(ワイルドカード出場のケリー) PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

ケリー、カノア が早くも…。CT最終戦『Corona Fiji Pro』初日

現地時間8月22日、ワールドタイトルを争う『WSL Finals』進出をかけての最後のイベント、『Corona Fiji Pro』が開幕。

公式4-6ftレンジのクラウドブレイクでメンズ、ウィメンズ共にElimination Roundが進行した後、メンズのみ敗者復活戦のElimination Roundが夕方にかけて行われ、早くもイベントから脱落者が出た初日だった。

パリ五輪を彷彿させたギャビー

(現役CT選手ではフィジー戦最多の2勝をあげているギャビー)
PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

フィジーでCTが開催されるのは、2017年以来。
その中で現役CT選手で優勝経験があるのはウィメンズでは2016年のジョアン・ディファイ(FRA)、メンズでは2014年、2016年のガブリエル・メディナ(BRA)のみ。
ガブリエルはウィルコことマット・ウィルキンソン(AUS)、ダミアン・ホブグッド(USA)と並ぶ2度の優勝。
今回、ワイルドカードで出場したケリーに関しては4度の最多優勝記録を持っている。

初日はタヒチでのパリ五輪でもハイエストスコアを出していたガブリエルがチョープーと同じようなハードなレフトのバレルで頭一つ抜けたバレルライドを披露。9.17を含むトータル17.67でクロスビー・コラピント(USA)、コナー・オレアリー(JPN)を完璧に抑えていた。

「楽しいヒートだったよ。波が丁度良いタイミングでやってきたんだ。だから、気分良くサーフィンできたよ。自分は波に乗っているだけなのに、理想的なタイミングで完璧な波が入るのは最高だよ」

現在ランキング8位のガブリエル。
すでにジョン・ジョン・フローレンス(HAW)とこの日はグリフィン・コラピント(USA)がファイナル5を確定させたため、残り3枠だが、数字的には十分にチャンスがある。

ケリーを怒らせたヤゴ

(ハイエストスコアを出したヤゴ)
PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

ファイナル5争い以外で最終戦の目玉となっていたケリーだが、Opening Roundは波が悪いヒートに当たってしまい、3位でElimination Roundへ。
Elimination Roundでは完璧に対戦相手のヤゴ・ドラ(BRA)のペースになり、5ポイント止まり。
一方、ヤゴは9.33とガブリエルに勝るハイスコアを出し、7.50のバックアップも重ねて圧勝。
パパになったばかりで穏やかな生活を送っていたケリーはストレスがたまる敗退に水面を叩いて怒りをあらわにしていた。

「今は本当に良いサーファーに成長したと感じてる。以前はサーフィンの基礎を学んでいた。エアリアルは得意だったけど、まだ多くのことを改善する必要があったのさ。そんな自分が今はより完成されたサーファーになったと感じているよ。クラウドブレイクでケリーに勝つなんて、全く予想していなかった。彼は常に史上最高のサーファー。ここでもそうだよね。その彼に勝つことができたのは本当に光栄だよ」

ケリーの他、五十嵐カノア(JPN)もElimination Round行きとなり、コナーとの日本人対決で敗退。
ライブランキングでは17位とルーキーイヤーの次に悪いシーズンになりそうだ。

(コナー・オレアリー)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar
(五十嵐カノア)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

ケイトリンとJJFがトップシードを確保

(ケイトリン・シマーズ)
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最終戦を前にすでにファイナル5を確定させていたケイトリン・シマーズ(USA)とジョン・ジョン・フローレンス(HAW)だが、ワールドタイトルを獲得するのにより有利なトップシードをこの日の勝利で確定させた。

ケイトリンはワイルドカードのシエラ・カー(AUS)に押されて序盤は苦戦していたが、後半はダブルアップのセットでバレルに入り、潰されたと思った瞬間に姿を現した。このライディングで5.47を出して逆転に成功。ベスト16入りを決めた時点でトップシードを確定させた。

ファイナル5のトップシードは下位から上がってきた選手と最後に3ヒートだけ行って2勝すればワールドタイトルを獲得できる。

「ローアーズはとても楽しい波。今の状況はちょっとばかり信じられないわ。だからそのことについては全く考えないようにしている。次のヒートについて考え、楽しい波が来ることを願うだけよ」

(3度目のタイトルに向けて有利な形となったジョン・ジョン)
PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

ジョン・ジョンはカノアとローカルトライアルで優勝したテビタ・グキラウとOpening Roundを戦い、相変わらずの超人的なバレルへの嗅覚で7ポイントを2本まとめて余裕のラウンドアップ。
ケイトリンと同じく、ファイナル5のトップシードを確定させ、3度目のワールドタイトル獲得を有利にさせている。

「今年の初めの計画は、ローワーズでトップシードを目指すことだった。だから、こんなに早くその位置を確保して、このイベントを楽しんだり、ローワーズについて考え始めたりできるのは、最高だね」

キャロライン&グリフィンがファイナル5を確定

(キャロライン・マークス)
PHOTO: © WSL/Matt Dunbar

熾烈なファイナル5争いで2つめの席を確保したのは、キャロライン・マークス(USA)とグリフィン・コラピント(USA)

2023年のワールドチャンピオンでもあるキャロラインはパリ五輪で金メダルを獲得。
22歳にして最高の名誉を二つも手に入れ、更にこの日Opening Roundでタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)とワイルドカードのエリン・ブルックス(CAN)を倒した時点でファイナル5進出を決めた。

「素晴らしい気分よ。鳥肌が立っているわ。本当に興奮している。タイトル防衛が私の大きな目標の一つだったので、とても嬉しい。オリンピックで金メダルを獲得した後、すごく高揚していたけど、今年はまだやるべきことが残っていると感じている。本当に大きな目標が二つあり、そのうちの一つは達成できた。あともう一つ。また地元の皆さんの前でそのチャンスを得られることを本当に光栄に思っているわ」

(グリフィン・コラピント)
PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

メンズはElimination Roundでテビタ・グキラウを8.17を含むトータル14.94で倒したグリフィンがファイナル5進出。
本当の地元であるサンクレメンテのローワートラッセルズで開催される『WSL Finals』での2度目の挑戦に大きな期待がかかっている。

「これが全てです。私はこのスポーツに多くを捧げてきたし、人生をかけて今やっていることに向かって進んできたんだ。だから、ただその瞬間を楽しんでいるよ。プレッシャーから解放された今、ただ自由に、このタバルアでの時間を本当に楽しみたい」

ジョーディが脱落、残り3名は熾烈な争い

(ジャック・ロビンソン)
PHOTO: © WSL/Aaron Hughes

メンズサイドではファイナル5の可能性がある多くの選手がベスト16入りしたが、南アフリカのジョーディ・スミスだけがイーマイカラニ・デヴォルト(HAW)に敗れてこの争いから脱落した。
トップ5ではジョン・ジョン、グリフィンの他、ジャック・ロビンソン(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)、イーサン・ユーイング(AUS)が全て残り、ヤゴ、ガブリエル、ジェイク・マーシャル(USA)、和井田理央(IND)、クロスビー・コラピント(USA)が可能性を広げている。

ネクストコールは現地時間8月23日朝7時15分
日本時間の同日朝4時15分。

Corona Fiji Pro Presented by Bonsoy Women’s Elimination Round Matchups:
HEAT 1: Brisa Hennessy (CRC) vs. Sierra Kerr (AUS)
HEAT 2: Johanne Defay (FRA) vs. Bettylou Sakura Johnson (HAW)
HEAT 3: Gabriela Bryan (HAW) vs. Erin Brooks (CAN)
HEAT 4: Tatiana Weston-Webb (BRA) vs. Sawyer Lindblad (USA)

Corona Fiji Pro Presented by Bonsoy Men’s Round of 16 Matchups:
HEAT 1: Griffin Colapinto (USA) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 2: Gabriel Medina (BRA) vs. Jake Marshall (USA)
HEAT 3: Jack Robinson (AUS) vs. Connor O’Leary (JPN)
HEAT 4: Yago Dora (BRA) vs. Ramzi Boukhiam (MAR)
HEAT 5: John John Florence (HAW) vs. Imaikalani deVault (HAW)
HEAT 6: Crosby Colapinto (USA) vs. Rio Waida (INA)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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