(2024年ブラジルファイナリスト) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

イタロ・フェレイラ&ケイトリン・シマーズが優勝!CT第8戦『VIVO Rio Pro』

現地時間6月28日、パリ五輪前の最後のCTとなる第8戦『VIVO Rio Pro』が3日連続で進行して終了!

会場のサクアレマ「イタウナビーチ」は公式4-6ftレンジのクリーンなコンディションに恵まれ、期間中最も多くの観客が集まり、異常なほどの熱気に包まれた。
イタロ・フェレイラが自国ブラジルでの初優勝、カリフォルニアのケイトリン・シマーズが2連覇を達成した。

イエロージャージを着るケイトリンは最終戦のフィジーでもイエロージャージを保持したと同時にワールドタイトルを争うファイナル5も確定させた。

ブラジリアンの連勝記録更新

(見事トップ5入りを果たしたイタロ) PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

メンズサイドは初日からディフェンディングチャンピオンのはヤゴ・ドラ、自国での初優勝を狙うガブリエル・メディナ、イタロ・フェレイラの3名のブラジリアントリオが目立っていたが、ファイナルデイもその流れは変わらず、イタロとヤゴがファイナル進出。
ガブリエルはQFでグリフィン・コラピント(USA)に敗退した。

ブラジリアン&グーフィーフッター同士のファイナルは序盤にイタロがエアーリバースで7.00を出し、ヤゴがミドルスコアを重ねてトータルスコアは僅差で進行。
ヒート後半、イタロはバックハンドでターンを重ねるが、フィニッシュでミスをしてしまい、6ポイント止まり。一発逆転を狙ったヤゴは大きなエアーリバースを繰り出すが、これも着地に失敗してしまい、イタロが逃げ切る形でタヒチに続くシーズン2勝目、自国での初優勝を決めた。

これでブラジリアンが自国で優勝するのは6大会連続になる。

(congratulations!)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

「とても感動しているよ。私の人生で最も大きなインスピレーションを与えてくれた父のためにこの大会で優勝したかったんだ。私たち家族は底辺から這い上がり、今ではトップに立っている。神に感謝し、家族や友人にも感謝するよ。この瞬間を夢見ていた。これは特別な勝利だよ」

ブラジル東部のバイーア・フォルモーザという海辺の町で幼少時代を過ごしたイタロは貧しい環境で育ち、クーラーボックスの蓋でサーフィンを始めたほどだった。
それが2019年にワールドタイトルを獲得して東京五輪では金メダルも獲得するなど世界一のサーファーにまでのし上がった。
そして、30歳にして父の前で念願の自国での優勝を達成したのだ。

今回の優勝でイタロはランキングも4位まで上げてトップ5に入ってきた。
残念ながらチョープーでのパリ五輪には出場できないが、最終戦のフィジーでそのうっぷんを晴らしてくれるだろう。

(得意のバク宙も披露) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

2年連続ファイナル進出のヤゴ

(ヤゴの特大エアー) PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

昨年、ファイナルで10ポイントを出してイーサン・ユーイング(AUS)に圧勝、CT初優勝を決めたヤゴは今年もブラジルのファンを熱狂させていた。

ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)とのQFでは終盤に9.17を含むトータル16.00で圧勝。ジョーディ・スミス(RSA)とのSFでは更に上をいく9.33をビッグカービングとブロウテールレイバックのコンボで出し、トータル17.30とファイナルデイのハイエストを出していた。

「考え方を変えて違うアプローチにしてみたんだ。今はただ解放感を感じたい。自分らしく、好きなようにサーフィンしているよ。それが本当に楽しいんだ。ブラジルはツアーで最も楽しいイベント。最高だし、幸せだよ」

ブラジルで2年連続ファイナル進出、シーズンではエルサルバドルに続き2戦連続の2位で8位から6位に浮上したヤゴ。
エアリアルだけではなく、フィジーのようなビッグバレルも得意とするため、最終戦も要注意人物になりそう。

なお、イタロの4位浮上により、イーサンが5位にダウン。ジョーディが7位に下がっている。

ケイトリンがシーズン3勝目

(ファイナル5を確定させたケイティー) PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

ウィメンズサイドはQFから安定したライディングでスコアを重ねていたケイトリン・シマーズ(USA)がSFでガブリエラ・ブライアン(HAW)とのクロスゲームを制してファイナルでルーキーのソーヤ・リンドブラッド(USA)と対戦。

同じカリフォルニアの18歳同士の戦いは開始からすぐに7ポイントを2本揃えたケイトリンのゲームとなり、ソーヤは僅か3.26のトータルスコアで終了した。

(ファイナルでは完全に波運がなかったソーヤ)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo
(ツアー2年目にしてCT通算5勝目)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

「最高に嬉しいわ。子供の頃から一緒にサーフィンしてきた親友と一緒にサーフィンができた。彼女の家は20分ほどの近所なのよ。だから、互いにとって現実離れした時間だったと思う。今回は家族全員とここに来たので、とても良い気分でイベントに挑めたし、本当に楽しかった。正直、あのヒートは全てが私の思い通りだった。最後はソーヤと冗談を言い合っていたのよ。どこにいても私のところに波がやってくる。信じられない状況だった。ソーヤにお疲れ様と言いたい。彼女は最高のサーファーの一人よ。タヒチでは彼女に負けてしまい、最も痛い敗北だった。今回は彼女に勝てて本当に嬉しいけど、勝負はまだ終わっていないの。あとでダンス勝負をしてそれで決めるわ」

2023年のルーキーイヤーにポルトガルとブラジルで優勝してルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得したケイトリン。
ツアー2年目はパイプラインでの開幕戦で優勝、更にベルズ、そしてブラジルと3勝を上げてファイナル5も確定させている。
ランキング2位のキャロライン・マークス(USA)とのポイント差も大きいため、ワールドタイトルを争う『Lexus WSL Finals』は最も有利なシードを得ることになるだろう。

(子供の頃から競い合ってきた近所の二人が表彰台に立つ) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

2015年以来のグーフィーフッター

(18歳のルーキー、ソーヤ)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

今年はウィメンズサイドもQFでタティアナ・ウェストン・ウェブがスコアを伸ばしてブラジリアンのダブル優勝か?と言われていたが、残念ながらSFで失速。そのタティアナを倒したソーヤは2015年のビアンカ・ブイテンダグ(RSA)以来のファイナルに進出したグーフィーフッターとなった。

ウィメンズルーキーで唯一ミッドシーズンカットをクリアしたソーヤは2度目のファイナル進出でランキングも8位に浮上。
最終戦の結果次第ではファイナル5入りも可能になってきた。

「ケイティとのファイナルは最高だった。8歳の頃から競い合ってきたので、今回は特別な時間だったわ。再びファイナルに進めたのも本当に嬉しい」

今回の結果によりジョアン・ディファイ(FRA)が6位にダウンしてガブリエラ・ブライアン(HAW)がトップ5入りを果たしている。
最終戦の『Corona Fiji Pro』は8月20日〜29日にフィジーのタバルア島「クラウドブレイク」で開催。

その前に7月下旬にパリ五輪がタヒチのチョープーで開催される。
サーフィン史上2度目のオリンピックを制するのは?

CT第8戦『VIVO Rio Pro』結果
1位 イタロ・フェレイラ(BRA)
2位 ヤゴ・ドラ(BRA)
3位 グリフィン・コラピント(USA)、ジョーディ・スミス(RSA)
5位 コナー・オレアリー(JPN)、ガブリエル・メディナ(BRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、イーサン・ユーイング(AUS)

ウィメンズ
1位 ケイトリン・シマーズ(USA)
2位 ソーヤ・リンドブラッド(USA)
3位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)
5位 キャロライン・マークス(USA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、ルアーナ・シルヴァ(BRA)、モリー・ピックラム(AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

(空海)

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。