毎年年初に開催される世界一のジュニアを決めるWSLイベント『Jeep World Junior Championship』、通称「WJC」が1月4日〜14日にオーストラリア・ニューサウスウェールズ州のシドニー南部、カイアマで行われる。
2年連続で「WJC」開催地に選ばれたカイアマはシドニーから車で約2時間南下した美しい景色と海岸線を持つスモールタウン。
「WJC」はCTの登竜門とも言われ、過去にアンディ・アイアンズ、ジョエル・パーキンソン、エイドリアーノ・デ・ソウザ、ジョーディ・スミス、ジャック・フリーストーン、ガブリエル・メディナとそうそうたるメンバーがタイトルを獲得。
昨年はイーサン・ユーイング(AUS)、グリフィン・コラピント(USA)がファイナルを争い、イーサンが優勝。
イーサンは2017年のCTルーキー、グリフィンは2017年のQSランキング1位とトリプルクラウンを獲得とその活躍はWSLファンなら御存知の通り。
参加する選手は18歳以下。
アフリカ、オーストラリア・オセアニア、ヨーロッパ、アジア、ハワイ・タヒチ、ノースアメリカ、サウスアメリカと7つのリージョナルのトップ4。
ウィメンズはトップ2。
その他、8名のWSLのワイルドカードが参加する。
今回はWSLが注目する5名のジュニアを紹介。
■リーフ・ヘイゼルウッド
オーストラリア・サンシャインコースト出身。
2017年のジュニアで3勝。
オーストラリア・オセアニアのリージョナルチャンピオンに輝いている。
オーウェン・ライト、ルーク・イーガンのようなパワフルでスタイリッシュなサーフィンを伝承するグーフィーフッター。
「ジュニアのリージョナルで勝つことが出来てストークしている。目標を達成出来て最高の気分さ。ジュニアではQSとその先の素晴らしい準備になった。本当に嬉しいよ」
■マテウス・ハーディ
ブラジリアンの元CTサーファー、ギルヘルム・ハーディの甥。
2017年のジュニアで3勝、サウスアメリカのリージョナルチャンピオン。
QSにも積極的に参加してすでに2桁のランキング。
レギュラーフッターの彼はブラジリアンらしくエアーゲームに強い。
■バロン・マミヤ
ハワイ・タヒチのリージョナルチャンピオンの他、同リージョナルのQSで2位。
更に2017年のトリプルクラウンでは17歳ながらサンセットビーチの『Vans World Cup』で5位に入り、トリプルクラウンのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得。
ホームのノースショアと違うオーストラリアのビーチブレイクをどのように克服するのかに注目が集まる。
■ライランド・ルーベンス
カリフォルニアのビーチを象徴するピアがトレードマークのサンディエゴ、オーシャンサイド出身。
2017年のジュニアではフロリダの『Ron Jon Vans Junior Pro』で優勝してカレントリーダーとなり、ノースアメリカのリージョナルチャンピオンを獲得。
「2017年は素晴らしい年だった。浮き沈みがあったけど、ジュニアではリードを保ってタイトルを獲得出来たからね。長い期間リードを保って最後まで勝てたことに満足している。それは短距離ではく、長距離のマラソンみたいだと学んだのさ。速過ぎてもダメだし、遅過ぎてもダメなんだ」
■ジェイク・エルキントン
マックスと共に南アフリカのジュニアをリードしたエルキントン兄弟の兄、ジェイク。
2017年は3勝を上げてジュニアのチャンピオンになった。
QSでは300位台だが、ハイグレードのシード権を得た2018年は一気にランキングを上げてくるだろう。
弟のマックスもリージョナル4位で選ばれている。
「2017年はジュニアとして最後の一年。それがキャリア最高のシーズンになった。今まで優勝したことが無かったジュニアで3度も優勝出来たんだ。これは大きな自信になったよ」
■ハワイ
今年最もタイトル獲得が期待されているハワイアン。
バロン・マミヤの他、昨年の「WJC」でSFに進出した二人のハワイアン、フィン・マクギルとコディ・ヤング。
フィンは2016年の『Pipe Invitational』で16歳にして優勝した逸材であり、二人は「レインボー・ウォーリアーズ」と呼ばれている。
更にマウイ島出身の14歳、エリー・ハンネマンは今年最も注目されている選手の一人。
パイプラインの『Pipe Pro Junior』で2位、インドネシアの『Hello Pacitan Pro』で3位とバレルに強く、エアリアルのスキルも14歳とは思えないレベル。
世界中の16歳以下のサーファーで最も上手いと言っても過言ではないだろう。
■番外編
日本代表は都筑百斗、上山キアヌ久里朱、安室丈、小笠原由織。
ウィメンズは松田詩野、脇田紗良。
ワイルドカードは西優司、川合美乃里。
合計8名が世界の舞台で戦う。
2017年に宮崎県のお倉ヶ浜で開催された『2017 VISSLA ISA World Junior Surfing Championship』で金メダルを獲得した安室丈、銅メダルを獲得した上山キアヌ久里朱。
すでにQSでも活躍している川合美乃里など日本代表が勝つチャンスは十分にある。
また、国籍はインドネシアだが2017年のQSでアジアのリージョナルチャンピオンに輝いた和井田理央にも注目したい。
COVER PHOTO:© WSL/Cestari