ステファニー・ギルモアの7度目のワールドタイトルに貢献したジェイク・パターソンにインタビュー

マウイ島・ホノルアベイでの最終戦『Beachwaver Maui Pro』でレイン・ビーチェリーに並ぶ7度目のワールドタイトルを獲得したステファニー・ギルモア。

彼女のコーチを五十嵐カノアを始め、グリフィン・コラピント、エゼキエル・ラウ、レオナルド・フィオラヴァンティ、ラムジ・バークヒアムなどを率いるスネークことジェイク・パターソンが務めていることはご存知だろうか?

トリプルクラウン開催中のオアフ島からマウイ島に移動したスネークはステファニーのタイトルの瞬間にも立ち会っていた。
その直後にABC Newsのアンソニー・パンチャがマイクを向けた。

■おめでとう!今の心境は?

最高だね。
私達はワールドタイトルを獲得するという究極の目標達成のために一年間戦ってきたんだ。
私達が取り組んできたこと。それが今日実現したよ。
ワールドタイトル獲得、自分はチェーンのほんの一部に過ぎないけど、最高の気分さ。

■ステファニーが最終戦に挑んだ時の考え方について話すことが出来る?
その前のイベントから1ヶ月以上と大分期間が空いてしまったけど、彼女を集中させるために何かしたの?

彼女はこの波が大好きだから、特に何もしなかった。
それに彼女は過去に良い結果を重ねているし、実際にディフェンディングチャンピオンでもある。
彼女のサーフボードが合っているか確認した程度だったね。
そのサーフボードも問題なかったし、波の選び方も正しいと確認していたよ。
難しい波でもあるからね。全ての危険性を想定してクリアにしていったのさ。
彼女の才能の全てを活かせるようにね。

■ステファニーのコーチはどのくらいやっているの?

2年間。

勝利の担ぎ役もスネークの仕事の内

PHOTO:© WSL/Cestari

■何年に渡ってどんな戦略を練ったの?
実際に彼女を助けることができたと思う?

例えば、レースで最高の馬が走っている時、準備を確認するだけでコーチするのは簡単なことだと思う。
彼女の場合、サーフボードや考え方など私達が制御可能なものは全て完璧にしてきた。
あとは母なる自然がヒートで彼女に2つの波を届け、その波で十分な仕事、パフォーマンスをするのを待つだけさ。

ヒートでは正しい場所で待つことや、正しい波に乗ることを確認する。それは子供達に教える時と同じ。
何人かの選手は本当に強い。彼女がその選手達に勝つのに十分な自信を持っていることも確認するよ。

■ステファニーは8度目のワールドタイトルを狙うのかな?
それとも、まだこの瞬間を味わいたいと言っていた?

まだ彼女は数時間前にタイトルを獲得したばかりだから、今の気持ちは分からない。
あと数年はツアーを回ると言っていたので、急いではいないだろうね。

■これはちょっとした私の好奇心なんだけど、コンペティターの視点からすると最終戦でタイトルが決まることよりもベターなことってあるの?
確かにファイナル前にタイトルを獲得したことは本当に素晴らしいと感じたけど、最終戦で優勝するのが一番では?

彼女は優勝したいと確実に思っている。
イベントで優勝してタイトルを獲得した方が良いだろうけど、ワールドタイトルを獲得するにはかなりの努力が必要なんだ。
勝負はこのイベントだけではない、一年続く訳だからね。
今年は彼女にとって素晴らしいシーズンだった。
3イベントで優勝、2位が2度。彼女は本当に本当に強かった。
彼女とワールドタイトルを争った選手は僅か一人だったしね。
そうだね、もし明日彼女が優勝すれば、素晴らしいだろうね

7度目のワールドタイトル 全てが報われた瞬間

PHOTO:© WSL/Sloane

■ワールドタイトル獲得の興奮が過ぎ去り、彼女は自分自身のことに集中するのが難しいのでは?

少しね。
彼女はお祝いのためにシャンパンが入ったグラスを持っていたし、少し集中力を無くしていた。
でも、最後はいくつかの良いチューブライドをして釘付けにしていたよ。
明日のQFにも残ったしね。

■あなたがコーチした中で初のワールドチャンピオン?

その通り。

■個人的にどんな気分だった?

目指していたことが達成して自分がタイトルを獲得したような気分だった。
自分は11年間ツアーを回り、数回はタイトルレースにも絡んだこともあるけど、本当に惜しかったことはなかったよ。
2回、ランキング5位になっただけで、最高の結果を出したことはない。
だから、少しでもワールドタイトルに関わったことで、自分も勝ったような気分さ。
ずっと自分も戦っていた感じだから、凄い疲れた。
でも、本当に嬉しいよ

■これからサーフボードを持ってJawsに向かう予定は?(この日は『Jaws Challenge』が開催され、ウネリが大き過ぎて中断された)

絶対にないね(笑)
だって波が大き過ぎてコンテストがオフになったんだ。
あの場所でそんなこと前代未聞だよね。
今、ハワイに入っているウネリは本当に巨大なんだ。

■このイベントが終わった後はカノアや他の選手達のためにパイプラインのコンテストに戻るの?

いや、その前にサンセットビーチでのコンテストがある。
今日は大き過ぎるし、明日もそうかも。
明日にはオアフ島のノースショアに戻り、サンセットのイベントに向かうよ。
彼らのコーチをしてその後にパイプライン。
結構大変なんだけど、予定が詰め込まれているから、一石二鳥でもあるんだ。

■あなたはサンセットビーチ、パイプラインでの優勝経験があるし、みんなが信頼しているでしょう。
おめでとう!ジェイク、良くやったね。

ありがとう。
アンソニー。

参考記事
Jake Paterson on coaching Steph Gilmore

(空海)

blank

「国内外サーフィン界の最新トレンド・ニュースを読み解く」をコンセプトに、最新サーフィンニュースをお届けします。

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等を禁じます。