(18歳のベラ・ケンワーズィ) PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

もう一人のゴールデンルーキーが活躍!CT第4戦『Surf City El Salvador Pro』4日目

現地時間4月5日、中米エルサルバドルを舞台としたCT第4戦『Surf City El Salvador Pro』は4日連続で進行。

前日と同じ公式3-4ftレンジのサイズ。
朝はクリーンなコンディションでウィンメンズのRound of 16からスタートしたが、風と潮で悪化したH6が最後のヒートになり、残り2ヒートは翌日以降に持ち越しになった。

PHOTO:© WSL/Aaron Hughes
(ヴァヒネはここで敗退) PHOTO:© WSL/Emma Sharon
(最終ヒートで競り勝ったブリッサ、シェイパーのメリックも現地入りしている)
PHOTO:© WSL/Beatriz Ryder

この日行われた6ヒートの内、潮回りで良い波がコンスタントに入ったヒートもあったが、最終ヒートは波数がかなり少なく、チャンスが来る前にゴールデンルーキーのヴァヒネ・フィエロ(FRA)は敗退を喫してしまった。
対戦相手のブリッサ・ヘネシー(CRI)と共にヒートで乗れた波は3本のみ。
エルサルバドルはアブダビのウェーブプールと異なり、自然に左右される戦いになっている。

ブリッサは、「まだ手が震えてる。ほんとにストレスフルなヒートだった。多分、私達はかなり奥までパドルしていたわよね。難しい選択だった。インサイドをキープするか、セットの中でベストじゃないかもしれない波に乗るか。いまだに心拍数が落ち着かない」と話していた。

もう一人のゴールデンルーキー

(ベラ・ケンワーズィ)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

今シーズンのゴールデンルーキーと言えば、ヴァヒネの他、カナダのエリン・ブルックスとルーキーイヤーの前にワイルドカードでCTイベントの優勝経験がある二人だが、この日はサンクレメンテクルーの一員、18歳のベラ・ケンワーズィがエリンとのH4で爆発。
潮回りが良く、二人で合計17本も乗った激しいルーキー対決をベラが制した。

「実は前十字靭帯を断裂したままサーフィンしてるの。100%の状態でサーフィンして大丈夫と医師には言われてるけど、大きなニーブレースがないと海に入ることもできない。それでも、またこうして大会に戻れて海にいられることが嬉しい。凄く楽しいヒートだったし、沢山チャンスがあっ。めっちゃ楽しかったわ!」

(エリン・ブルックス)
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このヒートのハイライトは後半。
プライオリティを持っていたベラが乗らなかった波をエリンが真横でテイクオフ。クリティカルセクションでのターンを繰り返し、ヒートのハイエストとなる7.00をスコアしてトップに立つ。
しかし、エリンはバックアップが4ポイント台と低かったため、僅差で終盤に突入。残り7分を切ってベラがニード5.45のシチュエーションで5.57を返して逆転。更に最後の波でバックアップを上げてエリンを引き離していた。

エラのサーフィンはアグレッシブでスタイリッシュ。そして、プンタ・ロカでフロントサイドの利点を活かし、バリエーション豊か。まだ18歳で完成されてないと考えると今後ワールドタイトルに絡んでくるような選手になる可能性もある。
ライブランキングではエリンに迫る8位まで浮上している。

ケイティがハイエストスコアに並ぶ

(インタビューに答えるケイティ)
PHOTO:© WSL/Emma Sharon

昨年のワールドタイトル獲得の勢いが今年も持続しているケイトリン・シマーズ(USA)はH1でルアーナ・シルヴァ(BRA)と対戦。
フロントサイド対決でルアーナも良いサーフィンを見せていたが、中盤にケイティがビッグセットを手に入れた。ファーストセクションをハイラインで抜け、スピードを貯めてのドライブターン。クローズセクションも攻めたこのライディングに8.17がコールされ、4戦連続のQF進出を決定的にした。

(ハイラインでセクションを抜けて…)
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(ビッグターンの連続で8.17!)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

「ハイラインを走って、楽しんだわ。めっちゃ楽しい時間を過ごしてる。友だちと一緒に過ごせるのが最高よね。コンテストでうまくいく時の一番のご褒美。私にとって一番大事なのは、愛する人たちが側にいてくれること。それがちょっと真剣に取り組むきっかけにもなって、自分のためにもなっている」

8.17は前日のElimination Roundで同じ19歳のソーヤ・リンドブラッド(USA)が出したハイエストと並ぶ数字。
そのソーヤもH2でベテランのレイキー・ピーターソン(USA)を倒し、今シーズン3度目のQF進出を決めた。
QFではこの二人が戦うことになる。

接戦を制したガブリエラとモリー

(ガブリエラ・ブライアン)
PHOTO:© WSL/Emma Sharon

その他、H3ではガブリエラ・ブライアン(HAW)がワイルドカードのアリッサ・スペンサー(USA)、H5でモリー・ピックラム(AUS)がリプレイスメントのキラ・ピンカートン(USA)を共に僅差で倒した。

ガブリエラは昨年のエルサルバドルでキャロライン・マークス(USA)と争って2位になり、今年はリベンジに燃えている。

「本当に過酷だった。20分くらいずっと波待ちしてたんじゃない?しかも、最初にミスしちゃって、そこから流れがどっちに転んでもおかしくなかったし、もし負けてたら本当にダメージが大きかったと思う。最近は冷静さを保つことや、リセットの仕方を練習してきて、それが本当に試されたヒートだった。あの5.70のスコアの波が来て、ちょっと不安定だったけどちゃんと乗り切れて良かったし、とにかくすぐに沖に戻って次に備えなきゃって思った。全てのヒート勝利が美しいわけじゃない。勝ちは勝ちよね」

(モリー・ピックラム)
PHOTO:© WSL/Emma Sharon
PHOTO:© WSL/Emma Sharon

安定した成績でケイティに続くランキング2位と好調のモリーはヒートのハイエストとなる7.17を出し、追い上げてきたキラをかわした。

「キラは簡単な相手じゃなかった。ワイルドカードの選手は本当に手強い。すでにいくつか波乱も起こしてるし、彼女も凄く良いサーファーで、競技者としても優れている。私としては、落ち着くことを心がけた。35分あるから焦らなくていい。5分追加されたのも嬉しかったわ。じっくり波を選べるから。ワクワクするような波に乗って、ちゃんと最後までメイクする。それだけを意識してるの」

ネクストコールは現地時間4月6日の朝5時50分(日本時間の同日20時50分)で13分後にスタート予定。

Surf City El Salvador Pro Women’s Round of 16 Results (Heats 1-6):
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) 12.67 DEF. Luana Silva (BRA) 11.67
HEAT 2: Sawyer Lindblad (USA) 11.97 DEF. Lakey Peterson (USA) 11.47
HEAT 3: Gabriela Bryan (HAW) 9.53 DEF. Alyssa Spencer (USA) 7.00
HEAT 4: Bella Kenworthy (USA) 12.16 DEF. Erin Brooks (CAN) 11.77
HEAT 5: Molly Picklum (AUS) 12.57 DEF. Kirra Pinkerton (USA) 11.53
HEAT 6: Brisa Hennessy (CRC) 8.70 DEF. Vahine Fierro (FRA) 8.50

Surf City El Salvador Pro Remaining Women’s Round of 16 Matchups (Heats 7 – 8):
HEAT 7: Caroline Marks (USA) vs. Isabella Nichols (AUS)
HEAT 8: Tyler Wright (AUS) vs. Bettylou Sakura Johnson (HAW)

Surf City El Salvador Pro Men’s Round of 32 Matchups:
HEAT 1: Yago Dora (BRA) vs. Samuel Pupo (BRA)
HEAT 2: Connor O’Leary (JPN) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 3: Griffin Colapinto (USA) vs. Matthew McGillivray (RSA)
HEAT 4: Rio Waida (INA) vs. Marco Mignot (FRA)
HEAT 5: Ethan Ewing (AUS) vs. Levi Slawson (USA)
HEAT 6: Joao Chianca (BRA) vs. Joel Vaughan (AUS)
HEAT 7: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Crosby Colapinto (USA)
HEAT 8: Jack Robinson (AUS) vs. George Pittar (AUS)
HEAT 9: Italo Ferreira (BRA) vs. Bryan Perez (SLV)
HEAT 10: Ramzi Boukhiam (MAR) vs. Jackson Bunch (HAW)
HEAT 11: Jordy Smith (RSA) vs. Deivid Silva (BRA)
HEAT 12: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Ryan Callinan (AUS)
HEAT 13: Barron Mamiya (HAW) vs. Alejo Muniz (BRA)
HEAT 14: Jake Marshall (USA) vs. Cole Houshmand (USA)
HEAT 15: Miguel Pupo (BRA) vs. Ian Gouveia (BRA)
HEAT 16: Filipe Toledo (BRA) vs. Alan Cleland Jr. (MEX)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(黒本人志)

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