26歳の浜瀬海がロングボード最高峰のレース、ショートボードのCTにあたるLT参戦に本気を出している今シーズン。
クオリファイをかけてのLQSがとても面白いことになっていることをご存知だろうか?
日本の女子ロングボードの世界では田岡なつみと吉川広夏が二強で、LTには田岡なつみが参戦。
吉川広夏は2022年にクラウドファンディングを経てアジア代表として参戦している。
男子は浜瀬海と井上鷹が二強。
井上鷹は2019年からLTに参戦しているが、浜瀬海はスポットのみで、良い結果も残していない。
しかし、現在の浜瀬海のレベルは当時よりも確実に上がっており、LTでも通用する可能性が高い。
だからこそ、本人も世界を目指しているのだろう。
浜瀬海はJPSAで2017年、2018年、2022年、2023年と4度のタイトルを獲得。
2023年には参加した全ての大会で優勝するグランドスラムを達成するなど、日本では無敵の存在。
井上鷹との過去の対決でも上回り、直接対決でも浜瀬海の方が勝率が高い。
特にコロナ前の2018年、共にフル参戦したこの年は度々ファイナルで対戦して3対1で浜瀬海に軍配が上がっていた。
当時、仲が良いのか悪いのか分からなくなるほど試合中はバチバチの勝負だったのが話題になっていた。
両極端のスタイル
LTでもタカスタイルと称されるほど異色の井上鷹は、多くの選手がオールブラックのウェットスーツを着用する中、ライムグリーンをワンポイントとしたウェットスーツを愛用。
ハーレー・イングルビーに憧れたというハイパフォーマンスに偏ったサーフィンでデビューを果たし、LTのジャッジクライテリアに合わせてクラシックとのミックスに移行。
独特のスタイルを築いている。
一方、浜瀬海はショートボードのプロ出身ながら、あくまでクラシックスタイルを貫いている。
優雅なステップからのハング5、ハング10と繋がる流れはLTレベルであり、後ろを向きながら戻るリバースも彼の十八番になっている。
年々進化しているロガーとしての振る舞いを見て、同じ日本人でも井上鷹と全く違うスタイルの彼にぜひLTで戦って欲しいというファンも多いだろう。
2024年LTクオリファイをかけての戦い
CT同様、前年のランキングがリクオリファイに関係するLTでは、2023年に9位だった井上鷹が残る可能性が高い。
浜瀬海が狙っているのは、LQSのアジアリージョナルランキングからの僅か1枠だが、韓国で優勝、フィリピンレッグの初戦で2位に入り、現在ランキングトップ。
更に現在開催中のフィリピンレッグの2戦目『Baler International Pro LQS』でもSFに残っているため、すでにLTクオリファイが現実的になっている。
『Baler International Pro LQS』のSFの対戦相手は井上鷹。
井上鷹にとってLQSでのランキングはそれほど重要ではないが、もちろん本気で勝ちにいくだろうし、浜瀬海は今年のLTを見据えて負けるわけにはいかないヒートでもある。
浜瀬海 vs 井上鷹は見逃せないカードだ。
その他の注目カード
フィリピンレッグの2戦目『Baler International Pro LQS』はその他にもフィリピン初のLTサーファー、ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェルが残っている。
ウィメンズサイドではSFで吉川広夏と田岡なつみが対戦、フィリピンレッグの初戦で優勝した井上楓も残っている。
LQSウィメンズのアジアリージョナルランキングでは、田岡なつみがトップ。
井上楓が2位につけているが、吉川広夏が優勝すればランキングが変化する可能性もある。
ウィメンズは三つ巴の戦いになりそうだ。
同時開催のQS3,000『Baler International Pro』もベスト4が決まり、インドネシアのクトゥ・アグース以外、全て日本人選手が残っている。
大音凛太、大原洋人、安室丈。ウィメンズは都築虹帆、脇田紗良、都筑有夢路、野中美波。
QSアジアリージョナルも熾烈な争いが続いているフィリピンレッグの2戦目。
ライブ中継はWSL公式YouTubeで配信される。
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)