サーフィン競技初のオリンピック、2020東京が実際に行われるまでは、WSLのワールドタイトルと金メダルが天秤に掛けられ、その価値がどれだけ重いのか誰にも分からなかった。
しかし、終わってみれば金メダルの影響力は予想以上に大きく、例えば、イタロ・フェレイラを称える銅像が故郷バイア・フォルモサに設置され、カリッサ・ムーアとデューク・カハナモクの巨大壁画が故郷ホノルルのビルに描かれた。
また、サーフィンがオリンピックの種目になったことで、中国が国を挙げて本気で取り組むようになり、早くもパリ五輪で最初のオリンピアンが誕生した。
そのオリンピック効果で、パリ五輪では各国コーチ陣も力を入れている。
ライブ中継を見ている方ならご存知の通り、元CT選手の顔が多数。それも国を跨いでコーチをしているのが特徴でもある。
今回はそのパリ五輪のコーチを紹介する。
日本はスネークとドッグ、タヒチローカルを採用
日本代表は大野修聖と田中樹の日本人の他、CTで五十嵐カノアのコーチを務めるスネークことジェイク・パターソンとコナー・オレアリーのコーチを務めるドッグことリチャード・マーシュ。その他、現地コーチとしてローカルのテレバ・デイビッドも知識を与えている。
スネークは松田詩野のサポートもしっかり行い、この五輪で深い絆ができたようだ。
ちなみに日本代表に採用されたとはいえ、スネークとドッグはオージーなので、大会3日目のイーサンとコナーの荒れたコンディションでのワイプアウト連発の争いには大興奮したと話している。
最も豪華なアメリカとオーストラリア
パリ五輪で最もコーチ陣に力を入れているのはメダル大国のアメリカとサーフィン大国のオーストラリア。
アメリカ代表は元CT選手でISAではアメリカジュニア代表のコーチも務めるシェーン・ドリアン、元CT選手でコール・ハッシュマンドなどのコーチを務めるルーク・イーガン、東京五輪の金メダリスト、カリッサ・ムーアのフィジカル面のサポートを10年以上も務めているミッチ・ロスを採用。
ルークとミッチはオーストラリア人である。
ヘッドコーチはシェーンで、選手と共に波の洞察や戦略について話し合いをする。
オリンピックは個人競技だが、チームとしての結束力も重要で、例えばいつもは団体行動を避けるジョン・ジョン、ケイトリンが今回の旅では社交的になっているそうだ。
オーストラリア代表は東京五輪でもコーチを務めていた元CT選手のビード・ダービッジ、CTの名コーチでお馴染みのマイクロことグレン・ホール。Volcomのマティー・ベムローズ。
各コーチ共にCTで契約している選手に呼ばれている。
ビードはイーサン、マイクロはタイラーとモリー、マティーがロボと割り振りもハッキリしている。
その他のコーチも豪華
恐らく、日本、アメリカ、オーストラリアが最もコーチに力を入れているが、他国も豪華なコーチが揃っている。
開催国フランスは元CT選手で東京五輪にも出場したジェレミー・フローレス、ミシェル・ボレーズ。イタリア(レオナルド・フィオラヴァンティ)はワールドチャンピオンのエイドリアーノ・デ・スーザ。コスタリカ(ブリッサ・ヘネシー)はハワイのカヘア・ハート。スペインは元CT選手のアリッツ・アランブル。
その他、ブラジリアン・ストームを支えた男として有名なルイス「ピンガ」カンポスが最終日に男女1名ずつ残っているブラジル代表の裏方として力を発揮している。
パリ五輪のサーフィン競技、最終日は現地時間8月5日6時15分コールの7時開始予定。
日本時間8月6日2時開始予定だ。
(空海)
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