南米ブラジルのリオデジャネイロから東へ73km離れたサクアレマ「イタウナビーチ」で開催中のCT第8戦『VIVO Rio Pro』は2日連続で進行。
現地時間6月27日にメンズのElimination Roundの残りヒートとRound of 16が行われ、QFを戦うベスト8が決定した。
前日の予想通り、この日は風が悪かったものの、今後の波予報を考慮してコンテストは進行。
公式4-6ftレンジの難しいビーチブレイクでの戦いは、東京五輪の最終日の志田下を彷彿させ、エアーを得意とするブラジリアンの強さが際立っていた。
コナーが残り、カノアが去った
Elimination Roundの残りヒートでは、まず日本のコナー・オレアリーがジェイク・マーシャル(USA)との接戦を制してラウンドアップ。
サンクレメンテ勢のコール・ハウシュマンド(USA)、クロスビー・コラピント(USA)とライアン・カリナン(AUS)がスコアを伸ばして勝ち上がった一方、五十嵐カノアはライアンとのクロスゲームに敗れてしまい、今シーズン4度目の17位。ライブランキングでは16位まで落ちている。
ブラジルが終わると次はいよいよパリ五輪にフォーカスすることになる。
なお、コナーはRound of 16でランキング2位のロボことジャック・ロビンソン(AUS)を倒し、エルサルバドルでの借りを返した。
コナーはパイプラインでの開幕戦以来のQF5位以上が確定。最終戦を前にランキングを上げるチャンスが巡ってきた。
野獣イタロ
大会2日目もディフェンディングチャンピオンのはヤゴ・ドラ、ガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラのブラジリアントリオの勢いは続き、特にイタロは9.00を含むトータル17.50のハイエストを揃えてヒート開始15分で和井田理央(IND)を仕留めた。
まさに東京五輪の最終日のような野獣ぶりで、ビーチを埋め尽くしたファンもイタロ一色になった。
「ただ自分のサーフィンをしたかった。ヒートの前にコーチのマルコス(カステルベル)ととにかく波に乗りまくろうと決めたんだ。最初の4本の波で良いスコアを出せたね。波を探すのではなく、サーフィンを楽しむことが好きなんだ。波に乗ってトリックを決め、限界を上げる。それが自分のやり方さ」
次のイタロの対戦相手はコナー・オレアリー。
グーフィーフッター同士のカードだが、エアー勝負に持ち込まれるとイタロが有利と言えるだろう。
ファン投票でも9割がイタロの勝利を予想している。
ギャビーのリベンジ
イタロのヒートとは一転、サンクレメンテのコールとのロースコア勝負を僅差で制したギャビーは2019年以来のブラジルでのファイナルデー進出を果たした。
ギャビーとコールの対戦は2度目で、1度目はベルズでのRound of 32。ギャビーがジャッジに対してクレームをつけたあのヒートだ。
コールはギャビーを子供の頃から憧れていた存在だと話し、そのままルーキーにして初優勝を果たした。
逆にギャビーはベルズで3度目の17位となり、ランキングを落としていたが、今回リベンジを果たしてファイナル5も現実的になってきた。
「本気でただサーフィンをしたかった。上手くいかなかったけど、勝つことはできたね。今日の波は本当に難しい。勝てて嬉しいよ。コールは素晴らしい若者で、今年がツアー最初のシーズン。彼のことはトラッセルズ で何度か見かけていて、いつかツアーに参加するだろうと思っていたよ。彼や他の若い世代にインスパイアを与えるのは良いことだし、それは大きな責任でもある。若い世代が本当に強く成長しているのを見るのは素晴らしいことさ。自分たちも更に努力してトレーニングを増やす必要がある。新しい風がツアーに良い影響を与えているし、楽しい。彼とは2回対戦して一勝一敗の引き分けだね」
最年長ジョーディの執念
2013年にブラジル戦で優勝経験があるジョーディ・スミス(RSA)は最終ヒートでライアン・カリナン(AUS)を倒してQF進出を決めた。
36歳、ツアー最年長のジョーディは今シーズンサンセットでの3位を最高位にQF進出3回とコンスタントな結果を重ねてランキング5位。
ファイナル5入りで引退というシナリオも囁かれている。
「本当に興奮しているよ。キャリアに関しては、夢にも思わなかったけど、20年近くプロサーファーを続けられるなんて驚くべきことだよね。でも、まだ終わってないよ。まだ戦い続けるし、これからも挑戦し続ける」
その他、ブラジル戦を2度制しているジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、グリフィン・コラピント(USA)、イーサン・ユーイング(AUS)がベスト8入り。
トップ5で脱落したのはジャックだけで、特にジョン・ジョンは今シーズン6度目のファイナルデイとなる。
ネクストコールは現地時間6月28日の7時15分(日本時間の同日19時15分)
VIVO Rio Pro Presented by Corona Men’s Elimination Round Results:
HEAT 1: John John Florence (HAW) 12.34 DEF. Joao Chianca (BRA) 7.13
HEAT 2: Rio Waida (INA) 12.70 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 11.07
HEAT 3: Griffin Colapinto (USA) 12.50 DEF. Samuel Pupo (BRA) 11.97
HEAT 4: Liam O’Brien (AUS) 10.66 DEF. Barron Mamiya (HAW) 7.50
HEAT 5: Connor O’Leary (JPN) 11.83 DEF. Jake Marshall (USA) 9.23
HEAT 6: Cole Houshmand (USA) 14.66 DEF. Matthew McGillivray (RSA) 10.50
HEAT 7: Crosby Colapinto (USA) 11.33 DEF. Imaikalani deVault (HAW) 5.00
HEAT 8: Ryan Callinan (AUS) 13.54 DEF. Kanoa Igarashi (JPN) 12.80
VIVO Rio Pro Presented by Corona Men’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Connor O’Leary (JPN) 10.27 DEF. Jack Robinson (AUS) 8.40
HEAT 2: Italo Ferreira (BRA) 17.50 DEF. Rio Waida (INA) 11.70
HEAT 3: Griffin Colapinto (USA) 12.40 DEF. Liam O’Brien (AUS) 11.34
HEAT 4: Gabriel Medina (BRA) 9.60 DEF. Cole Houshmand (USA) 9.27
HEAT 5: John John Florence (HAW) 14.44 DEF. Seth Moniz (HAW) 8.00
HEAT 6: Yago Dora (BRA) 13.90 DEF. Crosby Colapinto (USA) 10.83
HEAT 7: Ethan Ewing (AUS) 13.67 DEF. Ramzi Boukhiam (MAR) 8.50
HEAT 8: Jordy Smith (RSA) 12.10 DEF. Ryan Callinan (AUS) 7.30
VIVO Rio Pro Presented by Corona Men’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Connor O’Leary (JPN) vs. Italo Ferreira (BRA)
HEAT 2: Griffin Colapinto (USA) vs. Gabriel Medina (BRA)
HEAT 3: John John Florence (HAW) vs. Yago Dora (BRA)
HEAT 4: Ethan Ewing (AUS) vs. Jordy Smith (RSA)
VIVO Rio Pro Presented by Corona Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Caroline Marks (USA) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 2: Brisa Hennessy (CRC) vs. Tatiana Weston-Webb (BRA)
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) vs. Luana Silva (BRA)
HEAT 4: Molly Picklum (AUS) vs. Gabriela Bryan (HAW)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(空海)