(ケイトリン・シマーズ)PHOTO: © WSL/Tony Heff

「アメリカの変化、WSLの変化」 – F+

F+(エフプラス)

すでに11月も後半なので、来年の話も許されるわけですが、WSLもいろいろニュースを流していて、特に自然環境への取り組みとか、サステナブル系の感じとか、実にアメリカっぽいなぁ、と思う。アメリカっぽいというか、カリフォルニアっぽい。
カリフォルニアはサーファーにはとてもメジャーなエリアではあるけど、アメリカ全体から見るとものすごいリベラルというか、まぁ、ハリウッドやシリコンバレーがあったりするので富裕層も多く、昔から環境保護とか新興宗教とか、方角は違えど食足りてから考えるようなことが盛んなエリアといえる。

(WSLが取り組む環境保護活動「One Ocean」)PHOTO: © WSL/Thiago Diz

昔々サーフィンはお金持ちの遊びであり、アメリカではカリフォルニアがメッカだったのもうなずける。
もちろんコッテコテのブルーステート、民主党ガチ。まぁ、見方によっては実にスノッブ(俗物)な感じでもあり、ニューヨークとかと共通する部分も多いように思う。ニューヨーカーはあんなカリフォルニアの田舎者と一緒にするなと言いそうだけど(笑)。

それでも先の選挙でアメリカ国民が選んだのは、食足りてる人たちの主張なんかくそくらえみたいな、中絶の権利よりパンよこせ、という方向だった。
まぁ選ばれたトランプさんは食足りすぎてはいるけど(笑)。第2次トランプ政権はちょっと面白そうな感じもする。彼は経営のアイデアをそのまま政治に落とし込もうとしていて、会社経営と国家経営の共通点が多ければ成功しそうだし、やっぱり政治は政治で特殊な世界、日本でいう永田町の論理がある、ということになれば失敗するだろう。どちらにしても今までの民主党政権とは大きく変わりそうなので、国民が求めた変化は起こりそうだ。
会社経営的国家経営が成功すれば、民主主義、資本主義社会に大きな転換期をもたらすことになるだろう。

で、WSLの大きな変化としては、来年どころか再来年の話ではあるけど、女子のCT枠を拡大するという話。現行の18人から2026年には24人に拡大される。CTから14人、CSから7人、年間ワイルドカード2名、イベントワイルドカード1名。

(メンズさながらのチャージを見せるケイトリン・シマーズ)PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

まぁ、確かにここのところの女子のレベルの上がり方はすごいものがあるので、女子ヒートは休憩とかオマケ的な感じは薄れてきているし、女子のスキルアップと比較して男子停滞傾向、みたいなことも常時ツアーを見ているコーチ陣やメディア筋の間ではささやかれていた。なのでジェンダーレスな世の中、納得せざるを得ない方向ではあるものの、個人的には世界のサーファーの中での競技人口の男女比に比例している感じがいいんじゃないのかなぁ、と思うので、この男女比4:3というのが正解なのかどうなのかは疑問。

ジェンダーレスを目指すばかりに、頭数合わせの女性起用とかおかしいと思うし、生物学的にジェンダーは無くせないわけで、ホモサピエンスにオスメスの区別はない、とはいかないからねぇ。
「ガラスの天井」とか言うけど、本当に実力のあるサッチャーさんとかメルケルさんのような女性が出てくれば、ガラスだけに天井はいとも簡単に破れると思うので、女性だから選ぶということはないほうがいい……って女性の私が言うのもなんだけど。
まぁさ、昔からサーフィンは男社会なんでね。それガッツリ食らってきた私としては、近年の女子の待遇には驚くばかりなわけです。

F+編集長つのだゆき

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