2024年CSクオリファイをかけての戦いもいよいよ大詰め。
クオリファイの条件は2023年4月から2024年3月までに開催されたイベントのトップ5のポイントによるランキングで、アジアリージョナルの枠は男子6名、女子4名。
その内の男女1名はワイルドカードのため、ランキングでは男子が上位5名、女子が上位3名となる。
アジアのイベントはフィリピンの2戦で終了。
その後、3月に残り2戦、オーストラリア/オセアニアリージョナルとの共同開催で3,000と5,000が行われる。
つまり、フィリピンでの2戦はCSクオリファイの重要な戦いとなる。
フィリピンでの初戦はルソン島のラ・ウニオン「アービズトンドビーチ」で開催されたQS3,000『La Union International Pro』で、中塩佳那とフィリピンのジョン・マーク・トコンが優勝。
中塩佳那がCS出場の圏内であるランキング3位に浮上した。
カレントリーダーはQS5,000の優勝がある脇田紗良。2位は松岡亜音が維持。
男子は西慶司郎がカレントリーダーで、2位は大音凛太。3位はキアン・マーティン(SWE)。
野中美波 vs 脇田紗良
フィリピンでの2戦目はルソン島の反対側に位置するバレアーの「サバンビーチ」で開催。
現地時間2月6日のファイナルデイは公式1-2ftレンジのスモールコンディション。千葉や湘南の小さい時と同じような波で、日本人選手に有利だった。
ウィメンズサイドは特に日本人選手が強く、フィリピン、インドネシア、韓国勢はRound of 16で全て敗退。
ベスト8は全て日本人となり、野中美波と脇田紗良がファイナルに進出した。
中塩佳那はQFで敗退となり、ランキングもCSクオリファイ圏外の5位に転落した。
ファイナルは脇田紗良が20分ヒートの大半をリードしていたが、6.40を出した野中美波が逆転。更に2ターンのコンビネーションで8.00を出して引き離すとダメ押しの7.65でトータル15.65を揃え、2019年の南アフリカでのQS1,000以来、久々の優勝を手に入れた。
「優勝できて本当に嬉しいです。紗良との対戦も素晴らしかったです。ファイナルでは二人共に7ポイントのスコアを出せて、とても良いヒートでした。ランキングはあまり気にしていませんが、アップできて嬉しいです。オーストラリアでまだ2つのイベントがあります。CS進出がかかっているので、ベストを尽くします」
野中美波と脇田紗良は親友で長い間、いつかファイナルで会いたいと話していたそうだ。
終了後は敗退したのにも関わらず、野中美波を笑顔で祝福していた。
ランキングでは野中美波が5位から3位に浮上。脇田紗良がトップを維持しながら2位の松岡亜音との差を広げている。
大原洋人 vs 安室丈
メンズサイドも日本人選手の活躍が目立ち、ベスト4はインドネシアのクトゥ・アグース以外、全て日本人。
フィリピンのジョン・マーク・トコン、キアン・マーティン(SWE)はRound of 16で敗退していた。
ファイナリストは大原洋人と安室丈。
ヒート開始直後にアグレッシブなターンからスピードをつけてエアーリバースをメイクした大原洋人がイベントのハイエストになる9.00をスコア。この一本が決め手となり、終了間際にも8.25を出してトータル17.25の圧勝。
安室丈は8ポイントを2本出したSFがピークとなり、ファイナルでは大原洋人のペースに巻き込まれてしまった。
「フィリピンとバレアーの地元の皆さん、そして全てのスポンサー、WSL、家族と友達に感謝したいです。家に帰って家族と一緒に祝いたいです」
今回の結果によりランキングは大きく変動。
大音凛太がトップに立ち、 安室丈が2位、大原洋人が3位に浮上した一方、西慶司郎は4位、キアン・マーティン(SWE)は5位に転落している。
大原洋人は2024年CSクオリファイをかけて最後の戦いとなるオーストラリアレッグの前に以下の声明を発表している。
「まずは、ほっとしたの一言です。昨年の試合を通して自分の得意なことをやっていった方がいいと感じた一年だったので今大会でエアーができるときはやっていこうと思い、小さい波でエアーが出来るか怪しかったですが、成功させること出来たのが今回の結果につながったと思います。ランキングについては、こんなにも上がるとは思ってなかったのでラッキーっていう感じです。次の試合は、オーストラリアの2戦に出場する予定です。CSで戦う前にアジアではない選手と戦うことが出来るので、自分のレベルを上げる為にもCS前の準備をするためにも、いい試合に出来ればなと思ってます。引き続き、応援の程宜しくお願い致します」
QS3,000『Baler International Pro』結果
1位 大原洋人(JPN)
2位 安室丈(JPN)
3位 大音凛太(JPN)、クトゥ・アグース(IDN)
5位 フィルマー・アリペヨ(PHL)、加藤翔平(JPN)、オニー・アンワー(IND)、伊東李安琉(IDN)
ウィメンズ
1位 野中美波(JPN)
2位 脇田紗良(JPN)
3位 都築虹帆(JPN)、都筑有夢路(JPN)
5位 中塩佳那(JPN)、井上楓(JPN)、カミール・スパカロテッラ(IND)、佐藤李(JPN)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)