途中レイデイはあったものの、ウェイティングピリオド初日から最終日まで使う長丁場になった中米エルサルバドルを舞台としたCT第4戦『Surf City El Salvador Pro』は現地時間4月11日に7日目を迎え、メンズはRound of 16とQF、ウィメンズはQFまで進行してファイナルデイを戦うベスト4が揃った。
この日のプンタ・ロカは前日に入った南南西ウネリが更に強まり、公式6-8ftレンジとここまでで最も大きなサイズ。早い時間帯はオフショアでパーフェクトなJ-Bay、ベルズのようなコンディションになり、ハイスコアも出る見応えある争いとなった。
ガブリエラのパワーサーフィンが爆発

PHOTO:© WSL/Emma Sharon
ウィメンズサイドではランキング1位と2位のケイトリン・シマーズ(USA)、モリー・ピックラム(AUS)の他、5位のガブリエラ・ブライアン(HAW)、12位とカットライン下にいるイザベラ・ニコルス(AUS)がQFを勝ち上がり、ベスト4入りを果たした。
ライブランキングではガブリエラが3位、イザベラがカットライン上の9位まで浮上している。
この日のハイエストスコアはH2でベラ・ケンワーズィ(USA)と戦ったガブリエラの9.23。ビッグカービングの連続で最後には改心のアピールも出て、メンズを含めても初の9ポイント台をマークした。
Round of 16でエリン・ブルックス(CAN)を倒したベラも引けを取らず、7.17に8.50を重ね、注目のルーキーとして存在感を見せていた。

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「あの波は人生で最高のプレゼントみたいだった。1本目の波も悪くなかったけど、その後ろにもう1本あるのが見えて、待って正解だったわ。1本目を越えた瞬間に、“これは完璧なラインだ”って分かったの。最初のセクションで最大のカービングをしようって決めてたから、それをやり切れて本当に嬉しかった。観客がみんな盛り上がってて、コナーとレオも両手を挙げてくれた。めっちゃ感動したわ。もちろんジャッジにアピールすることも大事だけど、私は見ているみんなに向けてパフォーマンスを見せたいし、自分のサーフィンを世界中に届けたいの」
今シーズンはコナー・オレアリー(JPN)、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)と同じドッグことリチャード・マーシュのコーチの元で戦っているガブリエラ。
チームドッグで唯一残った選手として応援も白熱していた。

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今季3度目のSF進出を決めたケイティ

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H1ではイエロージャージを着るケイトリン・シマーズ(USA)が親友のソーヤ・リンドブラッド(USA)に対してスタイリッシュなライドを披露。7.57とヒートのハイスコアと最後に6.77とバックアップを伸ばして今季3度目のSF進出を決めた。
「ソーヤーとサーフィンできるのは嬉しい。私たちは一緒に育ってきたようなものなので、波が豊富にある中で一緒にヒートできるのは理想的な展開だった。クリーンな波を探し、最終的に上手くいったわ。ソーヤーに勝つには良いサーフィンをしなきゃいけないので、それができて良かった。このポイントは岩場を飛び越えて入る危険があるので、常に練習はしてはいない。周辺にある色々な場所でサーフィンしているわ」
その他、ランキング2位のモリーはブリッサ・ヘネシー(CRI)とのスローヒートを制し、イザベラはベティルー・サクラ・ジョンソン(HAW)を倒して今季初のSF進出を決めた。
前のヒートのインタビューでも話していたが、イザベラは今回勝ち上がったことで双子の姉妹ヘレナの結婚式に間に合わず、アスリートとしての犠牲を払うことになった。

イタロを封じたジョーディ

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メンズサイドはランキング上位の選手が敗退する波乱含みの展開が続き、あれだけ勢いがあったイタロ・フェレイラ(BRA)はQFで失速してジョーディ・スミス(RSA)に敗れた。
ポルトガル戦で優勝してランキング4位のヤゴ・ドラ(BRA)もQFでマシュー・マクギリヴレイ(RSA)に抑えられ、ランキング3位のイーサン・ユーイング(AUS)はクロスビー・コラピント(USA)に敗退。
その他、クロスビーと同じサンクレメンテクルーのコール・ハウシュマンド(USA)がミゲル・プーポ(BRA)に圧勝。
ファイナルデイにブラジリアンが一人も残らなかったのも珍しい。


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イタロとのH3を勝ち上がり、昨年のブラジル戦以来のSF進出を決めたジョーディは、「最初、間違ったジャージを着て出ちゃったんだ。ヒート序盤はイタロを少し抑え込もうと思ったんだけど、彼が5点台をスコアして、自分はアウトの奥でプライオリティを持って待つ形になった。8.67からスタートできた。今日のような不安定なスウェルの中ではビッグスコアを出すことが何よりプレッシャーになると分かってたから、それが勝負の鍵になったと思うよ」とコメント。
ジョーディの8.67はヒート最大のセットで形も良く、大柄なジョーディのマニューバーが冴えた1本だった。
ジョーディは、ライブランキングで4つ上げて8位まで浮上。
イタロのトップは変わらずとなっている。
なお、メンズはすでにミッドシーズンカットをクリアした選手が発表され、イタロ、イーサン、ヤゴがシーズン後半戦出場を確定させた。
マシューがカットライン上に浮上

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ベスト4に残った選手の中で最もランキングが低く、カットライン下の27位だったマシューもバックハンドのブラジリアンであるヤゴを相手にフロントサイドの利点を活かしてプンタ・ロカのフェイスに大きな弧を描いていた。
「勝ち上がれて本当に嬉しい。ヤゴ・ドラはサーフィンキャリアを通じてずっと憧れてきたサーファーで、彼と同じヒートでサーフィンできたのは本当に特別だった。ハイタイドで少しスローな展開だったので、波を選ぶ目を持つことが本当に重要だったね。今日は海のリズムに上手く乗れたと思うよ」
開幕から3戦続けて17位だったマシューは今季初のSF進出でカットライン上のランキング14位まで浮上。
マシューは昨年のエルサルバドルでもSF進出の3位でフィニッシュしており、相性の良い場所。
まだ勝ち上がってポイントを稼ぐ可能性もあり、少し余裕を持ってオーストラリアレッグに向かうことになる。
ネクストコールは現地時間4月12日の朝6時45分(日本時間の同日21時45分)で18分後にスタート予定。

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Surf City El Salvador Pro Men’s Round of 16 Results:
HEAT 1: Yago Dora (BRA) 13.17 DEF. Connor O’Leary (JPN) 8.84
HEAT 2: Matthew McGillivray (RSA) 12.33 DEF. Marco Mignot (FRA) 9.17
HEAT 3: Ethan Ewing (AUS) 14.76 DEF. Joao Chianca (BRA) 9.33
HEAT 4: Crosby Colapinto (USA) 13.00 DEF. George Pittar (AUS) 11.50
HEAT 5: Italo Ferreira (BRA) 14.26 DEF. Ramzi Boukhiam (MAR) 10.76
HEAT 6: Jordy Smith (RSA) 14.93 DEF. Leonardo Fioravanti (ITA) 14.33
HEAT 7: Cole Houshmand (USA) 14.33 DEF. Alejo Muniz (BRA) 14.33
HEAT 8: Miguel Pupo (BRA) 15.33 DEF. Alan Cleland (MEX) 10.83
Surf City El Salvador Pro Men’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Matthew McGillivray (RSA) 12.60 DEF. Yago Dora (BRA) 11.00
HEAT 2: Crosby Colapinto (USA) 14.43 DEF. Ethan Ewing (AUS) 11.47
HEAT 3: Jordy Smith (RSA) 13.90 DEF. Italo Ferreira (BRA) 9.77
HEAT 4: Cole Houshmand (USA) 11.50 DEF. Miguel Pupo (BRA) 5.97
Surf City El Salvador Pro Men’s Semifinal Matchups:
HEAT 1: Matthew McGillivray (RSA) vs. Crosby Colapinto (USA)
HEAT 2: Jordy Smith (RSA) vs. Cole Houshmand (USA)
Surf City El Salvador Pro Women’s Quarterfinal Results:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) 14.34 DEF. Sawyer Lindblad (USA) 12.90
HEAT 2: Gabriela Bryan (HAW) 17.40 DEF. Bella Kenworthy (USA) 15.67
HEAT 3: Molly Picklum (AUS) 12.34 DEF. Brisa Hennessy (CRC) 10.26
HEAT 4: Isabella Nichols (AUS) 13.77 DEF. Bettylou Sakura Johnson (HAW) 11.33
Surf City El Salvador Pro Women’s Semifinal Matchups:
HEAT 1: Caitlin Simmers (USA) vs. Gabriela Bryan (HAW)
HEAT 2: Molly Picklum (AUS) vs. Isabella Nichols (AUS)
WSL公式サイト
http://www.worldsurfleague.com/
(黒本人志)