(ファイナリスト) PHOTO: © WSL/Emma Sharon

サリー・フィッツギボンズ&アラン・クリーランドが優勝!CS第4戦『Lexus US Open of Surfing』

パリ五輪のスケジュールに合わせて例年よりも遅い時期に開催されたカリフォルニア・ハンティントンビーチを舞台とした真夏の祭典『US Open of Surfing』
今年は日本の自動車メーカー、「Lexus」がスポンサーとなり、現地時間8月11日にファイナルデイを迎えた。

イベント期間中は大きくサイズアップした日もあったが、後半はサイズダウン。QFからスタートしたこの日は公式2-3ftのスモールコンディション。
ウィメンズはベテラン、メンズはパリ五輪に出場していた若手が名誉あるタイトルを獲得して共にクオリファイに重要な10,000ポイントを手に入れた。

サリー・フィッツギボンズが2度目のタイトル獲得

PHOTO: © WSL/Emma Sharon

ウィメンズサイドはベテランのサリー・フィッツギボンズ(AUS)とアップカマーのベラ・ケンオアリー(USA)がファイナルで対決。

5〜6ポイントのミドルスコア勝負の末、僅差でサリーが優勝。
2011年以来、2度目の『US Open of Surfing』のタイトルを獲得してCSランキングもトップに立っている。

「ここはとても特別な場所で、特別なビーチよ。こうして毎回参加できることが本当に嬉しい。いつも何が待ち受けているか分からないけれど、『今日は自分の日かもしれない』ってただ信じている。『なぜダメなの?』って時もあるけどね。本当に特別な場所なの」

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2010年からCTを回り、10年以上、競技経験は20年以上もあるサリー。
今年はミッドシーズンカットでCS落ちしているが、CSは開幕戦から全てQF以上をメイクするコンスタントさで2025年はCTに返り咲く可能性が高くなっている。

「全てを結び付けることは止めたの。今、この瞬間を楽しんでいるわ。イベントを巡るのはまるで山に登るような感じ。素晴らしいサーファーと沢山対戦しているけど、みんなに続けていこう!と言いたい」

彼女の強さの秘訣はこのポジティブさ。
そして、夢のようなCTの会場だけではなく、今回のようなビーチブレイクでも粘り強く戦い続けていることが成功に結び付いている。

2戦連続ファイナル進出の17歳

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サリーに敗れたベラは南アフリカでの第3戦で優勝した選手。
2戦続けてのファイナル進出でCSランキング2位に浮上。来年は同世代のエリン・ブルックス(CAN)と並ぶゴールデンルーキーになる可能性がある。

「とても良い気分。前回の結果を後押しできて凄く嬉しいわ。サリーは凄いインスピレーションを与えてくれる存在で、彼女を見て育ってきた。ヒートを共有できるなんて最高よ。おめでとう、サリー」

ちなみにベラは2024年のCTを盛り上げているサンクレメンテ出身。
サーフィンもスタイリッシュでエアーもバレルもこなす驚くべき17歳である。

メキシカン初制覇

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すでにクオリファイを確定させたブラジルのイアン・ゴーベイアを除くとCSランキングが拮抗しているメンズサイド。
ポルトガル、ブラジルと残り2戦で多くの選手にチャンスが残されている。

難しいコンディションで行われたハンティントンビーチでファイナルに残ったのは、アラン・クリーランド(MEX)とマルコ・ミグノー(FRA)の二人。

一本目で7.33を出したマルコがリードして後半は約15分セットが止んでしまったが、アランが終了間際に入ったチャンスを活かし、インサイドまで繋いでニード6.61のシチュエーションで6.70をスコアして逆転に成功。メキシカン初の『US Open of Surfing』のタイトルを獲得した。

メキシカンが多いカリフォルニア。快進撃を続けていたアランのために国旗を持ったサポーターが沢山集まり、特にファイナルは大いに盛り上がっていた。

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PHOTO: © WSL/Pat Nolan
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「今の気持ちを言葉で表すのは難しい。母国や友人たちからこれほど大きなサポートを受けるなんて、まるで夢のようさ。今まで大きな大会で優勝したことはほとんどなかった。WSLでは2回目の優勝。この国旗を掲げ、サポートしてくれている全ての人を代表できることは本当に素晴らしく、ただただ幸せだよ。セットが止んだ時はずっと冷静さを保ち、自分を信じて、波が来ると信じ続けた。そして、30秒前にピアの上から誰かが波が来ると叫んでいるのを聞いて、その波に乗ったんだ。今こうしてここにいるのが信じられないよ」

『2023 Surf City El Salvador ISA World Surfing Games』で優勝してパリ五輪に出場したアランはまだ22歳。
ビッグウェーブが得意のイメージが強いが、今回のようなビーチブレイクでも勝てるオールラウンダーであることを証明した。
10,000ポイントを稼いで一気にクオリファイ圏内の9位まで浮上している。

10位に浮上したマルコ・ミグノー

PHOTO: © WSL/Emma Sharon

ワイルドカードでCT出場の経験が2度あるマルコは今回の結果によりフランス人で最高位のCS10位に浮上。
今イベントでは9.67のハイエストスコアと18.24のハイエストヒートスコアを持ち、優勝に限りなく近い選手だった。

「アラン・クリーランドとはパスカレス(メキシコ)で一緒にサーフィンしていたのを覚えている。彼が7歳で、自分が9歳の時かな。そして、今こうしてUS Openのファイナルで同じ舞台に立ったのは、本当に驚きだよね。全てが恵みのようで、まだ信じられない気持ちさ」

全6戦で争われる2024年CSの残り2戦のスケジュールは以下。

▪️第5戦『EDP Ericeira Pro』
9月29日〜10月6日
エリセイラ,ポルトガル
▪️第6戦『Corona Saquarema Pro』
10月12日〜10月20日
サクアレマ,ブラジル

CS第4戦『Lexus US Open of Surfing』結果
1位 アラン・クリーランド(MEX)
2位 マルコ・ミグノー(FRA)
3位 ジャーヴィス・アール(AUS)、ジャクソン・バンチ(HAW)
5位 ミゲル・プーポ(BRA)、クロスビー・コラピント(USA)、ジョージ・ピッター(AUS)、コロへ・アンディーノ(USA)

ウィメンズ
1位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2位 ベラ・ケンオアリー(USA)
3位 ナディア・エロスタルベ(EUK)、ブロンテ・マコーレー(AUS)
5位 ルアーナ・シルヴァ(BRA)、ソフィア・メディナ(BRA)、ヨランダ・ホプキンス(POR)、アリッサ・スペンサー(USA)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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