(吉川広夏) Photo: ISA/Pablo Jimenez

日本代表が全てR3進出!『ISA World Longboard Championship』3日目

現地時間4月27日、エルサルバドルで開催中の『ISA World Longboard Championship』は3日目を迎え、ウィメンズのR1の残りヒートの後、メンズのR2、ウィメンズのR2が進行。
通常でもロングボードにはハード気味のコンディションが多いエル・スンザルだが、この日は最大8ftのセットが入り、波打ち際にいると危険を感じるほどだった。

まだ敗者復活戦のリパチャージラウンドが行われていないため、国別ランキングは横並びだが、メインラウンドを全て勝ち上がっているのは、44か国の内、日本、ブラジル、フランス、フィリピンのみ。

大会4日目はリパチャージラウンドが一気に進むため、ランキングも明確になってくるだろう。

日本代表は全てR3進出

(森大騎)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

昨年、団体総合銀メダルを獲得した日本代表は、今年もここまで絶好調。

この日行われたヒート、まずメンズサイドのR2ではH3で森大騎がコスタリカ代表のドリアン・トレスと共に2位通過。
H6の井上鷹はR1同様にトップ通過を果たした。

Photo: ISA/Jersson Barboza
(井上鷹)
Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Jersson Barboza

ウィメンズはR1のH16で吉川広夏が7ポイント2本の圧倒的な強さでラウンドアップ。

「ここに来るのは3度目になります。日本は常に波が小さいので、大きな波を練習するためにオーストラリアとバリに行っています。アウトでは大きなセットを狙っています。2本目はメイクできませんでした。最後の波は少し小さかったけど、形は凄い良かったです。今日は風もないし、長い波。完璧なコンディションです。日本から応援してくださっている皆さんありがとうございます。今日は日本人選手全て出場で、私も最後のヒートにクレジットされていると思うので、引き続き応援お願いします」

(吉川広夏)
Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Jersson Barboza

R2のH5では田岡なつみがアメリカのレイチェル・ティリーとトップ争いを繰り広げ、ハードなドロップから上手くボードをコントロールしてノーズライドを入れながらスコアを出し、R2で最も高いトータル14.16でトップ通過。まさに荒れ狂う馬をしなやかに鍛えられた体幹で抑え込むようなサーフィンだった。

「私も身体も大丈夫です。ただ楽しんでやっています。レイチェルは強い相手だし、いつも調子良い。だから、ベストを尽くしました。このコンディションだと波のセレクトが重要なので、良い波を探していました。明日の休みはフリーサーフィンして明後日に備えたいです」

H9の吉川広夏は6ポイントを2本重ね、オーストラリアタリー・ホワイトと共に2位通過。
両者共にLT選手が入ったヒートをクリアした。

(田岡なつみ)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

R3からは特にメンズサイドでシビアになり、森大騎はH2でフィリピンのロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル、ブラジルのジェフソン・シルヴァなど。
井上鷹はH5でアメリカのケヴィン・スカヴァーナ、フランスのエドゥアルド・デルペーロなどの強豪と重なる。

WLCでも台頭してきたフィリピン

(14歳のマラ・ロペス)
Photo: ISA/Pablo Jimenez

現在のアジアのロングボードで最も強い選手、ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェルを始め、多くの素晴らしいロガーを輩出しているフィリピン。
特にメンズの選手が際立っていたが、ウィメンズも層が厚く、WLC初出場のマラ・ロペスがR1のH15で7ポイント台2本の15.43を出して注目を集めていた。
パワフルなエル・スンザルの波に簡単に弾き飛ばれてしまう選手も多かった中、まだ14歳の彼女は明らかに他よりも小さく、波はトリプルサイズはあるように見えた。
その巨大な波を恐れずにクリティカルセクションでのノーズライドをこれでもかと長く引っ張り、7ポイント台2本の15.43を出して注目を集めていた。

Photo: ISA/Jersson Barboza
Photo: ISA/Pablo Franco

また、LTでの経験を活かしてチームの中心人物になっているロジェリオは前日のエドゥアルド・デルペーロのスコアには届かなかったが、8.33を含むトータル16.33と大会3日目のハイエストを出してR2のH2を圧勝。
チームメイトのマラ・ロペス、デイジー・バルデスもR3進出を決めている。

「すでに7点台を2本持っていたので、もっと攻めてエクセレントスコアを狙おうと思った。結果8.83が出たので、本当に嬉しい。これからも集中して、他のヒートを見ながらスコアリングや波の入り方、どの波がベストかを学びたいね。あとはチームで楽しみながら、次のヒートもサポートしていきたい」

(ロジェリオ・Jr・エスクイエヴェル) Photo: ISA/Pablo Jimenez
(フィリピン代表) Photo: ISA/Pablo Franco

ベテランと若手を揃えたブラジル

(42歳のロドリゴ・スファイアー) Photo: ISA/Pablo Franco

メインラウンドを全て勝ち上がっている国の一つ、ブラジルはメンズが42歳のロドリゴ・スファイアーと38歳のジェフソン・シルヴァ。
ロドリゴは2010年大会の金メダリストでもある大ベテランだ。
一方、ウィメンズは20歳のルアナ・ソアレスと27歳のケイト・ブランディとまだ層が薄いブラジリアンロングボーダーの若手を揃えた。
若い二人にとってエルサルバドルでの経験は大きな価値があるだろう。

R2ではロドリゴがハイスコアを量産しているフランスのエドゥアルド・デルペーロを前にH11で2位通過となったが、ジェフソンはR2のH2で8.33を含むトータル15.66を揃えてトップ通過を果たしている。

(ジェフソン・シルヴァ) Photo: ISA/Pablo Jimenez
(ジェフソン・シルヴァ) Photo: ISA/Pablo Jimenez

「次のラウンドに進めたし、自分のヒートで良いスコアを出せたことにとても満足しているよ。最初のスコアが8.33と聞いたとき、”よし、もう一本決めにいこう “と思ったんだ。波が来たら、自分を更にに高めて、良いターンやハングファイブ、テンを決めることだけを考えている。国のため、チーム全体のためにここにいる。みんなで団結して、とても強いチームさ」

ウィメンズはルアナがH8をトップ通過、ケイトはH4を2位通過。
両者共にR3では日本人選手とのカードに重なる。

(20歳のルアナ・ソアレス) Photo: ISA/Pablo Franco

コンテスト4日目の4月28日は朝7時(日本時間同日の22時)にウィメンズのリパチャージR1からスタート。
メインラウンドは行われず、メンズ、ウィメンズ共にリパチャージR2まで一気に進行する予定。

ISA公式サイト:https://www.isasurf.org/

(染谷たかし)

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