(このイベントを最後に産休に入るジョアンも次に進んだ) PHOTO:© WSL/Laurent Masurel

ウィメンズのベスト8が決定!CT第3戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』2日目

今年のポルトガル戦は波の予報が悪く、ウェイティングピリオド初日から足早に進行中。

CT第3戦『MEO Rip Curl Pro Portugal』は現地時間3月16日に大会2日目を迎え、公式2-4ftレンジの風の影響が入ったコンディションでウィメンズのElimination Roundからスタート。

ウィメンズはRound of 16まで進行してQFを戦うベスト8が決定。
メンズはElimination Roundの4ヒートのみ行われ、Round of 32を戦う選手が揃った。

ケイティのストレートエアー

(エアーでこの日一番のハイスコアを出したケイティ)
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ウィメンズサイドのElimination Roundを切り抜けたのは、ルーキーのベラ・ケンワーズィ(USA)、ワイルドカードのヨランダ・ホプキンス(POR)、ベテランのレイキー・ピーターソン(USA)、ルアーナ・シルヴァ(BRA)の4名。
一方、ブリッサ・ヘネシー(CRI)、2022年に優勝経験があるタティアナ・ウェストン・ウェブ(BRA)が敗退。
特にタティアナは常に更新されるライブランキングで最下位と最悪のシーズン序盤となっている。

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(オーシャンサイドのサウスサイドピアで鍛えられた小波のスキルを活かした)
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この日最もインパクトがあるライディングをしたのは、イエロージャージを着るケイトリン・シマーズ(USA)で、Round of 16のH5でワイルドカードのヨランダを相手にまるでホームでフリーサーフィンを楽しむかのようにスコアを重ね、最後はフロントサイドのストレートエアーをメイクして7.67のハイエストスコアを出してこの勝負を締めくくった。

「毎日、ホームのサウスサイドピアで練習しているの。ツアーでもこんな日が来るのをずっと待っていたわ。こんな波でやるのは年に2日くらいよね。私は体が小さいから、小波が好きなの。サーフィンが大好きだし、競うことも大好き。だから、このまま続けていきたいわ。ヒートではどんな状況でも勝ち上がるためにやるべきことをやるだけだよ」

(QFでケイティと対戦するエリン)
PHOTO:© WSL/Laurent Masurel
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次のQFはトータルスコアでケイティを上回る数字を揃えてレイキー・ピーターソン(USA)を倒したルーキーのエリン・ブルックス(CAN)と対戦する。
この二人の勝負はゴールデンカードと言えるだろう。

なお、ケイトリンの他にもモリー・ピックラム(AUS)がエアーにトライしていたが、着地に失敗していた。

(モリー・ピックラム)
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妊娠16週間目のジョアン

(ジョアン・ディファイ)
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Round of 16のH2でヴァヒネ・フィエロ(FRA)とクロスゲームを演じたジョアン・ディファイ(FRA)は、経験の差で最後に逆転。
イベント前に妊娠16週間目と公表していたジョアンは、このイベントを最後に産休に入る。

「1本だけ凄く開いた波を掴めたけど、それ以外は難しかった。オープンフェイスの波をなかなか見つけられなかった。ヴァヒネの近くで待たず、距離を保って、来た波に乗るというのが今回の作戦だった。この勝利は本当に嬉しいし、沢山のサポートを感じている。ヨーロッパでの最後のイベントだから、それも特別だわ」

安定したバックハンドで勝ったキャロライン

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QFでジョアンと当たるキャロライン・マークス(USA)は、Round of 16のH1でイザベラ・ニコルス(AUS)と対戦。
安定したバックハンドアタックを武器に6ポイント台を2本揃えてトータル13.24で圧勝した。

「ちょっとホームみたいな感じがするし、フロリダよりずっと良いコンディションだから気分が上がるわ。新しいボードを試したんだけど、凄く調子が良かった。マット・バイオロスとチームに感謝してる。次のラウンドはコンディションが全然違うかもしれないから、今この瞬間に集中して、自分のサーフィンをするだけ。あとは海が味方してくれることを願うわ」

その他、モリー・ピックラム(AUS)、タイラー・ライト(AUS)、ベラ・ケンワーズィ(USA)、ガブリエラ・ブライアン(HAW)がベスト8入りを決めている。

2023年の大会勝者が消える

(デイヴィッド・シルヴァ) PHOTO:© WSL/Manel Geada

この日のメンズサイドはElimination Roundの4ヒートのみ。

ハイエストスコアは序盤に2本まとめたH1のデイヴィッド・シルヴァ(BRA)で、後半にダメ押しの6.93を出してトップ通過。
ジェイク・マーシャル(USA)が2位で続き、ワイルドカードのフレデリコ・モライス(POR)が敗退した。

「今朝は厳しいコンディションだったけど、最初に2本決められたことでリラックスできた。ポイントを稼ぐためにも、ヒートの勝利は凄く大事。次に進めて嬉しいよ」

2019年にCT入りしたデイヴィッドだが、毎年危ないラインで2024年はミッドシーズンカット。CSから這い上がって2025年のCTを戦っているが、シーズン序盤は再び苦戦している。

(ルーキーのマルコ・ミグノー)
PHOTO:© WSL/Laurent Masurel

その他のヒートは全て接戦で、特に2023年に優勝経験があるジョアオ・チアンカ(BRA)が入ったH2はルーキーのマルコ・ミグノー(FRA)がトップで、セス・モニーツ(HAW)が終盤に追い上げて最後の波でジョアオを逆転して2位に滑り込んだ。

「良い波を見つけるのが本当に難しい。形の良いダブルアップが来るんだけど、見逃してしまうことがある。でも、何本か乗れて楽しかったよ。もっと学び、成長したいし、こういうチャレンジが自分を強くする。気持ちを切り替えて、戦士のように飢えた気持ちで戦い抜くつもりだよ」

開幕戦で17位、第2戦で33位とルーキーの洗礼を受けているマルコ。
次のRound of 32ではディフェンディングチャンピオンのグリフィン・コラピント(USA)と対戦する。

なお、最新の波予報では17日の月曜に新しい西ウネリが入り、風は18日の火曜お昼頃まで持つ見込み。
その後は金曜日辺まで風が悪く、厳しいコンディションが続きそうなので、2日間で一気に進めてしまうか、残りのラウンドはウェイティングピリオド後半まで待つ可能性がある。

ネクストコールは現地時間3月17日朝6時50分。
日本時間の同日15時50分。
WSL公式サイト、WSL公式YouTubeでライブ中継が配信予定。

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

PHOTO:© WSL/Laurent Masurel

MEO Rip Curl Pro Portugal Presented By Corona Cero Women’s Elimination Round Results:
HEAT 1: Yolanda Hopkins (POR) 8.50 DEF. Bella Kenworthy (USA) 8.33, Brisa Hennessy (CRC) 5.30
HEAT 2: Luana Silva (BRA) 9.80 DEF. Lakey Peterson (USA) 9.60, Tatiana Weston-Webb (BRA) 8.56

MEO Rip Curl Pro Portugal Presented By Corona Cero Women’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Caroline Marks (USA) 13.24 DEF. Isabella Nichols (AUS) 7.90
HEAT 2: Johanne Defay (FRA) 9.37 DEF. Vahine Fierro (FRA) 9.00
HEAT 3: Molly Picklum (AUS) 11.03 DEF. Luana Silva (BRA) 8.87
HEAT 4: Tyler Wright (AUS) 10.67 DEF. Sally Fitzgibbons (AUS) 6.54
HEAT 5: Caitlin Simmers (USA) 13.24 DEF. Yolanda Hopkins (POR) 8.03
HEAT 6: Erin Brooks (CAN) 13.67 DEF. Lakey Peterson (USA) 10.34
HEAT 7: Bella Kenworthy (USA) 11.33 DEF. Sawyer Lindblad (USA) 8.37
HEAT 8: Gabriela Bryan (HAW) 12.06 DEF. Bettylou Sakura Johnson (HAW) 12.00

MEO Rip Curl Pro Portugal Presented By Corona Cero Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Caroline Marks (USA) vs. Johanne Defay (FRA)
HEAT 2: Molly Picklum (AUS) vs. Tyler Wright (AUS)
HEAT 3: Caitlin Simmers (USA) vs. Erin Brooks (CAN)
HEAT 4: Bella Kenworthy (USA) vs. Gabriela Bryan (HAW)

MEO Rip Curl Pro Portugal Presented By Corona Cero Men’s Elimination Round Results:
HEAT 1: Deivid Silva (BRA) 12.43 DEF. Jake Marshall (USA) 9.73, Frederico Morais (POR) 8.07
HEAT 2: Marco Mignot (FRA) 9.40 DEF. Seth Moniz (HAW) 8.50, Joao Chianca (BRA) 8.37
HEAT 3: Liam O’Brien (AUS) 11.63 DEF. Edgard Groggia (BRA) 11.27, Ian Gouveia (BRA) 6.80
HEAT 4: Samuel Pupo (BRA) 11.50 DEF. Ramzi Boukhiam (MAR) 11.33, George Pittar (AUS) 11.06

MEO Rip Curl Pro Portugal Presented By Corona Cero Men’s Round of 32 Matchups:
HEAT 1: Jack Robinson (AUS) vs. Ian Gentil (HAW)
HEAT 2: Crosby Colapinto (USA) vs. Liam O’Brien (AUS)
HEAT 3: Yago Dora (BRA) vs. Samuel Pupo (BRA)
HEAT 4: Jake Marshall (USA) vs. Imaikalani deVault (HAW)
HEAT 5: Ethan Ewing (AUS) vs. Gatien Delahaye (FRA)
HEAT 6: Connor O’Leary (JPN) vs. Cole Houshmand (USA)
HEAT 7: Filipe Toledo (BRA) vs. Alejo Muniz (BRA)
HEAT 8: Jordy Smith (RSA) vs. Alan Cleland (MEX)
HEAT 9: Italo Ferreira (BRA) vs. Jorgann Couzinet (FRA)
HEAT 10: Ramzi Boukhiam (MAR) vs. Joel Vaughan (AUS)
HEAT 11: Rio Waida (INA) vs. Deivid Silva (BRA)
HEAT 12: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Matthew McGillivray (RSA)
HEAT 13: Griffin Colapinto (USA) vs. Marco Mignot (FRA)
HEAT 14: Miguel Pupo (BRA) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 15: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Jackson Bunch (HAW)
HEAT 16: Barron Mamiya (HAW) vs. Edgard Groggia (BRA)

(黒本人志)

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