(今シーズン初のQF進出を決めたサクラ) PHOTO:© WSL/Emma Sharon

イザベラとサクラが強敵を倒す!CT第4戦『Surf City El Salvador Pro』5日目

中米エルサルバドルを舞台としたCT第4戦『Surf City El Salvador Pro』はウェイティングピリオド中のコンディションを考慮して小刻みに進行。
1日のオフの後、現地時間4月7日の風が弱い朝の内に2ヒートだけ残っていたウィンメンズのRound of 16を終え、QFを戦うベスト8が揃った。
メンズはRounf of 32で止まっているため、イベント終了までは2日以上を要することになる。

スローヒートを制したイザベラ

(強敵キャロラインを倒したイザベラ)
PHOTO:© WSL/Emma Sharon

大会5日目は公式3-4ftレンジのクリーンなコンディション。
波数が少なく、最初のヒートとなったH7のイザベラ・ニコルス(AUS) vs キャロライン・マークス(USA)のカードは両者共に波に乗れず、リスタートになったほどだった。

ヒート序盤はキャロラインが安定したバックハンドターンでミドルスコアを重ねた一方、イザベラはミスが続いた。
後半、キャロラインもミスが目立つ中、プンタ・ロカでフロントサイドとなるイザベラがクリティカルセクションでのビッグターンの連続で7.17をスコア。更に5.13を重ねてトータル12.30で終わってみれば圧勝だった。

(クオリティは高いが、波数が少なかったプンタ・ロカ)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes
(執念のライドで7.17を得たイザベラ)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes
(エルサルバドルでは初のRound of 16敗退となったキャロライン)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

「ここ数日は本当に辛かった。波に翻弄され、このジャージを着るのもこれで3回目。3度目の正直ってところね。ずっと“やるの?やらないの?”っていう状況で、1ヒートのために気持ちを整える、その繰り返しで感情のジェットコースターに乗ってるみたいだった。今日は20分間波に乗れなくて、最初は足がちゃんと動いてなかったわ。でも最後はなんとか乗り切れた。ちょっと感傷的になっちゃうけど、妹にこの勝利を伝えたい。多分、このヒートに勝ったことで、彼女の結婚式に出られなくなるかもしれない。でも本当に愛してるし、凄く特別な気持ちよ」

エルサルバドルで2022年に3位、2023年、2024年と2年連続で優勝しているキャロラインに対してイザベラは2022年の5位以降、ミッドシーズンカットで出場さえしていなかった。
今年もカットライン下で後半戦進出は危ういため、キャロラインを倒した勢いで少しでもポイントを稼ぎたいところだろう。

今シーズン初のQF進出を決めたサクラ

(攻めの姿勢でQF進出を決めたサクラ)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes

次のヒートはベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW) vs タイラー・ライト(AUS)

10歳以上離れているフロントサイド対決は1本目に6.00を出したサクラがリード。
2本目でも5.50とタイラーのハイスコアを上回り、完勝。
タイラーも良い波に乗って上手くまとめていたが、サクラの方がクリティカルセクションで攻めていたのがスコアに反映されていた。

(タイラー・ライト)
PHOTO:© WSL/Aaron Hughes
PHOTO:© WSL/Emma Sharon

「今朝は海が本当に波数が少なかったので、大きいセットが入ってきた時にしっかり仕掛けるつもりでいたわ。タイラーとの対戦。彼女はワールドチャンピオンだし、簡単には勝てない。だからこのヒートを勝ち上がれたことは本当に嬉しい。ライトのポイントブレイクで、私はフロントハンドが得意なので、相性は良かった。もちろん、1ヒートずつ集中して進んでいきたい。自分にはヒートにもイベントにも勝てる力があるって信じられること。それは特別な感覚。いつかイベントで優勝したい。サポートチームの存在って本当に大事で、今日もヒートを見に来てくれた人たちに感謝している。あの応援があるだけで本当に力になるわ」

開幕戦で優勝してランキング5位のタイラーに対して、3戦連続で9位のサクラはカットライン下の13位。
イザベラ同様に追い込まれており、このエルサルバドル戦は次に3戦続くオーストラリアレッグ前の重要なイベントになる。

QFではイザベラとサクラが対戦する。

ネクストコールは現地時間4月7日の朝6時15分(日本時間の同日21時15分)で18分後にスタート予定。

Surf City El Salvador Pro Women’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) 12.67 DEF. Luana Silva (BRA) 11.67
HEAT 2: Sawyer Lindblad (USA) 11.97 DEF. Lakey Peterson (USA) 11.47
HEAT 3: Gabriela Bryan (HAW) 9.53 DEF. Alyssa Spencer (USA) 7.00
HEAT 4: Bella Kenworthy (USA) 12.16 DEF. Erin Brooks (CAN) 11.77
HEAT 5: Molly Picklum (AUS) 12.57 DEF. Kirra Pinkerton (USA) 11.53
HEAT 6: Brisa Hennessy (CRC) 8.70 DEF. Vahine Fierro (FRA) 8.50
HEAT 7: Isabella Nichols (AUS) 12.30 DEF. Caroline Marks (USA) 9.66
HEAT 8: Bettylou Sakura Johnson (HAW) 11.50 DEF. Tyler Wright (AUS) 9.53

Surf City El Salvador Pro Women’s Quarterfinal Matchups:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) vs. Sawyer Lindblad (USA)
HEAT 2: Gabriela Bryan (HAW) vs. Bella Kenworthy (USA)
HEAT 3: Molly Picklum (AUS) vs. Brisa Hennessy (CRC)
HEAT 4: Isabella Nichols (AUS) vs. Bettylou Sakura Johnson (HAW)

Surf City El Salvador Pro Men’s Round of 32 Matchups:
HEAT 1: Yago Dora (BRA) vs. Samuel Pupo (BRA)
HEAT 2: Connor O’Leary (JPN) vs. Seth Moniz (HAW)
HEAT 3: Griffin Colapinto (USA) vs. Matthew McGillivray (RSA)
HEAT 4: Rio Waida (INA) vs. Marco Mignot (FRA)
HEAT 5: Ethan Ewing (AUS) vs. Levi Slawson (USA)
HEAT 6: Joao Chianca (BRA) vs. Joel Vaughan (AUS)
HEAT 7: Kanoa Igarashi (JPN) vs. Crosby Colapinto (USA)
HEAT 8: Jack Robinson (AUS) vs. George Pittar (AUS)
HEAT 9: Italo Ferreira (BRA) vs. Bryan Perez (SLV)
HEAT 10: Ramzi Boukhiam (MAR) vs. Jackson Bunch (HAW)
HEAT 11: Jordy Smith (RSA) vs. Deivid Silva (BRA)
HEAT 12: Leonardo Fioravanti (ITA) vs. Ryan Callinan (AUS)
HEAT 13: Barron Mamiya (HAW) vs. Alejo Muniz (BRA)
HEAT 14: Jake Marshall (USA) vs. Cole Houshmand (USA)
HEAT 15: Miguel Pupo (BRA) vs. Ian Gouveia (BRA)
HEAT 16: Filipe Toledo (BRA) vs. Alan Cleland Jr. (MEX)

WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/

(黒本人志)

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