(イザベラ・ニコルス) PHOTO: © WSL/Tony Heff

ウィメンズベスト8が決定した『Lexus Pipe Pro』2日目

『THE EDDIE』、『DaHui Backdoor Shootout』とシーズン序盤は波に恵まれたノースショアだったが、CT開幕戦『Lexus Pipe Pro』はここまでのところ期待外れとなり、1週間もレイデイが続いてしまった。

現地時間2月5日に再開された2日目も残り少ないウェイティングピリオドを考慮してやむを得なく進行した形となり、本来のパイプラインとは程遠かった…。

この日は公式4-5ftレンジのクリーンなコンディションで、ウィメンズのOpening Roundの残りヒートの後、メンズ、ウィメンズ共に敗者復活戦のElimination Round。
その後、夕方にかけてウィメンズのベスト8を決めるRound of 16が2つのヒートを同時進行させるオーバーラッピングヒートを使用して足早に進行した。

グリフィン、ミゲルが巻き返す

(グリフィン・コラピント)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

メンズのElimination Roundでは、7度目のパイプラインで初のOpening Round敗退となったグリフィン・コラピント(USA)が返り咲き組のデイヴィッド・シルヴァ(BRA)、リプレイスメントのイーライ・ハンネマン(HAW)と対戦。

イーライが逃したバックドアで6.50を出し、トータル10.67でデイヴィッドと共にラウンドアップを決めた。

「厳しいラウンドを突破できて嬉しいね。みんな最初のヒートで負けている選手だから、このラウンドは緊張するんだ。突破できて本当に嬉しいよ」

(ミゲル・プーポ)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

その他、ライアン・カリナン(AUS)、リアム・オブライエン(AUS)を始め、ルーキーではジャクソン・バンチ(HAW)、ジョエル・ヴォーン(AUS)がこのラウンドを切り抜け、返り咲き組ではミゲル・プーポ(BRA)、アレホ・ムニーツ(BRA)が次に進んだ。

痛い最初の初戦敗退は、ヤゴ・ドラ(BRA)、サミュエル・プーポ(BRA)、イーマイカラニ・デヴォルト(HAW)となった。

ハイエストはイザベラ・ニコルス

(この日最も深いバレルを抜けたイザベラ・ニコルス)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

ウィメンズのElimination Roundでは、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、モアナ・ジョーンズ・ウォン(HAW)、ベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)、エリン・ブルックス(CAN)が勝ち上がった一方、ルーキーのベラ・ケンワーズィ(USA)、ベテランのサリー・フィッツギボンズ(AUS) が姿を消した。
サクラは残り30秒で7.17を出してサリーを敗退に追いやった。

ベスト8を決めるRound of 16では、イザベラ・ニコルス(AUS)がガブリエラ・ブライアン(HAW)とクロスゲームを演じ、バックドアで完全に姿を消した後に飛び出して8.67をスコア。この日のハイエストを出してトータル14.17で勝利した。

「どこからあの波が来たのか分からないけど、本当に嬉しいわ。ここでは、ずっと時間をかけて練習してきた。コンディションが悪い時も、良い時も、とにかくパイプでサーフィンし続けてきたのよ。これまでの結果は、その努力を反映しているとは思えなかった。だから、海の中で『もしこのヒートで完璧な波を掴んで、バレルを抜けられたら最高だろうな』って夢見ていたら、それが現実になったの」

ケイトリンがモアナを倒す

(ケイトリン・シマーズ)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

今イベントのディフェンディングチャンピオンであり、昨年のワールドチャンピオンのケイトリン・シマーズ(USA)と2022年のパイプを制したモアナのカードはこの日最も注目を集めるヒートになった。

シーソーゲーム、互角の戦いの流れを変えたのはケイトリンのバックドアメイクの8.00。
深いポジションで待つ戦略が功を奏し、モアナを追い込んで最後まで逃げ切った。

「モアナが1本前の波に乗ってたこともあり、あの波はちょっとレイトテイクオフになった。自分はかなり奥にいたけど、2本目の波が来る予感がしたの。パドルを始めた時、まだ波は見えなかった。でも、アウトに出ないと間に合わないと思ったの。それにモアナがスコアを上げてる可能性もあったから、自分も良い波を取らなきゃいけないってね。目の前にあの波が来て、『よし、これはバレルになるぞ』って思った。実際、バレルになって、めちゃくちゃ楽しかったわ」

次のQFでケイトリンは同じカリフォルニアの親友、ソーヤ・リンドブラッドと対戦する。

(早期敗退となったモアナ・ジョーンズ・ウォン)
PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

ゴールデンルーキーがCTの洗礼を浴びる

(モリー・ピックラム)
PHOTO: © WSL/Tony Heff

最終ヒートには、昨年、ケイトリンとファイナルを戦ったモリー・ピックラム(AUS)とゴールデンルーキーのエリン・ブルックス(CAN)というもう一つ興味深いカードが用意されていた。

チャンスが少なかったこのヒートはターン勝負となり、4.00と6.83を揃えたモリーに軍配が上がり、エリンはCTの洗礼を浴びることになった。
本来のパイプラインが姿を現していたらと考えると残念な結果に終わったが、これもまた厳しい勝負の世界なのだ。

「カオスなコンディションの方が自分らしく戦えるわ。ノンプライオリティのヒートは難しい。良い波が見えても、プライオリティがないと行けないし、誰かが先に乗ってしまうこともある。今日も見逃した良い波が何本かあって、『あぁ、あれに乗れたら最高だったのに』って思った。でも、とにかく勝ち上がれて良かった。ターンでもバレルでも、ヒートを勝てれば最高よ!」

(シェーン・ドリアンのコーチの元で戦ったエリンだが…)
PHOTO: © WSL/Brent Bielmann

その他、レイキー・ピーターソン(USA)、キャロライン・マークス(USA)、タイラー・ライト(AUS)、ブリッサ・ヘネシー(CRI)がベスト8入りを決めた。

ネクストコールは現地時間2月6日朝7時45分。
日本時間2月7日2時45分。

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Lakey Peterson (USA) vs. Isabella Nichols (AUS)
HEAT 2: Caroline Marks (USA) vs. Tyler Wright (AUS)
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 4: Brisa Hennessy (CRC) vs. Molly Picklum (AUS)

Lexus Pipe Pro Presented by YETI Men’s Round of 32 Matchups:
HEAT 1: Italo Ferreira (BRA) vs. Edgard Groggia (BRA)
HEAT 2: Seth Moniz (HAW) vs. Cole Houshmand (USA)
HEAT 3: Ramzi Boukhiam (MAR) vs. Miguel Pupo (BRA)
HEAT 4: Joao Chianca (BRA) vs. Marco Mignot (FRA)
HEAT 5: John John Florence (HAW) vs. Jackson Bunch (HAW)
HEAT 6: Matthew McGillivray (RSA) vs. Barron Mamiya (HAW)
HEAT 7: Filipe Toledo (BRA) vs. Deivid Silva (BRA)
HEAT 8: Jake Marshall (USA) vs. Ian Gentil (HAW)
HEAT 9: Jack Robinson (AUS) vs. Alan Cleland (MEX)
HEAT 10: Ian Gouveia (BRA) vs. Ryan Callinan (AUS)
HEAT 11: Rio Waida (INA) vs. Kelly Slater (USA)
HEAT 12: Ethan Ewing (AUS) vs. Alejo Muniz (BRA)
HEAT 13: Griffin Colapinto (USA) vs. George Pittar (AUS)
HEAT 14: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Liam O’Brien (AUS)
HEAT 15: Connor O’Leary (JPN) vs. Leonardo Fioravanti (ITA)
HEAT 16: Jordy Smith (RSA) vs. Joel Vaughan (AUS)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(空海)

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