プエルトリコ北部のアレシボを舞台とした『2024 ISA World Surfing Games』は現地時間2月25日に大会2日目を迎え、メンズ、ウィメンズ共にR1の残りヒートとR2。リパチャージR1はメンズが18ヒート中、7ヒート。ウィメンズは16ヒート中、5ヒートのみ進行した。
会場はマルガラとエルピコ。
公式3-4ftレンジと前日よりサイズダウン、波数も少なく、特に日本代表は苦戦の一日となった。
早くも明暗を分けた2日目
2024パリ五輪の選手選考を兼ねた今イベント。
すでに出場を確定させた選手では、ジョーディ・スミス(RSA)、カウリ・ヴァースト(FRA)、ジャック・ロビンソン(AUS)、イーサン・ユーイング(AUS)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、ビリー・ステアマンド(NZL)、フィリッペ・トレド(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ルーカ・メシナス(PER)がR3進出。
ウィメンズではモリー・ピックラム(AUS)、サノア・オリン(CAN)、テレッサ・ボンバロ(PRT)、タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、キャロライン・マークス(USA)、カリッサ・ムーア(HAW)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、サラ・バウム(RSA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、ジョアン・ディファイ(FRA)、タイラー・ライト(AUS)がR3に進んでいる。
CT選手ではバロン・マミヤ(USA)、ラムジ・ブキアム(MAR)、ガブリエル・メディナ(BRA)、ヤゴ・ドラ(BRA)、和井田理央(IDN)、フレデリコ・モライス(PRT)がラウンドアップ。
イギリス代表として参加しているスカイ・ブラウンはブザービーターでR3へ。
ハイエストスコアはフロントサイドのエアーリバースをメイクしたヤゴの8.83。ヒートトータルではパワフルなレールワークで安定したライディングを続けたカリッサの16.00。
「ISAイベントは本当に楽しく、美しいエネルギーをもたらしてくれるわ。それは喜びと愛、サーフィンのすべてだと思う。サーフィンと海は世界中のすべての人をつなげ、愛を共有できる。このイベントでは本当にそれを感じることができるし、素晴らしいわ」とカリッサ。
31歳の彼女は5回もワールドタイトルを獲得。
今年、CTの現役を引退をしてパリ五輪が最後の晴れ舞台になる。
彼女のホームであるハワイと似たようなマルガラのリーフブレイクで多くの人が憧れるような最高のライディングを披露していた。
一方、日本の五十嵐カノアの他、アラン・クリーランド(MEX)とWSG金メダリストでもある二人がリパチャージ行き。
マシュー・マクギリヴレイ(RSA)もR2でマルコ・ミグノー(FRA)などに抑えられてリパチャージ行きになっている。
ミゲル・トゥデラ(PER)、エリン・ブルックス(CAN)、ペイジ・ハレブ(NZ)、ルアーナ・シルヴァ(BRA)などの強豪がメインラウンドから脱落と早くも明暗を分けた2日目だった。
波乗りジャパンは稲葉玲王のみR3へ
すでに五十嵐カノア、松田詩野、稲葉玲王がパリ五輪出場を確定。
コナー・オレアリーが内定となっている日本代表「波乗りジャパン」だが、稲葉玲王以外は全てリパチャージ行きになっている。
すでに初日のR1でリパチャージ行きとなったコナーはリパチャージR1H14でこの日は出番なし。
なお、五十嵐カノア、松田詩野、都筑有夢路、前田マヒナはリパチャージR2から戦う。グランドファイナルに残るにはメンズがリパチャージR12、ウィメンズがR10まで勝ち抜く必要がある長い道のりとなる。
開催国プエルトリコのベテランが元CT選手を倒す
開催国プエルトリコは合計3名の選手がメインラウンドを勝ち上がっている。
中でも1998年にWSGに初出場して以来、26年に渡ってISAイベントに参加している38歳のブライアン・トースはR1で元CT選手のモーガン・シビリック(AUS)を倒してトップ通過。R2でも7.00を出して快勝した。
「信じられない気分だよ。ビーチのみんなが自分をサポートしてくれている。最後の波でみんなに盛り上げてくれ〜と言ったら、声援が良く聞こえたんだ。最高の気分だったね。素晴らしいチームがバックアップしてくれている。みんな一つの大きな家族で、ほとんどの人を知っているし、サポートしてくれる。素晴らしい。僕の庭だよ」
同じくプエルトリコのドワイト・パストラーナはR2でガブリエルとレフトでバトルを繰り広げて2位通過。
グリフィン・コラピントのリプレイスメントで入ったタイラー・ガンター(USA)とWSG金メダリストのサンティアゴ・ムニーツ(ARG)をリパチャージ行きにした。
ウィメンズのハヴァナ・カブレロはカリッサと共にR3進出を決めている。
ちなみにハヴァナはカノアの彼女でもあり、前日のインタビューによるとイベント前に一緒にプエルトリコでサーフィンをしていたそうだ。
スカイ・ブラウンがパリ五輪2種目出場を目指す
東京五輪のスケートボード競技で銅メダルを獲得した宮崎県出身でイギリスと日本の二重国籍を持つスカイ・ブラウン。
当時、イギリス史上最年少での夏季オリンピック選手とイギリス史上最年少でのメダル獲得で大きな話題となっていた。
彼女はサーフィンもオリンピックレベルであり、すでに出場を決めたパリ五輪のスケートボードに加え、サーフィンでの出場も目指している。
「最後の最後まで、もう1本良い波が来るかどうか分からなかった。だから、あの波が来てくれて本当に感謝している。運が良かったわ。凄く嬉しい。作戦通り、動き回っていたけど、良い波に乗れなかった。あの1本に乗れたのは本当にラッキーだったわね。ここには素晴らしいサーファーがいる。憧れの選手と一緒にサーフィンできるなんて最高よ」
コンテスト3日目の2月26日は朝7時30分(日本時間同日20時30分)スタート。
メンズ、ウィメンズ共にリパチャージR1の残りヒートとリパチャージR2が進行予定。
ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/
(空海)