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エリン・ブルックス&グリフィン・コラピントが優勝!CT最終戦『Corona Fiji Pro』

全9戦のレギュラーシーズンとワールドタイトルを争う『Lexus WSL Finals』で構成されている2024年のCT。
レギュラーシーズンの最終戦となる『Corona Fiji Pro』が2017年以来となるフィジーのタバルア島・クラウドブレイクで開催され、現地時間8月24日にファイナルデイを迎えた。

前日にピークを迎えたウネリは弱まってしまい、公式3-4ftレンジのマニューバー勝負を制したのはワイルドカードのエリン・ブルックス(CAN)とグリフィン・コラピント(USA)だった。

歴史を塗り替えた17歳

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今イベントの注目は『Lexus WSL Finals』を戦うファイナル5の争いだったが、その他に4度の最多優勝記録を持つケリー・スレーター(USA)と、近い将来ワールドタイトルを争うことになるだろうエリン・ブルックス(CAN)とシエラ・カー(AUS)のワイルドカードの活躍もフォーカスされていた。

残念ながらケリーとシエラは早期敗退に終わったが、エリンはケイトリン・シマーズ(USA)、モリー・ピックラム(AUS)、最後はタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)を倒して見事に優勝。
カナダ人としては初のCT優勝という歴史も塗り替えた。

「本当に最高の気分。優勝できたことに感謝している。コンテストにワイルドカードとして参加するチャンスを得たことにも感謝しているわ。最初は自分にプレッシャーをかけていたけれど、リラックスして楽しみながら、ヒーローたちと一緒にサーフィンをすることができた。みんなはファイナル5のスポットに集中していたけれど、私はただ楽しんで、良い波に乗ることに集中していたわ」

(今回、エリンを全面的にサポートしていたケリー)
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現在CS4位のエリンは早ければ来シーズンにもCT入りする可能性がある。

複数のワールドタイトルを持つステファニー・ギルモア(AUS)、タイラー・ライト(AUS)、カリッサ・ムーア(HAW)がワイルドカード時代に優勝経験があるようにエリンもツアーの正式なメンバーになる前に優勝と同じ道を歩んでいる。

「ファイナルでタティと対戦できて嬉しかった。ツアーにいる数少ないグーフィーフッターの一人として、私は彼女をずっと尊敬している。ファイナルを共有できたことはとても特別で、この日を永遠に忘れないわ。CTに参加するのが待ちきれない。本当に楽しかったわ」

ファイナル5を確定させたタティアナ

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ファイナルでエリンに敗れたタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)も丁度10年前の2014年にワイルドカードでフィジー戦に出場している。

パリ五輪で銀メダルを獲得したことでも分かる通り、レフトのリーフブレイクではトップレベルであり、ファイナルでも序盤からリードを保ち、残り10分で逆転されるまでは優勢だった。
そして、今回の結果によってランキングを7位から5位に上げてキャリア3度目のファイナル5を確定させた。

「ここまで来れて本当に感謝している。今、とても幸せな気持ちで、この経験を本当に楽しんでいる。ヒートの前にジェシー(パートナーのジェシー・メンデス)に『実は緊張してるの』って話したのよ。朝4時に目が覚めて、眠れなかった。でも、自分にはできるって分かっていたから、自信を持ち続け、神の計画と意志を信頼した。こんなにも強い女性たちのグループの一員であることは本当に光栄なことよ。今年のウィメンズサーフィンはとても楽しく、私にとって特別な年になった。五輪で銀メダルを獲得し、今はファイナル5進出を決めた。これからもサーフィンを楽しみ、自分らしくありたいし、神に栄光を捧げたいと思う」

グリフィンがCT通算5勝目

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メンズサイドは『Lexus WSL Finals』の開催地であるカリフォルニアのローワー・トラッセルズが地元のグリフィンが初のファイナル進出となった和井田理央(IND)を倒してポルトガル戦以来の優勝。
CT通算では5勝目で、『Lexus WSL Finals』のセカンドシードを獲得した。

「この優勝は自分にとって大きな意味がある。フィジーは世界クラスの波であり、レフトハンダー。これまでの人生で積んできたトレーニングと、バックサイドサーフィンに費やしてきた時間に感謝の気持ちを感じているよ。バックサイドにはあまり自信がなかったけど、一生懸命取り組んできたおかげで、こうして勝利を収めることができて本当に嬉しい。今の自分は勢いがあるし、サーフィンもいい状態にある。帰宅してファイナルズの準備を始めるのが楽しみだよ」

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ファイナルは一進一退の戦いの中、ロングショルダーの波でパワフルなバックハンドスナップを連続で決めてクローズセクションでバーディカルなフィニッシュをメイクしたグリフィンが6.13をスコア。逆転のチャンスに恵まれなかったリオを抑えることに成功した。

「リオとファイナルを共有できて嬉しいね。彼にとって初のCTファイナルだった。彼は素晴らしいサーファーであり、素晴らしい人物だよ。今後どんなことをするのか、とても楽しみさ。応援してくれた全てのファンの皆さんに感謝する。皆さんが送ってくれるエネルギーこそが、活動を続ける理由でもある。どうかその愛とエネルギーが皆さんに返ってくることを忘れないで欲しい。私たちはお互いに支え合っているんだ」

初ファイナルを決めたリオ

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ツアー2年目のリオはCTでファイナル進出した初のインドネシア人となった。

ウルワツ、パダンパダンなどレフトのリーフブレイクで育った彼はホームのように伸び伸びとサーフィンをして快挙を成し遂げた。
来年はこの地で『WSL Finals』が行われるため、ファイナル5に残ればインドネシア人初のワールドタイトルも現実的である。

「フィジーに来るのは初めてだったけど、まるでホームにいるような感覚だった。波がとても似ていて、自分のサーフィンにぴったりなので、とても楽しかったよ。ファイナルに進出できたことを本当に誇りに思う。もちろん勝ちたかったけど、2位に終わってもインドネシアのために結果を残せたことが嬉しいよ。このレベルで戦い、トップ10に入れた。本当にワクワクしている。来年はファイナル5に進出し、ワールドタイトルを争うことを目指したいと思う」

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ファイナル5のヒート表が公表

最終日の結果によってタティアナを始め、イーサン・ユーイング(AUS)、イタロ・フェレイラ(BRA)がファイナル5を確定させた。

WSLはすでに『WSL Finals』のヒート表を公表。
舞台はカリフォルニアのローワー・トラッセルズ。
9月6日〜14日の期間でたった1日を使用して2024年のワールドタイトルが決まる。

オープニングは5位と4位が争い、勝利者が次の選手に挑戦していく。
トップシードが待つ最後の勝負のみ3ヒートが行われ、先に2勝した選手がチャンピオンになる。

CT最終戦『Corona Fiji Pro』結果
1位 グリフィン・コラピント(USA)
2位 和井田理央(IND)
3位 ジャック・ロビンソン(AUS)、イーサン・ユーイング(AUS)
5位 ガブリエル・メディナ(BRA)、ヤゴ・ドラ(BRA)、イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)、バロン・マミヤ(HAW)

ウィメンズ
1位 エリン・ブルックス(CAN)
2位 タティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)
3位 タイラー・ライト(AUS)、モリー・ピックラム(AUS)
5位 キャロライン・マークス(USA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、ケイトリン・シマーズ(USA)、ジョアン・ディファイ(FRA)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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