9月7日から15日にかけて、宮崎・木崎浜で開催される『2019ISAワールドサーフィンゲームス』の試合形式や採点ルールを紹介。
2020年東京オリンピックの出場有力候補選手が決まる本大会。日本代表“波乗りジャパン”は男女それぞれアジア1位になることで五輪への出場にかなり近づく。
試合形式や採点ルールを覚えて、より楽しく観戦しよう。
各国代表チーム参加者数
1カ国あたり
オープンメン:3名
オープンウィメン:3名
Aloha Cup:男女各2名
※Aloha Cupとは、国別対抗のチーム戦で国ランキングには関係ない。昨年の国別順位7位までと開催国、合計8カ国が出場可能。出場選手男女各2名は、ラウンド毎に変更もできる。
試合の基本ルール
細かなヒート組みは、全エントリー〆切後、コンテストディレクターによって決められるが、概要は以下の通り。
・各ヒートは原則15~20分。 本戦とリパチャージ(敗者復活戦)が同時進行するダブル・エリミネーション方式を採用。
・原則、各ヒート最大4名ずつ(ラウンド1とリパチャージは状況に応じて5名になる場合もあり)。
・各ラウンドでは半数の2名が上位ラウンドに進み、残った下位2名がリパチャージに進む。
・本戦は Round1からRound6を経てファイナル進出、リパチャージは Round9を勝ち上がった選手がリパチャージファイナルへ進出。双方のファイナルを勝ちあがった合計4名の選手がグランドファイナルでメダルを争うこととなる。
・グランドファイナルでは、本戦の上位2名と、リパチャージの上位2名が戦う。
・制限時間内で何本ライディングしてもOK。1本のライディングは10点満点で採点され、最も点数の高い2本の合計点で競う。
以上、 ダブル・エリミネーション方式を採用 により全ての選手が「一度だけ負けることが許される」形となるが、メインラウンドのどこで敗退してしまうかにより、残りのリパチャージラウンド数も異なる。
選手の体力的な問題はさておき、少なからず運も左右してしまうサーフィン競技でメダルを獲得するためには、メインラウンドでどこまで勝ち進めるかがひとつの鍵となる。
※前回大会の五十嵐カノアはメインラウンドでは一度も負けることなくストレートでグランドファイナルへ進出。銀メダルを獲得した。
評価基準と採点方法
各ヒートでは、上位2本のライディングが評価対象となる。主な採点基準は以下の通り。
・技の難易度と波へのコミットメント
・マニューバーの革新性、斬新さ
・メジャーマニューバーのコンビネーション
・マニューバーの多様性
・スピード、パワー、フロー
1本のライディングに対して0.1〜10点(満点)の点数がつき、点数は以下の段階に分けられる。
0-1.9 = Poor
2.0-3.9 = Fair
4.0-5.9 = Average
6.0-7.9 = Good
8.0-10.0 = Excellent
プライオリティとインターフェア
「プライオリティ」と呼ばれる優先権ルールがある。
優先権を持つサーファーが優先的に波に乗ることができ、1人のサーファーが波に乗ろうとアクションを起こすと、優先権は次の人に移る。
例え波に乗らなくても、波に乗るようにパドルをしたり、波を逃した場合でもプライオリティは次の人に移り、自分の優先権は一番低くなる。
ヒート開始時は各選手ともプライオリティは持っておらず、サーフィン競技の通常ルール(ピーク優先)が適用される。ライディングを開始し、テイクオフゾーンに戻った選手から最も低いプライオリティ(この場合は4番)を得ることになり、その他の選手がライディングすることにより、プライオリティが繰り上げされていく。
ただし、他の選手がより高いプライオリティを持っていても、邪魔にならない限りは波に乗ることが出来る。
一方、自分より高いプライオリティの選手を妨害すると「インターフェアレンス」として ペナルティを課せられ、2本目のスコアが0点になる。
観戦する際は、会場のアナウンスやプライオリティボード、オンラインのライブスコアボードなどで、プライオリティ順が確認できる。
このプライオリティを活用した、選手同士の心理戦・駆け引きも試合の見どころの一つとなる。
国別ランキング
各選手には進んだラウンドに応じて、0~1000ポイントが割り振られる。各国に所属する全選手のポイント合計点で、国ランクが決まる。(Aloha Cupの結果は含まれない)
詳細は、ISA公式ルールブック(英語)で確認できる。
★THE SURF NEWSは『2019 ISAワールドサーフィンゲームス』のオフィシャル・メディアパートナーとして協力しています