THE SURF NEWSでは、コロナ禍におけるサーファーの生活実態を把握するため、「アフターコロナ時代にサーファーの生活様式はどうなるのか?」記事内で、5月12日〜20日まで第3回アンケートを実施。今回は2581人(有効回答者数2452名)が回答し、その結果をまとめた。
■これまでのアンケート結果
≫第1回アンケート結果(4月7日〜4月12日)
≫第2回アンケート結果(4月28日〜5月6日)
GW前後の期間、9割がサーフィンを自粛
GWを含む前後の期間に、全く海で入らなかった「サーフィンを自粛した」との回答は86%。「地元でのみした」「少しサーフィンした」など平常時と比べ一部自粛をした人は10%となり、実に96%がサーフィンを自粛をしていたことが分かる。
また、GW期間に実施した第2回で「自粛する」と回答していた人に比べ、GW終了後に実施した第3回で「GW前後の期間に自粛した」と答えた人の方が20%近く多かったことから、当初は「サーフィンする」と答えていたが、実際には自粛したケースが一定数あった模様。
その理由としては、実際に行く直前に各地の要請や駐車場情報を収集して自粛にしようと切り替えた人、 単にあまり波がなかったので行くのをやめた人、などが考えられる。
8割以上がサーフィン以外の運動を実施
長引く外出自粛生活により運動不足や体重増加などが懸念されているが、9割がサーフィン自粛するなかで、8割以上の人が何かしらの形で運動を行っていたことがわかる。
その目的としては、自粛期間中の運動量不足を補うことや、感覚の鈍化や筋肉量の低下など再開後のパフォーマンスを落とさないこと等があったと推測できる。
言い換えれば、サーフィンは単なるレジャーというよりは、日常生活における健康維持のための運動であり、さらに常にパフォーマンス向上を求めるれっきとしたスポーツとして考えられている、と捉えることも出来るだろう。
“日本人的”な自粛理由が目立つ
一番多かったのは「サーフィン連盟や国・自治体などの要請に従い自粛した」の39%。
「サーファーのイメージダウンにつながるから」または「周りのサーファーや近所の人の目が気になったから」と回答した人を合わせると33%で、他人の目を気にしたという自粛理由が2番目に多かった。これは、本音では「サーフィンしても問題ないはず」などと疑問を持ちながらも、他人の目を優先したことの裏返しともとれるだろう。
また、これらを足すと72%となり、「お上の声を素直に聞く」「他者の目を気にする」「大多数の意見を尊重する」というような極めて日本人的な価値観からサーフィン自粛という判断に至った人が過半数となり、「自分や家族の健康を考えて自粛した」と回答した人を、大きく上回る結果となった。
実際、各地方団体からの自粛要請の理由として、これまで築いてきた地元住民との信頼関係に影響を及ぼしてしまうから自粛してほしいというものも多くあった。さらに、「外出自粛に従わない」としてマスメディアで連日サーファーの姿が報道されたことや、”自粛警察”などの動き、業界を代表して日本サーフィン連盟が一般サーファーに対しても発信したことも影響が大きかったといえる。
結果的に、緊急事態宣言や各所からのサーフィン自粛要請は、海外と異なり罰則や強制力のないものだったにも関わらず、9割以上のサーフィン自粛につながったと言える。
自粛賛成派は微増
第2回と比べると僅かに自粛賛成派が増加。
しかし、自粛賛成派のうち「絶対に全員が自粛すべき」と答えた人は12%から9%に若干減少しており、「個人の判断とはいえ自粛に協力すべき」と回答した人が殆どだった。 GW後、徐々にサーフィン自粛要請が緩和されてきている状況を反映しているのかもしれない。
サーフィンの再開に向けて
「各地の要請に従い、配慮しながらサーフィンする」が59%と一番多くなった。
当初5月6日までとされていた緊急事態宣言は、GW期間中に5月末までの延長が発表されたが、九州や関東の一部ではGW明けから、地元住民に限るなどの条件付きでサーフィン自粛要請を緩和した。
その後、スポーツ庁やNSAが、サーフィンは必要な運動と捉えている旨の発表をしたことを受けて、神奈川などでも自粛要請が緩和され始めた。但し、多くは地元在住者に限る、距離を保つ等のガイドラインが設けられており、このような状況を映し出した結果と考えられる。
また2番目に多い「緊急事態宣言が解除されるまでサーフィンしない 」については、自粛要請が解除されてもやはりリスクは付き纏うために自身は自粛すると考えているか、 埼玉・東京・大阪などのサーフィンするには他県への移動が前提となるエリア在住者が、 どちらにせよ宣言解除までは難しいと判断したなどの可能性が考えられる。
ライフスタイルの大きな変化はこれから起きるか
「元通りの生活に戻したい」「特に意識していない」のみ選択した人が57%。何かしらの点においてこれまでの生活を見直したいと回答した人は全体の43%だった。
その内訳は、家族や海、趣味を優先したいと回答した“時間の使い方を変える派”が最も多かった。
仕事や勤務地、居住地を考え直したい と答えた“場所を見直す派”は22%。サーフィン自粛要請内容で一つの観点となった「地元住民のみサーフィン可能」という点が影響している可能性もある。
但し、これはあくまでも現時点での結果であり、今はとにかく元の生活に戻すことに精一杯という人も多くいるだろう。生活が落ち着いてくれば、このコロナ禍を振り返って将来を考える人もでてくるだろうし、今後首都圏でも緊急事態宣言が解除され、在宅勤務者がオフィス通勤生活に戻り始めたら、テレワーク生活とのギャップを感じる人も出てくるはずだ。多くの人が元の生活に戻ってから、さらに大きなパラダイムシフトが起きるのかもしれない。
(THE SURF NEWS編集部)