(吉川広夏) Photo: ISA/Jersson Barboza

浜瀬海が2日続けてハイエストヒートスコア!『ISA World Longboard Championship』2日目

39カ国129人のアスリートによるロングボードの世界選手権、『ISA World Longboard Championship』は大会2日目を迎え、ウィメンズR1の残りヒート終了後にメンズ、ウィメンズ共にR2が進行。
敗者復活戦のリパチャージはメンズR1の9ヒート中、3ヒートのみ行われた。

浜瀬海が2日続けてハイエストヒートスコア

(浜瀬海) Photo: ISA/Pablo Jimenez

この日のエル・スンザルも十分過ぎるウネリに恵まれ、ハイエストシングルスコアはメンズがイギリスのベン・スキナー、ウィメンズがブラジルのルアナ・ソアレスによって更新された。
ハイエストヒートスコアは日本の浜瀬海の16.00。前日にハワイのカニエラ・スチュワートと並んだ16.50に比べると低いが、浜瀬海の安定したノーズライドの評価は確実に上がっている。

R2でフィリピンのロジェリオ・Jr・エスクイエヴェルと共にラウンドアップを決めた浜瀬海は「良い波を待つことに集中しました。それも自分にとってイージーな波を選ぶことを考えていました。ボードは練習時と同じロックダンス、フィンも同じです」とコメント。

前日に田岡なつみも話していたが、エル・スンザルの波は一本が長いだけにパドルバックの時間も長く、慎重に波を選ぶことが重要になる。加えてヒート時間が20分と短いため、2本で決めるのが理想的。
このヒートも各選手共に前半に1本だけ乗って後半10分で2本目を探す展開。浜瀬海は前半に7.67を出し、後半に8.33を重ねていた。

(浜瀬海) Photo: ISA/Pablo Jimenez
(国を超えた交流ができるのもISAの魅力) Photo: ISA/Pablo Jimenez

吉川広夏の逆転劇

Photo: ISA/Jersson Barboza

R1の残りヒートに重なった吉川広夏はトータル2ラウンドを戦った。

難なくクリアしたR1終了後のインタビューでは、マイクを持ったベンに「昨年は7位でしたが、今年は金メダルを狙ってますか?」と質問され、「ここに戻ってこれて嬉しいです。エキサイトしています。昨年のISAコンテストの後、シングルフィンでライトの大きな波でビッグマニューバーを練習していました」と答えていた。

更に「広夏が住んでいる御宿から車で約20分のところにある釣ヶ崎海岸は東京五輪の会場でもあり、台風スウェルが入ると大きくて長いライトが出現します。隣の太東やキレメでも長いライトが現れ、多くのグッドサーファーがやっていますが、そんな時はサーフィンしていますか?」と聞かれ、「はい、サーフィンしています。ホームはビーチブレイクです。太東で練習することもあります」と話した。

(吉川広夏) Photo: ISA/Jersson Barboza
(この大会のために同じような波を探して練習してきたと話す吉川広夏) Photo: ISA/Jersson Barboza

続くR2は残り30秒を切ってハイスコアが4.50。4位と追い込まれていたが、最後の最後に長いハング5を含めたロングライドで6.17を出し、一気にトップに立つ見事な逆転劇でR3進出を決めた。

「今朝よりも波は大きかったけど、風で少しバンピーでした。でも、数本は楽しい波もありました。ただ2本目の波に乗ることに集中していました。最後の波は最初良くないと思ったものの、乗ったらとても楽しい波で良かったです。日本にいる父が起きていて私のヒートを観戦していることを願います。かなりハードヒートでパドルで腕も疲れたので、しっかり休んで明日に備えます」

R3ではWSLで3度もワールドタイトルを獲得しているホノルア・ブロムフィルドなどと対戦する。

(田岡なつみ) Photo: ISA/Jersson Barboza
(田岡なつみ、オープンフェイスでのカービングもスコアの鍵を握る) Photo: ISA/Jersson Barboza
(井上鷹) Photo: ISA/Jersson Barboza
(井上鷹) Photo: ISA/Jersson Barboza
(インタビュアーを務める日本でもお馴染みのベン) Photo: ISA/Pablo Franco

その他、R2では井上鷹、田岡なつみが共に2位でラウンドアップ。
田岡なつみと争ったイタリアのジンジャー・カイミは大会最年少の11歳。0.04ポイント差のクロスゲームを演じていた。

(田岡なつみを上回った最年少11歳のジンジャー・カイミ)
Photo: ISA/Jersson Barboza

強いブラジル勢

(ウィメンズのハイエストはルアナ・ソアレスの9.33)
Photo: ISA/Jersson Barboza

リパチャージラウンドが進んでいない2日目はまだ25カ国が同率首位だが、その中でも日本の他にブラジル勢の強さが目立っている。

冒頭でもお伝えしたが、ルアナ・ソアレスが9.33のハイエストシングルスコアを出し、トータルでも16.33とホノルアを上回る数字を揃えている。

「エルサルバドルは素晴らしい、魔法のような波があり、美しいサーフィンを披露することができるわ。全力を尽くし、うまくいった」

(ホノルア・ブロムフィルド)
Photo: ISA/Jersson Barboza

その他、ウィメンズではアメリカのレイチェル・ティリーがスコアを出してトップ通過。3連覇を狙うフランスのアリス・レモーンはホノルアと共にラウンドアップした一方、同じハワイのケリス・カレオパアは4位でリパチャージ行きとなった。

メンズは2日目も強豪が目立った

(デクラン・ワイトン) Photo: ISA/Pablo Jimenez

メンズサイドのR2はペルーのブノア’ピッコロ’クレメンテ、オーストラリアのデクラン・ワイトン、ハワイのカニエラ・スチュワート、カイ・サラスなどWSLの強豪がトップ通過。

その他、フランスのエドゥアルド・デルペーロ、ブラジルのカルロス・バイア、イギリスのベン・スキナーなどがR3進出を決めた一方、アメリカのケヴィン・スカヴァーナ、韓国のドンキュン・キムなどがリパチャージ行きを強いられている。

(カイ・サラス) Photo: ISA/Jersson Barboza
(カニエラ・スチュワート) Photo: ISA/Jersson Barboza
(浜瀬海と共にR3進出を決めたフィリピンのJr)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(韓国のドンキュン・キムはリパチャージ行き)
Photo: ISA/Pablo Jimenez
(9.17のハイエストスコアを出したベン・スキナー)
Photo: ISA/Jersson Barboza

9.17のハイエストシングルスコアを出したベンは「ヒート前半は波が途切れた。そういうこともあるよね。その後、大きなセットがやってきて、最初の波はバンピーで難しかったけど、自分が乗った2番目の波は本当にクリーンで、素晴らしいウォールになっていたのさ。エクセレントレンジのスコアを出せて嬉しいよ」と話していた。

なお、3ヒートだけ進行したリパチャージではベネズエラ、エクアドル、アイルランド、韓国、ドミニカ共和国の5名が敗退してイベントから姿を消した。

コンテスト3日目の4月22日は朝7時(日本時間同日の22時)にメンズリパチャージR1H4から再開予定。
日本代表は全てメインラウンドに残っているので、出番はなし。

スケジュールは以下。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(空海)

Photo: ISA/Pablo Franco

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