PHOTO: ISA / Ben Reed

見どころ徹底解説!『2018 ISA 世界ジュニアサーフィン選手権』-開催概要・日本代表・歴代チャンピオン-

10月27日(土)に、カリフォルニア・ハンティントンビーチで開幕する『2018 VISSLA ISAワールドジュニアサーフィンチャンピオンシップ(通称:ISA世界ジュニアサーフィン選手権)』

1980年のISA(国際サーフィン連盟)ジュニア部門発足以来、数々のスター選手を輩出してきた。例えば、ISAジュニアの初代チャンピオンは伝説のサーファー、トム・カレン。

他にも、歴代優勝者にはガブリエル・メディナやステファニー・ギルモアなどがおり、のちのWSLワールドチャンピオンも誕生した。ISAはアマチュアサーフィンの団体であるが、プロ団体であるWSLのCTサーファーの多くが、このISAジュニアを通り抜けてきた。
現在、唯一日本籍でCT参戦している五十嵐カノアも、2011年、2012年、2014年大会に出場経験がある。

新たなサーフスターが誕生する可能性も大いにある本大会の見どころを徹底解説。

▼目次
1.開催概要
2.スケジュール
3.日本代表選手
4.ライバル国と注目選手
5.歴代チャンピオン
6.パレード・開会式・アロハカップ
7.試合形式と国別ランキング
8.大会の様子はライブ配信で

大会開催概要

10月27日(土)から11月4日(日)までの8日間にわたり、カリフォルニアのハンティントンビーチで開催される、18歳以下の世界一を争うジュニアの世界選手権。男女それぞれU18、U16のクラスが設定されている。

今年の参加国数は44カ国となる見込みで、2017年大会(宮崎・お倉ヶ浜開催)の41カ国に続き、2年連続で参加国数の過去最高記録を更新。今年は中国が初出場する。

また、「2018 ISAワールドサーフィンゲームス」に引き続き、このジュニア大会でも出場枠数が男女平等に。U16/U18のクラスごとに、1カ国あたり最大男女各3名が出場可能。これにより、今年の女子参加者数は、過去最高記録の2016年104名を大幅に上回る154名がエントリーしている。

■名称
2018 VISSLA ISA World Junior Surfing Championship
■主催
国際サーフィン連盟(ISA)
■期間
2018年10月27日(土)~11月4日(日)
■開催地
アメリカ・ハンティントンビーチピア南側
■参加国/参加者数
44カ国/362名
■公式サイト
http://isasurf.org/juniors/2018/en/


スケジュール

大会初日には、ISA大会の見どころの一つでもあるオープニングセレモニーが行われる。また、大会期間中、現地では競技だけでなく、ビーチクリーン・映画上映会・音楽ライブ・ハロウィーンパーティーなど、一般参加可能な催しが多数予定されている。

■10/27(土)10:00~12:30[日本時間 翌3:00~5:30]
オープニングセレモニー
■10/27(土)15:00~[日本時間 翌8:00~]
競技開始
■10/28(日)~11/4(日)7:30~17:00[日本時間 翌0:30~10:00]
競技
■11/4(日)競技終了後
クロージングセレモニー
※スケジュールは変更となる可能性があります。

》最新スケジュール(ISA公式サイト)


日本代表選手

日本代表「波乗りジャパン」には、2017年大会(宮崎・お倉ヶ浜)のU16で日本人初の金メダル獲得を果たした安室丈、同クラスで銅メダルを獲得した上山キアヌ久里朱、国内外で実績を残している川合美乃里松田詩野など、頼もしい12名が選出されている。

■U18 Boys
安室 丈/上山 キアヌ 久里朱/森 友二
■U16 Boys
伊東 李安琉/金沢 呂偉/平原 颯馬
■U18 Girls
川合 美乃里/西元 ジュリ/野中 美波
■U16 Girls
中塩 佳那/松田 誌野/脇田 紗良

2017年大会の結果(宮崎県日向市開催)
団体順位:3位
U18 Boys:
9位 三輪紘也/13位 小笠原由織/25位 大音凛太/25位 西優司
U16 Boys:1位 安室丈/3位 上山キアヌ久里朱/8位 鈴木仁/17位 伊東李安琉
U18 Girls:6位 川合美乃里/33位 加藤里菜
U16 Girls:7位 野中美波/9位 中塩佳那
アロハカップ:1位

ライバル国と注目選手

■2017年団体金・アメリカ

2017年大会で団体優勝したアメリカは、昨年の出場選手12名のうち7名が今年も参戦。なかでも、2017年大会の女子U16優勝者のアリッサ・スペンサーと、男子U16銀メダリストで日本人の両親をもつタロウ・ワタナベは、優勝候補の筆頭。

今年9月の「2018 ISAワールドサーフィンゲームス」で大人顔負けのサーフィンを見せた12歳のケイトリン・シマーズにも要注目だ。

アリッサ・スペンサー Photo: ISA / Sean Evans

ケイトリン・シマーズ(12歳)Photo:ISA

タロウ・ワタナベ(2018 ISAワールドサーフィンゲームスにて) Photo: THE SURF NEWS

■2017年団体銀・ハワイ

2018ISAワールドサーフィンゲームスでは、ハワイがアメリカと一緒になったためUSA代表として出場し、女子4位と好成績を残したサマー・マセドは優勝候補。2015年ジュニア大会の優勝者でもある。他にも、2018年ISAWSGや2017年ジュニア大会出場経験者も多く参戦予定だ。

サマー・マセド(2018 ISAワールドサーフィンゲームスにて) PHOTO: ISA / Sean Evans

■そのほか

昨年団体4位のオーストラリアは、豪国内で活躍中のニューフェイスが多く、2020年以降を見据えた戦略か。それに対して、昨年団体5位だったフランスは、昨年出場者のうち6名が今年も参戦予定。

今年サーフランチでのイベント「Founders’ Cup of Surfing」に出場したTainá Hinckel(ブラジル)や、今年9月に愛知県田原市で開催された「2018 ISAワールドサーフィンゲームス」に出場したZoe Steyn(南アフリカ)・Nadia Erostarbe(スペイン)にも注目。

フルメンバーはISA公式サイトで確認可能。


歴代チャンピオン

ISAワールドジュニアチャンピオンシップの歴代優勝者には、以下のCTサーファーが多くいる。他にも、日本人では2013年2014年に前田マヒナ(当時はHAW)、2017年に安室丈が優勝している。

WSL CTサーファーになった歴代ISAジュニアチャンピオン

1980年 トム・カレン(USA)
2003年 ジョーディ・スミス(RSA)
2004年 マット・ウィルキンソン(AUS)
       ステファニー・ギルモア(AUS)
2005年 ステファニー・ギルモア(AUS)
2006年 ジュリアン・ウィルソン(AUS)
       オーウェン・ライト(AUS)
2007年 サリー・フィッツギボンズ(AUS)
2008年 アレホ・ムニーツ(BRA)
       ローラ・エネヴァー(AUS) 
2009年 タイラー・ライト(AUS) 
2010年 ガブリエル・メディナ(BRA)
       タイラー・ライト(AUS) 
    
2011年 フィリッペ・トレド(BRA)
2013年 タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)
2014年 タティアナ・ウェストン・ウェブ(HAW)
2015年 レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)
2016年 キャロライン・マークス(USA)


ISAならではのイベント:パレード・開幕式・アロハカップ

■パレード・開幕式

大会初日の27日(土)には、各国の選手団がマーチングバンドとともに行進する「パレード・オブ・ネイションズ」や開幕式(オープニングセレモニー)が行われる。様々な国の選手が一同に国旗を掲げる光景は、国境も宗教も人種も越えサーフィンを愛する人々が一つの場所に集まっていることを実感する感動的な瞬間だ。

「2018 ISAワールドサーフィンゲームス」開幕式の様子(愛知県田原市) Photo: (c)THE SURF NEWS

パレードでは民族衣装をまとったりダンスをしながら行進する国もあり、見ているだけで楽しい。開幕式では、各国の選手がそれぞれ自国から持ち寄った海の砂を一つの箱におさめる「サンド・オブ・ワールド・セレモニー」という儀式が行われる。

パレードでのセネガル代表選手(2018 ISAワールドサーフィンゲームスにて) Photo: (c)THE SURF NEWS

サンド・オブ・ワールド・セレモニーの様子(2017 ISAワールドジュニアチャンピオンシップにて) Photo:ISA

■団体リレー「アロハカップ」

各国の代表選手がリレー形式で演技を行う団体戦のスペシャルティイベント「Aloha Cup(アロハカップ)」。一人が最大3本の波に乗って、基地となるテントまで戻り、次の選手にバトンタッチするルール。

チームメンバー同士で団結して戦う姿は、他のサーフィンの試合では見られない面白い光景だ。アロハカップでは、個人戦にはないようなピースフルな雰囲気に包まれるため、別名「フレンドリーマッチ」とも呼ばれる。

2017年大会で、日本は堂々の1位となり、金メダルを獲得した。

2017年大会のアロハカップで日本勝利の瞬間。最後に走り抜いて倒れる安室丈。 Photo:ISA


試合形式と国別ランキング

■試合形式はリパチャージ方式を採用

細かなヒート組みは、全エントリー〆切後、コンテストディレクターによって決められるが、概要は以下の通り。

・ダブル・エリミネーション方式 本戦とリパチャージ[敗者復活戦]
・ダブルバンク(2会場)での開催
・原則、各ヒート最大4名ずつ(ラウンド1とリパチャージは状況に応じて5名になる場合もあり)
・各ヒートは15~30分。
・本戦はRound1からRound5、セミファイナル、ファイナルと、全7ラウンド。
・各ラウンドで半数が上位ラウンドに進み、残りがリパチャージに進む。
・グランドファイナルでは、本戦の上位2名と、リパチャージの上位2名が戦う。

■国別ランク

各選手には進んだラウンドに応じて、0~1000ポイントが割り振られる。各国に所属する全選手のポイント合計点で、国ランクが決まる。(Aloha Cupの結果は含まれない)

詳細は、ISA公式ルールブック(英語)で確認できる。


大会の様子はライブ配信で

「2018 VISSLA ISAワールドジュニアサーフィンチャンピオンシップ」の様子は、以下のISA公式サイトからライブ配信やリアルタイムスコアを確認できる。また、ISA公式Facebookでもライブ中継を配信予定。

カリフォルニア現地と日本の時差は17時間。競技は日本時間の深夜0:30~午前10:00に行われる。リアルタイムでの閲覧が難しい場合も、結果表やデイリーハイライト動画が更新される予定なので要チェック。

▼ライブ中継・ヒート表・結果一覧

(THE SURF NEWS編集部)

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