLT2勝目
メンズサイドはディフェンディングチャンピオンのテイラー・ジェンセン(USA)とカニエラ・スチュワート(HAW)がファイナリスト。
ウィメンズ同様、昨年と同じカードになった。
QFで日本の井上鷹、SFでフィリピンのロジェリオ・Jr・エスクイエヴェルとアジアの2強を倒したカニエラはノーズライドとターンだけではなく、スイッチスタンスやハングヒールなど起用なロガー。
ファイナルではテイラーがノーライドの間にミドルスコアを重ね、中盤には風の影響が入った波でもポケットでのハング5にフィニッシュまでメイクして7.33を出してトータル13.00とスコアを固めた。更にフロントサイドでのハング5から10を2度行い、8.00。後半には7.40。ラストウェーブでは7.73とテイラーに付け入る隙を与えずに2019年のNY以来、2度目の優勝を決めた。
「仲間たちのお陰だよ。凄い意味のある優勝になった。今、この喜びを噛み締めているよ。ハイスコアを得るために小さくても良い波を探していた。潮が上げて波数が少なくなると思ったので、とにかく忙しく動いたのさ。ケリスと優勝を共有できたのは素晴らしいね。いつも同時優勝を試みてきたけど、上手くいかなかったんだ。遂にUS Openの表彰台に二人で立つことができたよ」
実はカニエラとケリスは従兄弟で、とても仲が良く、カニエラ優勝の瞬間にも思い切りハグを交わしていた。
次のLT第2戦は8月30日〜9月2日に開催される『Bioglan Bells Beach Longboard Classic』
オーストラリアのベルズビーチが舞台になる。
『Huntington Beach Longboard Classic』結果
1位 カニエラ・スチュワート(HAW)
2位 テイラー・ジェンセン(USA)
3位 トニー・シルヴァニ(USA、ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)
5位 エドゥアルド・デルペーロ(FRA)、カイ・エリス・フリント(AUS)、井上鷹(JPN)、リッチー・クレイヴィー(USA)
ウィメンズ
1位 ケリス・カレオパア(HAW)
2位 ホノルア・ブロムフィルド(HAW)
3位 ソフィア・コーヘーン(HAW)、ソレイユ・エリコ(USA)
5位 レイチェル・ティリー(USA)、リンジー・ステインリード(USA)、アリス・レモーン(FRA)、クロエ・カルモン(BRA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)