(サミュエル・プーポ) PHOTO: © WSL/Manel Geada

サリー・フィッツギボンズ&サミュエル・プーポが優勝!CS第5戦『EDP Ericeira Pro』

現地時間10月6日、ポルトガルの電力大手、「EDP」がメインスポンサーを務めるCS第5戦『EDP Ericeira Pro』が終了。

2024年のCSはオーストラリアで2戦、南アフリカ、カリフォルニアを巡り、ポルトガル、ブラジルの全6戦。
10月後半には2025年のルーキーや返り咲きを果たす選手が全て出揃うことになる。

『EDP Ericeira Pro』のファイナルデイは前日までのクリーンなコンディションと一転して風の影響が入った難しいコンディションに変化。
メンズ、ウィメンズ共にSFとファイナルが行われた。

サリーが天才少女を倒す

(CS2連勝を決めたサリー)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

ウィメンズのファイナルは前日に返り咲きを確定させたベテランオージーのサリー・フィッツギボンズとタヒチ出身の13歳、ティヤ・ゼブラウスキのカード。

CT歴14年のサリーとCS初出場のティアの勝負は序盤からサリーが多くの波に乗り、ミドルスコアを重ねてリズムを掴み、7.67を出して主導権を握った。
終了間際には5.93とバックアップスコアを伸ばした一方、ティアもサリーのすぐ後ろでセットに乗ったが、クローズセクションでのエアーの着地に失敗してしまい、5.30。逆転には届かず、トータル13.60でサリーがカリフォルニアに続き、2連勝。
CSランキングのトップを固めている。

「アウトでは何も聞こえなかったので、感覚で動くしかなかったわ。彼女が良いスコアを出していたことは分かっていた。正直勝ったのは驚きだった。本当に嬉しい。新世代はフリーサーフでも強烈で、ヒートで彼女たちに勝つためのやる気を引き出してくれるわ。ここまでの道を作ってくれた私たちの世代やその前の世代の努力に感謝したい」

PHOTO: © WSL/Manel Gead

なお、サリー、ベラ・ケンワーズィ(USA)の他、今回の結果によってイザベラ・ニコルス(AUS)が返り咲きを確定させた。
ウィメンズはトップ5が条件なので、残り2枠。
現在4位はエリン・ブルックス(CAN)、5位はナディア・エロスタルベ(EUK)となっており、6位以下は僅差。
最終戦のブラジルは激しい戦いになりそうだ。

鮮烈なデビューを果たしたティア

(ティヤ・ゼブラウスキ)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

今年のISA、WSGで18歳以下、16歳以下の2クラスで勝ち上がり、18歳以下で銀メダルを獲得して話題になっていたティア。
QSのリージョナルでほぼ無敵になり、CS初出場にしてイザベラ・ニコルス(AUS)、ルアーナ・シルヴァ(BRA)、フランシスカ・ヴェセルコ(POR)と強豪を倒し、ファイナル進出の2位と鮮烈なデビューを果たした。

「優勝できなくて悔しい。でも、初のCSなのよね。ヒートではリズムに乗れなかったけど、ファイナルまで進めたことは本当に嬉しいし、自分のパフォーマンスに誇りを感じているわ。次の大会ではもっと勝ちたい気持ちが強くなった。世界最高の選手たちと一緒にサーフィンできたことは光栄よ」

PHOTO: © WSL/Manel Geada

今年のクオリファイのラインは21,000ポイント以上なので最終戦で優勝しても来年のCT入りはないが、2025年のCSではトップ争いをする可能性が十分にある。
今年ワールドタイトルを獲得したケイティーやカナダのエリンさえも上回る可能性を秘めた13歳のティア。
彼女の存在がウィメンズサーフィンの進化に貢献することは間違いないだろう。

サミュエルが優勝でトップに立つ

(サミュエル・プーポ)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

サリー、イザベラ然り、今年のCTのミッドシーズンカットでCS落ちした選手が多数上位にいるシーズン後半。
メンズサイドでは今イベントで返り咲きを確定させたブラジリアンのサミュエル・プーポがファイナルでオージーのカラム・ロブソンに対して2本の7ポイント台を最初の10分で揃えてしまい、トータル14.50で圧勝した。

「なんて感じなんだろう。そして、なんてシーズンなんだろう。エリセイラの観客は本当に素晴らしい。この大会で起きた全てのことが信じられないね。プレッシャーを感じながらもヒートを突破し、ファイナルまで進めた。自分のパフォーマンスに大満足だよ」

PHOTO: © WSL/Manel Geada
(兄ミゲルとサミュエル。本当に仲の良い兄弟)
PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

なお、同じくCTのミッドシーズンカットでCS落ちした兄のミゲルは5位に入り、ランキングでは2つ上昇の4位。
まだ確定はしていないが、最終戦がホームのブラジルということを考えると返り咲きはほぼ確実と言えるだろう。

クオリファイラインに迫ったカラム

(カラム・ロブソン) PHOTO: © WSL/Manel Geada

2位のカラムもCTのミッドシーズンカットでCS落ちした一人。
怪我の影響もあり、ここまで結果を出せていなかったが、今回の2位で一気に27も上昇して11位になっている。

「前回の大会を欠場して、今回ここで競技に出場することは自分にとって大きな意味があった。仲間と一緒に競技したり、遊んだり、楽しい一週間だった。イベント前に2位になると言われても信じられなかっただろうね。2位に大満足だし、ブラジル戦に向けて良いポジションにいることが嬉しいよ」

CS最終戦『Corona Saquarema Pro』は10月12日〜20日にブラジルのサクアレマで開催される。

(ファイナリスト) PHOTO: © WSL/Laurent Masurel

CS第5戦『EDP Ericeira Pro』結果
1位 サミュエル・プーポ(BRA)
2位 カラム・ロブソン(AUS)
3位 アレホ・ムニーツ(BRA)、ジョエル・ヴォーン(AUS)
5位 エドガー・グロッジア(BRA)、五十嵐カノア(JPN)、ミゲル・プーポ(BRA)、マテウス・ヘルディ(BRA)

ウィメンズ
1位 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2位 ティヤ・ゼブラウスキ(FRA)
3位 ノア・クラップ(DEU)、キラ・ピンカートン(USA)
5位 ラウラ・ラウプ(BRA)、ヨランダ・ホプキンス・セケイラ(POR)、ベラ・ケンワーズィ(USA)、イザベラ・ニコルス(AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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