(レッドヘアーがトレードマークの西慶司郎) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

西慶司郎がベスト16入り!CS最終戦『Corona Saquarema Pro』

現地時間10月14日、ブラジルのサクアレマ、プライア・デ・イタウナで開催中のCS最終戦『Corona Saquarema Pro』は大会3日目を迎え、メンズRound of 64の全てのヒートとRound of 32の8ヒート中、4ヒートが進行した。

ラウンドが進むに連れてヒートアップしてくるクオリファイの行方。
メンズ残り7枠の中、この日は1枠が埋まった一方、脱落者も多数出てしまった。

西慶司郎がベスト16入り!

(西慶司郎)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

メンズRound of 64では二人の日本人選手がラウンドアップ。

まず、西慶司郎は強烈なバックハンドターンで序盤にトータル12.66を揃え、ファン投票で63%と圧倒的な人気だったモーガン・シビリック(AUS)を抑えてトップ通過。
同ヒートだった大音凛太は最後のライディングがニードスコアに届かず、ここで姿を消した。

「とても良い波でした。前ヒートのミゲルが良いライトにバックハンドで乗っていたので、影響されました。サクアレマは初めてですが、好きな場所です。1%でも可能性があるので、最後まで諦めずに自分のサーフィンを出せればと思っています。応援お願いします」

PHOTO: © WSL/Thiago Diz

CS初出場となった今年の南アフリカ戦で5位になっていた西慶司郎は真っ赤な髪の毛という特徴もあり、CSですでに存在感があるサーファーになっている。
勝利者インタビューでもキャップを途中で脱いで、レッドヘアーをアピールしていた。

西慶司郎はRound of 32でもリズムを崩さず、トータル13.23をまとめて2位通過。
このヒートはマテウス・ハーディ(BRA)がインサイドのクローズセクションでバックフリップをメイクしてイベント初の10ポイントを出してしまい、彼のワンマンショーとなった。

大原洋人がクオリファイに向けて一歩前進

(ファンサービス中の大原洋人)
PHOTO: © WSL/Thiago Diz

もう一人、クオリファイの可能性が残る日本人選手の中で最もチャンスがある大原洋人はRound of 64でジョーダン・ローラー(AUS)に続く2位通過。
Round of 32ではサミュエル・プーポ(BRA)、エドガー・グロッジア(BRA)、ウィンター・ヴィンセント(AUS)とのカードになる。

なお、伊東李安琉はこのラウンドで敗退。
33位でフィニッシュしている。

マテウスの10ポイントライド

(コークスクリュー・バックフリップを決めたマテウス)
PHOTO: © WSL/Daniel Smorigo

この日のプライア・デ・イタウナは公式4-5ftレンジのピーキーな波で、特にサイドショアが強まってきた後半はエアー向きだった。

西慶司郎と同ヒートだったマテウスのエアーは公式で「コークスクリュー・バックフリップ」と発表。
最初に7ポイント台を2本出してスコアを固めたからこそトライできたコンテストでは珍しい大きな一本だった。

「最高に気持ち良かったね。最初に2本の7ポイント台を出して、プライオリティも持っていたんだけど、波に乗ってプライオリティを失ってしまった。それで少しイライラしちゃったんだ。次の波が来た時、セクションを見て、ただ思い切ってやってみたんだ。ヒートでこういう技を決めるのは久しぶりだったから、本当に意味のある一本だったね」

PHOTO: © WSL/Thiago Diz

ワールドジュニアの優勝経験があるマテウスは現在23歳。
CTにもワイルドカードで出場してメキシコで3位になるなど実力は十分にあるが、2023年にCSランキング12位とクオリファイはあと一歩のところで逃している。

ベスト16入りによってライブランキングでは16位に浮上しており、今年はまだチャンスが残されている。

「メディーナ、フィリッペ、イタロ、そしてヤゴがサクアレマで大きな足跡を残しているから、彼らと肩を並べるにはもっと多くのことをしなければならないと感じている。彼らがCTで成し遂げたこととは別次元だけど、今日自分がやったことには満足している。この勢いを次のラウンドにも繋げたいね」

ミゲルが兄弟で返り咲きを果たす

(娘と返り咲きを喜ぶミゲル) PHOTO: © WSL/Thiago Diz

この日、クオリファイを決めたのはブラジリアンのミゲル・プーポ。

ミゲルは弟のサミュエルと共にミッドシーズンカットでCS落ちしていたが、シドニーで3位、ハンティンンビーチとポルトガルで5位となり、返り咲きに成功。
サミュエルは一足先にクオリファイを確定させていた。

CTではミッドシーズンカットになっても、CSでは別格のサーフィンで強いプーポ兄弟。
なお、すでに確定した4枠は全てブラジリアンで、他にもトップ10に2名のブラジリアンが残っている。
これは昨年のCSと全く違う点だ。

「ここでクオリファイを得たことは本当に嬉しいけれど、実際には年間を通しての努力が大きい。その最終段階に過ぎない感じだね。ほとんどの大会で良い結果を出せたことで、目標を達成するためのモチベーションが高まったんだ。CTでのカットを通過できなかったのは辛かったけど、イアンやアレホ、そして兄弟がクオリファイを得たのは本当に刺激的さ。彼らと一緒にツアーに戻ることは、僕自身にとってだけでなく、ブラジルにとっても素晴らしいことになるよ」

クオリファイを巡る戦い

(返り咲きのチャンスを逃したカラム・ロブソン() PHOTO: © WSL/Thiago Diz

この日はトップ10の内、ジョージ・ピッター(AUS)、ジャクソン・バンチ(HAW)、マイケル・ロドリゲス(BRA)の3名が敗退。
クオリファイライン下にいてまだイベントに残っているマルコ・ミグノー(FRA)、ジョエル・ヴォーン(AUS)、ジョーダン・ローラー(AUS)などの結果に委ねられることになる。

また、パリ五輪出場後のCS第4戦『Lexus US Open of Surfing』で優勝したメキシコのアラン・クリーランドもハワイと日本人のハーフ、シフォン・クロフォードと共にRound of 32進出を決め、クオリファイ確定まで僅かなポジションにいる。

ネクストコールは現地時間10月15日6時30分(日本時間同日18時30分)で、メンズRound of 32の残りヒートから再開予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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