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【2019年トリプルクラウンの歴史と見どころ】ワールドタイトル・2020年東京五輪選考・クオリファイ 

1983年にハワイアンのマイケル・ホーが初のタイトルを獲得してから36年間続いてきた冬のノースショアを象徴するサーフィンコンテスト「トリプルクラウン」
6週間に渡り、「奇跡の7マイル」と呼ばれるオアフ島・ノースショアを代表するハレイワ、サンセットビーチ、パイプラインを舞台に世界中からトップサーファーが集まり、たった一つのタイトルを争う。

ケリー・スレーター、アンディ・アイアンズ、ジョエル・パーキンソン、サニー・ガルシア、トム・キャロル、ジョン・ジョン・フローレンス、ガブリエル・メディナ他、サーフィン界が誇るトップスターが過去にこの名誉を獲得した一方、2017年はカリフォルニアのグリフィン・コラピント、2018年はブラジリアンのジェシー・メンデスが王者になるなど過去2シーズンはダークホースがこのタイトルを手に入れていた。

今年も11月13日の『Hawaiian Pro』からトリプルクラウンが開幕。
歴史や見どころなどをピックアップする。

2019年トリプルクラウンスケジュール

1.ハワイアンプロ

大会名称:QS10,000 『Hawaiian Pro』
日程:11月13日〜24日
開催場所:ハレイワ・アリイビーチパーク

2.VANSワールドカップ

大会名称:QS10,000『Vans World Cup of Surfing』
日程:11月25日〜12月7日
開催場所:サンセットビーチ

3.パイプラインマスターズ

大会名称:CT#11『Billabong Pipe Masters』
日程:12月8日〜20日
開催場所:パイプライン/バックドア

トリプルクラウンの歴史

昨年のタイトルはダークホースのブラジリアン、ジェシー・メンデスが獲得
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今年で37年目を迎える「トリプルクラウン」の歴史は1983年まで遡る。
フレッド・ヘミングス氏、ランディ・ラリック氏によって提唱され、月日を重ねて現在のハレイワ、サンセットビーチ、パイプラインの3イベントの構成が定着。
ハレイワ、サンセットビーチはQSで最もグレードが高い10,000、パイプラインはCTの最終戦にもなるため、このタイトルの他にもワールドチャンピオン、QSランキングにおいても重要になる。

初代チャンピオンのマイケル・ホーを始め、最多記録を持つサニー・ガルシア、デレク・ホー、アンディ・アイアンズなど多くのタイトルはハワイアンが獲得。
オージーでは1987年のゲーリー・エルカートン、アメリカ人では1995年のケリー・スレーター、ブラジリアンでは2015年にガブリエル・メディナが初のタイトルを獲得している。

昔からのハワイアン、オージーの争いから後にキングと呼ばれるケリー・スレーターが現れ、近年のブラジリアンの台頭と「トリプルクラウン」はサーフィンコンテストの歴史の変化を象徴している。

今年のトリプルクラウンの見どころ

1.2019年タイトルレース争い

前哨戦のQS3,000『Vans Pro Presented by HIC』は理想的なコンディションに恵まれた
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日本に冬が到来する頃に本格的なシーズンに入るノースショア。
今年はタイミング良くトリプルクラウンの前哨戦、QS3,000『Vans Pro Presented by HIC』のスタートと合わせて10ftオーバーの北西ウネリが入り、サンセットビーチらしいワイルドな波が姿を現していた。

トリプルクラウンの見どころといえば、毎年CT最終戦『Pipe Masters』でのタワールドタイトル争い。今年のタイトルコンテンダーは、イタロ・フェレイラ、ガブリエル・メディナ、ジョーディ・スミス、フィリッペ・トレド、コロへ・アンディーノの5名。

2.2020年東京オリンピックの代表選考

2020年東京オリンピックの出場選考イベントの中で、優先度が最も高く、男子10名、女子8名が選出される「2019年CTランキング」。日本の五十嵐カノアをはじめ、既に出場枠を獲得している選手もいるが、最後まで混戦なのがブラジル代表とアメリカ代表だ。

特にアメリカ代表はすでに決まっているコロへの他、残り1枠をジョン・ジョン・フローレンス、ケリー・スレーターが争うことになる。 怪我でシーズンを棒に振ったジョン・ジョンがパイプマスターズへの出場を仄めかしているため、ワールドチャンピオンより注目を集めてしまう可能性もある。
(ジョン・ジョンは『Hawaiian Pro』『VANS World Cup』にもエントリーしているが、Hawaiian Proは棄権した模様。)

すでに終了している10戦中5戦出場しているジョン・ジョンは優勝2回のポイントが大きく、33,220ポイントでCTランキング8位。ケリーはフル出場ながら最高位でも5位で30,090ポイントの10位。

ケリーがジョン・ジョンを上回り、五輪出場権を獲得するには『Billabong Pipe Masters』での好成績が必至だ。

3.クオリファイ

その他、QSランキングではクオリファイのラインにいるフランスのヨーガン・クウジネット、ハワイアンのバロン・マミヤ、オージーのジャック・ロビンソン&コナー・オレアリーなどが一喜一憂することになりそう。
現在21位の稲葉玲央は後半戦に失速しながらもトリプルクラウンの2戦で上位に入ればクオリファイの可能性はある。
すでにコーチの田中樹も現地入りして調整しているようだ。

初戦『Hawaiian Pro』の波予報

トリプルクラウンの初戦『Hawaiian Pro』は11月13日からウェイティングピリオドがスタート。

ノースショアでは14日から新しい北北西ウネリが入りはじめ、ピークとなる15日は風も弱く、グッドコンディションが期待出来る。
更に16日は新しい西北西ウネリが加わり、17日にはフェイスで8-12ftレンジ。トレードウィンドでコンディション的にもOKの予想。
20日〜21日には次のウネリの予報も出ており、今年のトリプルクラウンは幸先良いスタートになりそう。

『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト

(空海)

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