(この日一番波が見えていたJJF) PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

JJFとロボが主役となったCT最終戦『SHISEIDO Tahiti Pro』2日目

2024年パリ五輪の会場でもあるタヒチ・チョープーで開催中のCT最終戦『SHISEIDO Tahiti Pro』は3日間のレイデイを経て現地時間8月15日に再開。

公式6-8ftレンジの新しい南西〜南南西ウネリが入ったこの日は朝から晴天で英語ならビューティフルデイという表現がベスト。
夕方までヒートをこなし、メンズのみ一気にElimination Round(敗者復活戦)からRond of 16まで進行してベスト8が決定した。

「Rip Curl WSL Final」の残り数席の確定は明日以降に持ち越しになった一方、2024年パリ五輪のCT枠が新たに4枠決定。
速報でもお伝えした通り、五十嵐カノアのCT枠での取得が決まったため、繰り上げで稲葉玲王が日本人男子2枠目を手に入れた。

JJFとロボが9ポイントライド

(シングル、トータル共にハイエストを出したJJF)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

最高のコンディションとは言えないものの、バレルが少なかった初日に比べてチョープーらしい波になった2日目。

タヒチで5度の最多優勝記録を持つケリー・スレーター(USA)をヤゴ・ドラ(BRA)がブザービーターで倒す見せ場もあったが、この日の主役は9ポイントライドを披露したジョン・ジョン・フローレンス(HAW)とロボことジャック・ロビンソン(AUS)だった。

(カノアを倒した和井田理央だったが…)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

両者共にRond of 16でのスコアで、ジョン・ジョンは和井田理央(IND)を相手に難しいコンディションとなったチョープーを完璧に手なずけていた。
和井田理央が波選びに苦戦する中、いくつものバレルをメイクして後半には8.07とハイエストとなる9.57をマークしてトータルでも17.64のハイエストで圧勝。

「最高の気分だね。ヒートを通してクリーンでダブルアップする波が来なかったから、ちょっとイライラしてたんだ。難しい波しか乗れず、潰されそうな波を抜けないといけなかった。だから、最後の良い波には興奮したね」

すでにCT枠で2024年パリ五輪の出場を確保したジョン・ジョンは「Rip Curl WSL Final」出場の可能性も残されている。
2年連続でワールドタイトルを獲得した2017年以来、怪我でフルシーズンを回ることがなく、久々に訪れた3度目のワールドタイトル獲得のチャンス。
次のQFではガブリエル・メディナ(BRA)とのカードだ。

(ジャック・ロビンソン)
PHOTO: © WSL/Beatriz Ryder

ジョン・ジョンが9.57を出す前のハイエストだった9.40をリアム・オブライエン(AUS)との対戦でマークしたロボ。
ベルズビーチでの怪我から回復した後、17位が続いていたが、開幕戦での優勝と前半の好成績でランキングは8位。
CT枠で2024年パリ五輪の出場を確保したのに加え、ファイナルに進めば「Rip Curl WSL Final」出場の可能性もある。

「本当に特別な瞬間だったよ。凄いテイクオフの後、バレルの中では何も見えなかったけど、出てこれたんだ。今はファイナル5進出について考えていない。1ヒート毎、確実に進みたいね。流れに身を任せるよ。次のヤゴとのヒートは凄い楽しそう。良い波になることを願うよ」

JJFとロボの他、バロン・マミヤ(HAW)も大きなバレルをメイクして9.17をスコアして今シーズンのベストリザルトまで1ヒートの勝利。
昨年同様にイベントを盛り上げているワイルドカードとの対戦になる。

ファイナルデイに残った3名のワイルドカード

(ミヒマナ・ブレイ)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

すでにウィメンズはヴァヒネ・フィエロ(FRA)がQFに残っていたが、メンズサイドでもカウリ・ヴァースト(FRA)、ミヒマナ・ブレイ(PYF)の二人がトップシードを倒してQF進出を決めた。

昨年もワイルドカードで出場して2位になっているカウリは、Elimination Roundでランキング4位のジョアオ・チアンカ(BRA)、次に3位のグリフィン・コラピント(USA)を倒した。

(カウリ・ヴァースト)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

イーサン・ユーイング(AUS)のリプレイスメントとして入ったミヒマナはRond of 16でランキングトップのフィリッペ・トレド(BRA)と対戦。
7.00を出してリードを握り、終了間際には8.50をスコア。フィリッペに付け入る隙を与えずに初のCT出場で活躍している。

「今年は本当に苦労してきたんだ。前半は本当に辛かったけど、前向きに頑張ろうと思っていたよ。最終戦がタヒチ人にとって最も重要なコンテストだと分かっていたので、1か月前にここに移動してトレーニングを始めたんだ。毎日、どんなコンディションでもサーフィンをしてきたおかげで、準備万端だと感じたんだ。チョープーには強い思いがあるよ。気分は良いね。次の準備もできているよ」

当初、イーサンのリプレイスメントはローカルトライアルでマタヒ・ドローレと共にパーフェクト10を出したアイメオ・チャルマクが適任という声が多かったが、蓋を開けてみれば大成功だったミヒマナの選出。最高のダークホースとしてQFではバロンと対戦する。

2024年パリ五輪のCT枠が新たに4枠決定

(パリ五輪のCT枠を手に入れた五十嵐カノア)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

初日に2024年パリ五輪のCT枠が3枠埋まっていたが、この日は新たに五十嵐カノア(JPN)、ジョーディ・スミス(RSA)、マシュー・マクギリヴレイ(RSA)、ジャック・ロビンソン(AUS)の4名が枠を確保した。

東京五輪で銀メダルを獲得したカノアは2大会連続、ジョーディは東京五輪で出場資格を獲得したものの、怪我で棄権していた。
マシュー、ジャックは初出場となる。
これでCT枠はメンズが残り1枠、ウィメンズは残り2枠になる。

ネクストコールは現地時間8月16日の朝6時45分(日本時間8月17日深夜1時45分)
オフィシャルフォーキャストの「Surfline」によると新しい南ウネリが入る予想。
ファイナルデイになる可能性が高いでしょう。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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