(マイケル・フェブラリー)

予想以上のスウェルが入った『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』2日目

インド洋の楽園モルディブで開催中の招待制イベント『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』は現地時間9月2日に2日目を迎えた。

本来ならシングルフィン、ツインフィン、スラスター部門の順で進行するが、この日は6ftのビッグバレルが姿を現したため、ツインフィン部門をキャンセルして先にスラスター部門が行われ、パーフェクト10もスコアされた。

マイケル・フェブラリーとタジ・バロウがファイナルを争ってマイケルが優勝。
総合でも初日のシングルフィン部門で2位になったタジとタイでトップに立っている。

「遂に優勝した!普段、スラスターでサーフィンすることはあまりないけれど、波が良い時にスラスターに乗るのに問題はないし、このイベントは多種多様。今日は自分が一番緊張していただろうね。他のサーファーを観察しながら楽しんでいたよ」

ファーストラウンド

(タジ・バロウ)

3人ヒートのファーストラウンド。

まずはタジとジェレミー・フローレス、ジャドソン・アンドレが争い、タジとジェレミーが巨大なバレルをメイクして8ポイント、7ポイント台を出してセミファイナルへ。

舞台のサルタンはボートで行くアウターリーフで、このサイズになるとピークがシフトしてくる。巨大なフィールドでセットの良いポジションを得るためには動き回る必要がある。
初日のシングルフィン部門で優勝したジャドソンは7ポイント台を2本決めたものの、僅差で敗退。
それでもここは楽園モルディブ。CTのようなシビアな世界でもなく、笑顔でボートに戻っていった。

(ジェレミー・フローレス)

H2はトータル15.00を揃えたマイキーがトップ、多くのバレルをメイクしたカリッサ・ムーアが2位でラウンドアップ。
ローカルワイルドカードのアマデイは1本のバレルだけでバックアップスコアが足りずにここで敗退となった。

(ローカルワイルドカードのアマデイ)

セミファイナル

(カリッサ・ムーア)

セミファイナルH1はタジ vs カリッサ。

5xワールドチャンピオン、オリンピックの初代金メダリストのカリッサと殿堂入りしたサーフムービーにいくつも出演しているタジとの注目の対戦となった。

両者共にCT時代はパイプライン、ベルズ、J-Bay、スナッパー・ロックス、リオ、マーガレット・リバーなど多くの大会で優勝経験がある。

最初のエクスチェンジではタジがロングバレルでカリッサが少し短めのバレル。8.50と6.83でスタートした。
中盤、タジはここまでで最高のロングバレル。50mはあっただろうセクションを抜けてパーフェクト10をスコアした。
カリッサはニード8.18まで追い込まれて敗退したが、やはり負けても笑顔だった。

「凄いヒートだったね。カリッサは完全に波に包まれていた。チューブを共有して交代しながら楽しんでいたよ。こんな波が良いヒートを彼女と共有できたなんて、本当に特別な体験だった」

(マイケル・フェブラリー)

マイキーとジェレミーのH2はクロスゲームとなった。

まずはマイキーが深いバレルからのスムースなカービングで8.33をスコア。ジェレミーはスタンディングチューブで7.17を返していた。
その後、お互いにバックアップスコアを伸ばせずに僅差で進行した後半、ニード5.94だったジェレミーはバレルとカービングでマイキーに迫ったが、逆転には届かず、マイキーがファイナルに進出した。

競技に対して常にシリアスなジェレミーもここでは終始笑顔。
フォーシーズンズリゾートで子供と過ごせ、素晴らしい波に乗って賞金まで貰えるのだから、負けても怒る理由はないだろう。

ファイナル

(マイケル・フェブラリー)

ファイナルはタジ vs マイキー。

初日のシングルフィン部門では年齢順ハンデを活かせなかったタジだったが、この日はマイキーが入る前にビッグバレルとターンで8.67を稼いでいた。
7分後に海に入ったマイキーはミドルスコア止まりだったが、タジは安全策をとらずに良いセットだけを狙い、それをミスしていたため、バックアップスコアを伸ばせずに後半に入った。

マイキーはニード6.17といつでも逆転可能なシチュエーション。
残る数分でビッグセットにテイクオフ。深いバレルをメイクした後、レイバックで巨大なスプレーを上げて9.57をスコアしてタジを抜いてトップに立った。

「最初の海外サーフトリップは、14歳の時のモルディブだった。両親が僕を連れて行くために集められる限りのお金をかき集めてくれたんだ。今、フォーシーズンズでこんな素晴らしいサーファーたちと競うことができるのは、本当に特別だよ。周りを見たり、海の中にいるたびに、夢を見ているみたいさ」

『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』は次にツインフィン部門が行われ、総合のトップ2によるグランドファイナルが行われる。

残り期間も良い予報が出ているため、素晴らしい戦いが期待できるだろう。

「スラスター部門」結果
1位 マイケル・フェブラリー(ZAF)
2位 タジ・バロウ(AUS)
3位 カリッサ・ムーア(HAW)、ジェレミー・フローレス(FRA)
4位 ジャドソン・アンドレ(BRA)、アーメド・アギル(MDV)

カレントリーダーボード
1位 タジ・バロウ(AUS)、マイケル・フェブラリー(ZAF) 1800pt
3位 ジャドソン・アンドレ(BRA) 1700pt
4位 カリッサ・ムーア(HAW)、アーメド・アギル(MDV)、ジェレミー・フローレス(FRA) 1500pt

『Four Seasons Maldives Surfing Champions Trophy』公式サイト
https://www.surfingchampionstrophy.com/

(空海)

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