(52歳のケリー) PHOTO: © WSL/Tony Heff

五十嵐カノア &コナー・オレアリーがトップ通過!CT開幕戦『Lexus Pipe Pro』初日

全11戦プラス、ワールドタイトルを争う『WSL Finals』と昨年よりも2戦多い2025年のCT。
開幕戦の『Lexus Pipe Pro』が現地時間1月29日の水曜日にスタートしてメンズのOpening Round全ヒートの後、ウィメンズのOpening Roundの6ヒートの内、4ヒートが進行した。

初日は公式3-5ftレンジでバックドアメインのノースショアにしてはスモールコンディション。
バレルだけではなく、『Vans Pipe Masters』のようにエアリアルやマニューバーでスコアを稼ぐ選手が多かった。

なお、ストームの接近により、明日と明後日はすでにオフがコール。
週末にスケジュールがアップデートされる予定。

カノアとコナーがトップ通過

PHOTO: © WSL/Brent Bielmann
PHOTO: © WSL/Tony Heff

まず、日本人選手の結果からお伝えするとH8で和井田理央(IND)、ルーキーのジョエル・ヴォーン(AUS)と戦った五十嵐カノアは序盤にトップターンからダブルアップしたバレルをメイクしてフィニッシュを決めてこのヒートでハイエストとなる6.33をスコア。
ターンで3.73を出してトータル10.06でトップ通過。

「日本のファンのみなさん、いつも応援してくれてありがとうございます。本当にファーストイベントは重要で、色々なプレッシャーや考えることがあります。その中で自分の良いサーフィンを今回もできて嬉しいので、これからも続けたいと思います」

カノアの次のヒートに登場したコナー・オレアリーはジェイク・マーシャル(USA)、ミゲル・プーポ(BRA)とのロースコア勝負のカードをトータル7.10で切り抜けた。

52歳のケリーが奮闘

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2022年にパイプラインで8度目の優勝、CT通算56勝目を決めたキングケリーは今回ワイルドカードで出場。

Opening Roundはイタロ・フェレイラ、サミュエル・プーポの二人のブラジリアンに囲まれながらも得意のバックドアを抜けてトータル9.90でトップ通過を決めた。

「ある意味、自転車に乗るのと同じようなもの。毎日コンディションは違うんだ。パイプとバックドアの波はいつも同じ場所にブレイクするわけじゃない。スウェルの向きやサイズによって大きく変わるのさ。今日はイタロが乗ったレフトの波があったけど、あれは自分のプライオリティだった。でもバレルにならないと分かったから彼に譲った。俺はバレルを狙ってたけど、イタロはその波でビッグエアーを決めた。結局、求めるものが違うってことさ」

『Vans Pipe Masters』とは違い、ビッグエアーよりもコンパクトなバレルにスコアが出るCTイベントのジャッジクライテリアを理解しながらヒートを組み立てたケリー。
1991年のデビュー以来、33回連続でパイプラインのCTに出場と超人的な記録を更新している。

JJFを倒したイアン・ゴーベイア

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2025年シーズンを休止するジョン・ジョン・フローレンス(HAW)は地元でのイベントのみワイルドカードで出場。
イアン・ゴーベイア(BRA)、リプレイスメントのイーライ・ハンネマン(HAW)との勝負は意外にもイアンがバックドアでこのヒートのハイエストとなる7.67を出してジョン・ジョンを抑えていた。

長年のブランクを経て32歳で返り咲きを決めたイアンは2017年にパイプラインでSF進出を果たしている。

「本当に最高の気分だよ。すごく感情的になっている。プレシーズンは本当に大変だった。5ヶ月間サンパウロにいて、サーフィンもできなかったし、海にも入れなかった。ここに来た時も100%の状態じゃなかったし、1週間前には膝を切ってしまったんだ。その時は最初の2戦を欠場するかもしれないと思った。でもここにいる。このジャージを着るために本当に努力してきたんだ。誰にも譲るつもりはない。ヒートでは最後にあの波が来て、ジョンに勝てたんだ。信じられないよ」

その他、2024年シーズンを休んだフィリッペ・トレド(BRA)が復帰戦をトップ通過。
ハイエストはシングルスコアがジャック・ロビンソン(AUS)の8.00で、トータルはルーキーのマルコ・ミグノー(FRA)による13.33となった。

PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

ケイティ、キャロライン、タイラーがリード

PHOTO: © WSL/Tony Heff

Opening Roundの6ヒート中の4ヒートだけ進行したウィメンズはタイラー・ライト(AUS)の7.33がハイエストスコア。
ケイトリン・シマーズ(USA)の12.67がハイエストヒートスコアとなった。

バックドアのロングバレルからパワフルなターンでスコアを出し、レイキー・ピーターソン(USA)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)を倒してRound of 16行きを決めたタイラーは、「正直、波に乗れるだけで気持ち良いわ。以前よりあまり考え過ぎず、もっと楽しめるようになった気がする。14年間もやっていると、自分に厳しくなりがちだけど、今年はそのバランスを見つけたい。昨年は本当に厳しかった。怪我が多くて、正直最悪だったわ。でも、今は調子が良いし、健康なの。ただサーフィンを楽しんでいるわ」と話していた。

キャロライン・マークス(USA)はルーキーのベラ・ケンワーズィ(USA)、リプレイスメントのナディア・エロスタルベ(EUK)を相手に7.00を含むトータル11.83で圧勝。
2位には鋭いバックハンドのスナップでスコアを重ねたナディアが入った。

PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

昨年のワールドチャンピオン、ケイトリン・シマーズ(USA)はパイプラインの女王と呼ばれるモアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)、イザベラ・ニコルス(AUS)とのカードでバックドアのバレルをメイク。
7.17を含むトータル12.67で余裕のラウンドアップ。

「試合前からすごく良い感じだったのよ。私のヒートの前にすごく綺麗なコンディションになった。風が止んで、本当に良い瞬間だったわ。気持ち良かったし、小さいけど良いバレルをゲットできた。正直バレルになるとは思ってなかったけど、自然にそうなって、ただただ感謝してる」

その他、2025年を休止するステファニー・ギルモア(AUS)の代わりに入ったルアーナ・シルヴァ(BRA)がトータル12.60で快勝。
残りヒートには強豪のモリー・ピックラム(AUS)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、ヴァヒネ・フィエロ(FRA)、エリン・ブルックス(CAN)などがクレジットされている。

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Men’s Opening Round Results:
HEAT 1: Seth Moniz (HAW) 12.06 DEF. Edgard Groggia (BRA) 8.73, Yago Dora (BRA) 8.53
HEAT 2: Matthew McGillivray (RSA) 10.50 DEF. Ethan Ewing (AUS) 9.27, Jackson Bunch (HAW) 7.34
HEAT 3: Jack Robinson (AUS) 13.10 DEF. Alan Cleland (MEX) 8.43, Liam O’Brien (AUS) 8.17
HEAT 4: Ian Gentil (HAW) 12.90 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 12.30, Griffin Colapinto (USA) 10.93
HEAT 5: Kelly Slater (USA) 9.90 DEF. Italo Ferreira (BRA) 8.00, Samuel Pupo (BRA) 3.90
HEAT 6: Ian Gouveia (BRA) 11.84 DEF. John John Florence (HAW) 11.50, Eli Hanneman (HAW) 11.43
HEAT 7: Jordy Smith (RSA) 11.00 DEF. George Pittar (AUS) 7.17, Imaikalani deVault (HAW) 3.63
HEAT 8: Kanoa Igarashi (JPN) 10.06 DEF. Rio Waida (INA) 7.83, Joel Vaughan (AUS) 3.06
HEAT 9: Connor O’Leary (JPN) 7.10 DEF. Jake Marshall (USA) 6.80, Miguel Pupo (BRA) 3.53
HEAT 10: Ramzi Boukhiam (MAR) 7.40 DEF. Cole Houshmand (USA) 6.14, Deivid Silva (BRA) 5.90
HEAT 11: Filipe Toledo (BRA) 8.57 DEF. Barron Mamiya (HAW) 6.66, Alejo Muniz (BRA) 6.27
HEAT 12: Marco Mignot (FRA) 13.33 DEF. Joao Chianca (BRA) 8.73, Ryan Callinan (AUS) 8.57

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Men’s Elimination Round Matchups: 
HEAT 1: Griffin Colapinto (USA) vs. Deivid Silva (BRA) vs. Eli Hanneman (HAW)
HEAT 2: Yago Dora (BRA) vs. Alejo Muniz (BRA) vs. Jackson Bunch (HAW)
HEAT 3: Ryan Callinan (AUS) vs. Samuel Pupo (BRA) vs. Joel Vaughan (AUS)
HEAT 4: Imaikalani deVault (HAW) vs. Liam O’Brien (AUS) vs. Miguel Pupo (BRA)

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Women’s Opening Round Results (Heats 1 – 4): 
HEAT 1: Luana Silva (BRA) 12.60 DEF. Tatiana Weston-Webb (BRA) 9.16, Sally Fitzgibbons (AUS) 6.17
HEAT 2: Caroline Marks (USA) 11.83 DEF. Nadia Erostarbe (ESP) 7.17, Bella Kenworthy (USA) 6.67
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) 12.67 DEF. Isabella Nichols (AUS) 7.93, Moana Jones Wong (HAW) 7.10
HEAT 4: Tyler Wright (AUS) 13.83 DEF. Lakey Peterson (USA) 10.16, Brisa Hennessy (CRC) 9.87

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Remaining Women’s Opening Round Matchups (Heats 5 – 6): 
HEAT 5: Molly Picklum (AUS) vs. Bettylou Sakura Johnson (HAW) vs. Vahine Fierro (FRA)
HEAT 6: Gabriela Bryan (HAW) vs. Sawyer Lindblad (USA) vs. Erin Brooks (CAN)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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