(エリン・ブルックス) PHOTO: © WSL/Kenny Morris

日本人選手は全て敗者復活戦行き…『SAMBAZON World Junior Championships』初日

現地時間1月9日、WSL主催の20歳以下のサーフィン世界一を決めるWJCこと『SAMBAZON World Junior Championships』が開幕。
会場のカリフォルニアのオーシャンサイドは3-4ftレンジで朝はクリーンなフェイスのロングショルダーの波から始まり、風の影響が入った日中も難しいながらポテンシャルがある波があり、メンズ、ウィメンズ共にオープニングラウンドが終了した。

オーシャンサイドはかの有名なハンティントンビーチのようにピアでサンドバーが形成される。
ハンティントンビーチよりも人は少なく、この日はあしか(シーライオン)がピア付近に現れて走り回り、のどかさを感じさせていた。

WJCはWSLが定めたオセアニア、アフリカ、ハワイ・タヒチ、ヨーロッパ、アジア、北米、南米と7つのリージョナルから選ばれた2名の選手とWSLツアー&コンペティション・チームによって選ばれた10人のワイルドカード。
メンズ24名、ウィメンズ24名、合計48名の選手で争われる。
優勝した選手には2024年CSの出場権が与えられるため、CTクオリファイの近道になる。

ISAのジュニアイベント、WJSC(18歳以下)よりも圧倒的に参加人数が少なく、オープニングラウンドの後、敗者復活戦を挟み、Round of 16。
QF、SF、ファイナルとスピーディに試合は進行する。

日本人選手は全て敗者復活戦へ

WJCは2019年の台湾大会で都筑有夢路が優勝したイベント。
今シーズンは中塩佳那、川瀬心那、都築虹帆。
矢作紋乃丞、長沢侑磨、岩見天獅の6名が出場。

ワイルドカードの都築虹帆、岩見天獅は2年連続の出場で、その他の選手は初出場。

参加人数が少ない=オープニングラウンドから強豪に当たる確率も高く、3人ヒートで1名しか上がれないため、全ての選手が敗者復活戦行きを強いられている。

オーストラリア勢が快勝

(ジョエル・ヴォーン)
PHOTO: © WSL/Kenny Morris

初日に強さが際立っていたのは、オーストラリア勢。
ディフェンディングチャンピオンのジャーヴィス・アールを始め、ジョエル・ヴォーン、マーロン・ハリソン。
ウィメンズではシエラ・カーがハイスコアを出してラウンドアップを決めていた。

中でもジョエル・ヴォーンはすでに完成されたエアリアルを武器に8.17を含むトータル14.44のハイエストヒートスコアで圧勝。

「対戦相手のブレイディが良い波に乗ったのを見て、その後に入った波を絶対に乗ろうと思ったんだ。全てのヒートが激戦だから、見ないようにしているよ。CSで再び戦いたい。そして、今年はできるだけ努力して一生懸命やり、クオリファイをするのが目標なんだ」

NSW州のノースシェリー出身のジョエル・ヴォーン。
QSではトップクラスでCSにも2年連続で出場している。
まだCSで結果は残せていないが、確実にCT候補として成長している選手である。

ブラジル勢にも注目

(ライアン・カイナロ)
PHOTO: © WSL/Kenny Morris

過去にエイドリアーノ・デ・ソウザ、ガブリエル・メディナも優勝経験があるWJC。
ブラジル勢はISAのジュニアイベント、WJSCが自国開催だったこともあり、U18ボーイズでライアン・カイナロが金メダルを獲得。
国別でも2003年以来、2度目の金メダル獲得と勢いに乗っており、WJCでも怖い存在だ。

初日はライアン・カイナロが二人の南アフリカ勢を相手に圧勝。
ヘイター・ミュラーが日本人ハーフのシフォン・クロフォード(HAW)、ハーレー・ウォルターズ(AUS)とのクロスゲームを制してトップ通過を果たしている。

「あのヒートでのパフォーマンスには満足しているよ。オーシャンサイドに来るのは初めて。次のヒートでも全力を尽くすよ」

ブラジリアンらしくエアーを得意とするヘイター・ミュラーは2019年にジュニアで初優勝を果たしてからQSでも勝利を重ね、昨年はブラジルのCSに出場して9位に入っている。
オープニングラウンドでは長い手足を利用したダイナミックなターンのコンビネーションでスコアを稼いでいた。

その他、ハワイのジャクソン・バンチ、カリフォルニアのジェット・シリング、タジ・リンドブラッドがトップでラウンドアップ。
サンクレメンテ出身のタジ・リンドブラッドは先輩のコロへ・アンディーノから3本のボードを貰ってイベントに挑んでいるそうだ。

ウィメンズはエリン・ブルックスがハイエスト

(エリン・ブルックス)
PHOTO: © WSL/Kenny Morris

メンズに劣らず、強豪揃いのウィメンズサイド。

開幕前から注目されていたカナダのエリン・ブルックスは川瀬心那、ハニレ・ゴンサレス・エチャバリ(EUK)とのカード。
序盤は川瀬心那がリードしていたが、ラスト5分でエリンは6.27を出し、更に8.33と猛攻撃。シングル、トータル共にハイエストを叩き出してベスト16入りを決めた。

「私にとって今年の最初のヒートだったので、少しだけ緊張したわ。ヒートの対戦相手はとても上手かった。自分も頑張らないとって思ったわ。波数が少ない中、ただ待っていて最後の数分に慌ててやった感じよ。私は緊張しないタイプなので、冷静さを保ち、ただ祈ったわ」

まだ16歳ながら、すでにCS優勝や、『Vans Pipe Masters』出場。
CT入りも時間の問題と言われている天才エリン。

父のジョシュ・カーと共に会場入りしているシエラ・カー(AUS)を始め、強豪揃いのWJCですんなり勝てるとは思えないが、優勝候補の筆頭と言えるだろう。

その他、姉妹で出場しているアネット・ゴンサレス・エチャバリ(EUK)、ベラ・ケンワーシー(USA)、ルイーズ・ルプロン(RSA)、ノア・クラップ(DEU)、ゾーイ・ベネデット(USA)、ソル・アギレ(PER)がトップ通過でRound of 16へ。

ネクストコールは現地時間1月10日の朝7時で35分後(日本時間1月11日0時35分)に再開予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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