9月24日〜10月1日にフランスでISA主催のSUPとパドルボードの国際大会『2023 ISA World SUP and Paddleboard Championship』が開催。
この競技に強い日本は昨年も井上兄妹を始め、SUPレースの荒木珠里、島津成彰、橘ゆう、パドルボードレースの堀部結里花がメダルを獲得して団体総合で4位に入っていた。
今年はメダル数こそ昨年を下回ったが、団体総合では昨年より一つ順位を上げて銅メダルを獲得した。
荒木珠里が金メダルを獲得したSUPテクニカルレースは2028年ロス五輪の参加を目指してISAが動いている種目でもある。
荒木珠里が2年連続2カテゴリー優勝の快挙
今年の『2023 ISA World SUP and Paddleboard Championship』で最も注目された選手となったのは、2年連続でSUPテクニカルレース、ディスタンスレースの2カテゴリーを制した17歳の荒木珠里だ。
18kmの長丁場のレースでは、昨年同様に2度の金メダリスト、オーストラリアのマイケル・ブース、2014年の金メダリスト、フランスのティトゥアン・プヨらと争った。
マラソンのように集団でレースが進行する中、荒木珠里は一気にリードをとり、驚異的なスタミナを維持。
最後は先頭集団に1分20秒もの差をつけて金メダルを獲得した。
「全ての勝利を忘れるようにしています。今日は違う日。そして、明日も違う日です。ただ挑戦し、パドリングを続けるだけです」
荒木珠里は沖縄出身で、父の影響でSUPの世界に没頭。
12歳の時にはマウイ島からモロカイ島までの45kmレース「Maui to Molokai」に最年少で出場して完漕を果たし、15歳最年少で世界のプロツアー「APPワールドツアー」に出場。オーストラリアでのデビュー戦で3位の快挙を達成した。
WSUPPCの2カテゴリーで2年連続の金メダル獲得、勝率100%の快挙を果たした彼にはShrimpyというニックネームがある。
なお、2位争いはフランスのティトゥアン・プヨと日本の田口頼となり、水上と陸上で競り合った。波を利用して僅かにリードしたティトゥアン・プヨが1秒差で2位。田口頼は3位で銅メダルを獲得した。
堀部結里花が2連覇
パドルボードのプローンディスタンスレースでは、堀部結里花が2年連続で金メダルを獲得。
このカテゴリーは、スペインのフーディット・ベルヘス、イタリアのコルネリア・リガッティ、日本の堀部結里花の間で過去3回争われていた。
今年はディフェンディングチャンピオンの堀部結里花がスタートからリードして2位のフーディット・ベルヘスに3分以上の差を付けてゴールした。
「私はエルサルバドルからコルネリア、フーディットと戦ってきました。私たちはライバル関係にありますが、強い二人に感謝しています。チーム全体のサポートを受けながら、全てのエネルギーを出し切ることができて、とても良い気分でした。みんなに感謝の気持ちを抱いています」
フランスが3年連続で団体総合金メダル
『ISA World SUP and Paddleboard Championship』ではフランスが2年連続で団体総合金メダルを獲得しており、今年のフランス大会でも特に最終日は多くのギャラリーが集まっていた。
最終日前日まではスペインが良いポジションだったが、SUPスプリントレースでは、メンズ、ウィメンズ共にフランス代表が金メダルを獲得。
この二人の活躍でフランスは3年連続の団体総合金メダルを獲得した。
ウィメンズのファイナルはプエルトリコのマリーカルメン・リベラが前半から主導権を握っていたが、沖に浮かぶブイの折り返し地点付近でフランスのメラニー・ラフェネトルがチャージを仕掛け、ほぼ並んで岸まで争っていた。しかし、マリーカルメン・リベラがボードから降りる時にバランスを崩し、メラニー・ラフェネトルが僅かな差でゴールに飛び込んだのだ。
「とても嬉しいわ。全てのフランス人が私に向かって「行け、行け、行け!」と叫んでいた。フランスで優勝することは私にとって非常に重要だった」
メンズで優勝したノア・ガリウードは、21歳でニューカレドニア出身。ファイナルではスタートからリードしての勝利だった。
「国別ランキングでフランスを1位にするためには金メダルが必要だった。個人でもチームでも嬉しい結果になったよ」
『2023 ISA World SUP and Paddleboard Championship』結果
Women’s SUP Surfing
1位 Lucia Cosoleto (ARG)
2位 Aline Adisaka (BRA)
3位 Billie Scott (NZL)
4位 Justine Dupont (FRA)
Men’s SUP Surfing
1位 Max Torres (PUR)
2位 Wes Fry (AUS)
3位 Benoit Carpentier (FRA)
4位 Kai Bates (AUS)
Women’s SUP Technical Race
1位 Esperanza Barreras (ESP)
2位 Melanie Lafenetre (FRA)
3位 Mariecarmen Rivera (PUR)
4位 Alba Frey (ESP)
Men’s SUP Technical Race
1位 荒木珠里(JPN)
2位 Noic Garioud (FRA)
3位 田口頼(JPN)
4位 Titouan Puyo (FRA)
Women’s Paddleboard Technical Race
1位 Judit Verge (ESP)
2位 Cornelia Rigatti (ITA)
3位 Molly Roodhouse (ENG)
4位 Susette Velez (PUR)
Men’s Paddleboard Technical Race
1位 Julen Marticorena (FRA)
2位 Andrew Byatt (ENG)
3位 Carlos Alonso (ESP)
4位 堀部雄大 (JPN)
Junior Girls SUP Technical Race
1位 Cecilia Pampinella (ITA)
2位 Soryn Preston (USA)
3位 Elene Etxeberria (ESP)
4位 Rebeka Klotz (BRA)
Junior Boys SUP Technical Race
1位 Vaic Garioud (FRA)
2位 Donato Freens (NED)
3位 島津成彰 (JPN)
4位 Campbell Carter (USA)
Women’s SUP Distance Race
1位 Esperanza Barreras (ESP)
2位 Duna Gordillo (ESP)
3位 Mariecarmen Rivera (PUR)
4位 Anna Tschirky (SUI)
Men’s SUP Distance Race
1位 荒木珠里 (JPN)
2位 Titouan Puyo (FRA)
3位 田口頼 (JPN)
4位 Aaron Sanchez (ESP)
Women’s Paddleboard Distance Race
1位 堀部結里花 (JPN)
2位 Judit Verges (ESP)
3位 Cornelia Rigatti (ITA)
4位 Jessica Georgelin (ENG)
Men’s Paddleboard Distance Race
1位 David Buil (ESP)
2位 Andrew Byatt (ENG)
3位 Julen Marticorena (FRA)
4位 Donald Miralle (USA)
Women’s SUP Sprint
1位 Melanie Lafenetre (FRA)
2位 Mariecarmen Rivera (PUR)
3位 Tarryn King (RSA)
4位 Cecilia Pampinella (ITA)
Men’s SUP Sprint
1位 Noic Garioud (FRA)
2位 Ollie Houghton (NZL)
3位 Claudio Nika (ITA)
4位 Aaron Sanchez (ESP)
Relay
1位 フランス
2位 イタリア
3位 日本
4位 スペイン
団体総合結果
1位 フランス
2位 スペイン
3位 日本
4位 イタリア
ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/
(空海)