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『MEO Rip Curl Pro Portugal』はグリフィンとジョアンが優勝!

例年以上に不安定だった今年のポルトガル戦。
バックアップ会場の「Molhe Leste」を使い、最後は現地時間3月16日のウェイティングピリオド最終日までもつれ込んだCT第3戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』は結果「Supertubos」で最高のクライマックスを迎えた。

(ポルトガルのサーフィン人気は凄い)
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グリフィンがイエロージャージを獲得

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ファイナルデイはメンズQFから再開され、ウィメンズのSFの後、ロータイドに一時中断。
「Supertubos」の特徴として潮の上げ込みで良い傾向となるため、朝方になかったバレルが現れて最後は公式4-6ftレンジの素晴らしいコンディションに恵まれていた。

メンズサイドはQFで2本の9ポイントライドを決めたガブリエル・メディナ(BRA)がWSG金メダル獲得の勢いのまま優勝か?と思えたが、SFでのグリフィン・コラピント(USA)とのクロスゲームに敗退。
それでも明らかに強いギャビーに戻っており、オーストラリアレッグでは怖い存在になるだろう。

(強いギャビーが帰ってきた!)
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ファイナルはグリフィンとイーサン・ユーイング(AUS)が争い、序盤からグリフィンがリード。
イーサンは中盤にレフトの波でのバックハンドで7.40を返したが、グリフィンはライトのバレルメイクからフィニッシュのターンまで決めて8.27を出すと最後にはレフトの長いバレルを抜けて9.67を出し、トータル17.94を揃えて圧勝。キャリア4度目の優勝を達成した。

「なんか変な感じだったよ。最初は良いスタートを切ったけど、その後はイーサンも自分もミスを繰り返していた。最初のバレルはターンしようとしたらバランスを崩し、なんとか持ち直した。それから流れが変わり、9ポイントのバレルで締めくくれたんだ」

(最後に最高のバレルを抜けたグリフィン)
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(2位のイーサン)
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ハワイレッグを2戦続けて9位で終え、ポルトガル入りしたグリフィン。
Opening Roundでは終了間際に凡ミスでインターフェアを犯してElimination Round行きとなったが、そこからスイッチが入ってスマートに勝ち上がってきたファイナルがピークとなり、ツアー初優勝の場でもあるポルトガルで再び優勝。
今回3位に入った弟のクロスビー・コラピントを始め、コール・ハッシュマンド、ケイド・マトソン、ソーヤ・リンドブラッドのサンクレメンテチームのリーダー的存在を証明するようにランキングトップに立ち、次のベルズ戦ではイエロージャージを着用する。

「クロスビーがヒートでサーフィンしているのを見るのは本当に嬉しかったし、まるで彼と一緒にサーフィンしている感じだったので、2倍楽しめたよ。実はオフシーズンに股関節の手術を受けて、海に戻るのに約3ヶ月もかかったんだ。沢山の努力をしたので結果も出ると思ったけど、ハワイでは9位続きだった。でも、信じるしかないと思い、今優勝を手に入れた。興奮しているよ」

一緒にYouTubeをやるなど仲の良いコラピント兄弟。
他のサンクレメンテチームも徐々に調子を上げており、オーストラリアレッグではさらなる躍進も期待できそうだ。

(兄に駆け寄る弟のクロスビー)
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ジョアンがヨーロッパ初勝利

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ハワイレッグとは一転してベテラン勢が強かったウィメンズサイドはジョアン・ディファイ(FRA)とタイラー・ライト(AUS)がファイナリストに選ばれた。
両者共に序盤はライトの波を狙っていたが、1ターンでクローズするか、バレルに突っ込むだけで出口を見つけられず、後半は明らかに大きく切れてきたレフトに移動。最後はバックハンド勝負になった。
苦戦するタイラーを尻目にハードなテイクオフからのターンでもミスをせずにミドルスコアを重ねたジョアンが優勝。
キャリア6勝目、ヨーロッパでは初勝利となった。

「最高に嬉しいわ。ウネリが入り、波が変わったわ。私たちはお互いに似たような戦略を持っていたけど、この波にはサーフボードが小さ過ぎた。2ターンできるレフトの波に狙いを定め、最後は1ターンで決めたわ」

(ランキング2位に浮上したジョアン)
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(パワフルなサーフィンを披露したタイラー)
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ハワイレッグで5位2回のジョアンは今回の優勝で2位に浮上。
ハワイレッグで2位と優勝を決めたモリーの首位は変わらず、ベルズ戦でもモリーがイエロージャージを着る。

「昨年は楽しかっけど、変な年でもあった。負傷して休んでいた間、自宅で過ごす時間が本当に楽しかったの。それは最も必要としていた休養だったのかもね。コンテストに復帰してから調子を取り戻すのに苦労したけど、一生懸命トレーニングを続け、怪我が原因でダメになった訳ではないってことを見せたかったの」

怪我で欠場が続き、ワイルドカードで出場している2024年のジョアン。
すでにミッドシーズンカットもクリアしており、残りのシーズンは勝利だけを考えて戦うことになる。

次の第4戦は3月26日〜4月5日にベルズビーチで開催される伝統の『Rip Curl Pro Bells Beach』
ベルズと第5戦のマーガレットリバーの結果により、メンズは36名から22名。ウィメンズは18名から10名に絞られることになる。

CT第3戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』結果
1位 グリフィン・コラピント(USA)
2位 イーサン・ユーイング(AUS)
3位 クロスビー・コラピント(USA)、ガブリエル・メディナ(BRA)
5位 ジェイク・マーシャル(USA)、ラムジ・ブキアム(MAR)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、ジョアン・ドゥルー(FRA)

ウィメンズ
1位 ジョアン・ディファイ(FRA)
2位 タイラー・ライト(AUS)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、レイキー・ピーターソン(USA)
5位 ガブリエラ・ブライアン(HAW)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、キャロライン・マークス(USA)、ルアーナ・シルヴァ(BRA)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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