現地時間1月26日、フィリピンのルソン島、ラ・ウニオンにあるライトのポイントブレイク「アービズトンドビーチ」を舞台に1週間に渡って開催された『La Union International Pro LQS』が終了。
公式3-4ftレンジのロングボードには難しいコンディションでファイナルデイを迎え、井上楓が強敵の吉川広夏を倒してLQS初優勝。
ディフェンディングチャンピオンのロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)が2連覇を達成した。
18歳の井上楓がベテランを倒す
ウィメンズサイドは日本の2強、田岡なつみと吉川広夏がSFで対戦。
事実上のファイナルは吉川広夏が制して2017年以来のLQS優勝に王手をかけていた。
しかし、ファイナルでは18歳の井上楓がクリティカルセクションでのノーズ、カットバックで8.25を出して吉川広夏に火を付ける。吉川広夏は7.50を出して逆転にはニード7.81。彼女の実力とこの日のサーフィンなら、すぐにひっくり返すことが可能な数字だったが、焦りが出たのかラスト3分を切って乗った波でノーズを引っ張り過ぎてしまい、ワイプアウト。更に終了間際に乗った波もミスをしてしまい、井上楓が逃げ切ることに成功した。
「LQSで初めて優勝できて本当に嬉しいです。怪我をしていますが、決勝では本当の力を発揮できました。兄、妹、母親がここにいてサポートしてくれて本当に幸せです。今後も実力を見せ続け、次も勝ちたいと思います」
今回は兄の鷹、妹の桜と母親の4人でフィリピン入り。
3名共にQSとのダブルエントリーをして見事にLQSで初優勝を決めていた。
ちなみに井上楓はボードを壊してしまい、兄のボードを使用しての参加だった。
18歳の井上楓は2023年のLTベルズ戦でトライアルを勝ち上がり、メインイベント出場の貴重なチャンスを得ていた。
また、この年はSUPサーフィンのAPPツアー、U18とロングボードクラスで2年連続のワールドタイトルを獲得と飛躍の年になった。
今回の優勝でLQSアジアリージョナルで田岡なつみに続く2位に浮上。2月1日〜7日にフィリピンで開催される『Baler International Pro LQS』の結果次第ではLTに正式にクオリファイする可能性もある。
浜瀬海を倒したロジェリオ
LT出場に向けて遂に本気になった浜瀬海。
韓国でのLQSでは力の差を見せつけて優勝。
フィリピンでもイベントを通してスタイリッシュなノーズとターンでスコアを重ね、ファイナルに進出した。
ローカルでディフェンディングチャンピオン、更にLTでもトップのロジェリオとのファイナルはロジェリオが先行。独特のリズミカルなバックサイドのスタイルでノーズ、ターンを繰り返し、9.25、7.00。トータル16.25と早々とまとめた。
浜瀬海も序盤からリズムを掴み、7.85、7.25、トータル15.10。残り時間をたっぷり残し、ニード8.41でポテンシャルがある波を探し、8.70を返すが、ロジェリオは8.75とバックアップスコアを伸ばしてトータル18.00、ニード9.30まで引き離す。
最後まで諦めずに波を追い続けた浜瀬海だったが、終了間際に乗った波でワイプアウトしてしまい、ロジェリオの優勝が確定。
ロジェリオは地元の応援団が待つビーチに戻り、フィリピンの国旗を掲げて勝利を祝った。
「WSLイベントがここで行われて本当に良かった。優勝できて最高に嬉しいし、感激しているよ。ビーチにいるみんなのサポートも素晴らしかったね。友達、家族、スポンサーも。次のバレールも楽しみさ。兄弟と友達と一緒に競技に挑むよ。波があればいいね。今後の展開を楽しみにしている」
ランキングでは韓国の優勝ポイントがある浜瀬海が2位のロジェリオに大差でリード。
ロジェリオはLT2年目でリクオリファイも決めているため、アジアリージョナルからの今年のLT選手は浜瀬海の可能性が濃厚になってきた。
『La Union International Pro LQS』結果
1位 ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル(PHL)
2位 浜瀬海(JPN)
3位 リコ・デュマギン(PHL)、ジョマリー・エブエザ(PHL)
5位 クリサント・ヴィランエヴァ(PHL)、ロジャー・カソガイ(PHL)、ダニ・ウィディアント(IDN)、ワーレン・ロペス(PHL)
ウィメンズ
1位 井上楓(JPN)
2位 吉川広夏(JPN)
3位 田岡なつみ(JPN)、デイジー・ヴァルデズ(PHL)
5位 スジン・パーク(KOR)、シーラ・メイ・コンビクト(PHL)、井上桜(JPN)、ジンジャー・カイミ(ITA)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)