Cover Photo: WSL / ED SLOANE
昨年からSNSを通じて世界中で大きなムーブメントとなっている「#MeToo」運動。
同運動は女性へのセクハラ問題を取り上げたもので、これまでは告発するのが恥ずかしくて声を上げなかった女性が、ハリウッド女優と言ったセレブが声を上げるようになり、世界中の女性が同調して巻き起こった流れです。
その「#MeToo」運動の流れをサーフィン界でも汲み、ワールドツアーを運営するWSL(ワールドサーフリーグ)がとあるルールを決めることに。
サーフィン界においても「#MeToo」運動に似たような議論があり、女性の性差別問題として海外で大きな話題となっていたのはビキニ。
昨年はビラボンの広告において、メンズモデルがダイナミックなライディング写真が取り上げられる一方、ウイメンズに関してはライディングではなくビキニ姿をフィーチャーした広告に批判の声がありました。
そんな中、WSLは昨年にCEOがソフィー・ゴールドシュミットという女性になったことも手伝ってか、新たなルールが課せられたとスタブ誌が報じました。
そのルールとは、今季CT初戦会場のゴールドコーストでのミーティングで発表されたもので、小さなビキニ着用のウイメンズサーファーについて、ボトムターンやダックダイブ(日本ではドルフィンスルー)時にはズームアウト撮影するという内容。
端的に言えば、ボトムターンやダックダイブの時はお尻が突き出た状態となるので、ズームインしての撮影はセクハラに繋がるということです。
WSLのCT(チャンピオンシップツアー)イベントはライブ中継されているので、編集することは不可能なのでフィルマーに通達されたとのこと。
今回のルールについて裏を返せば、ボードショーツを履いているウイメンズサーファーはズームでの撮影がありで、ビキニ着用のサーファーは遠目からの撮影が基本となるわけです。
この問題の難しい点として、該当するウイメンズサーファーがどのように感じているのかというポイントが挙げられます。女性サーファーが誰もがセクハラに感じているかというと疑問ですから。
例えば、元CTサーファーであるアラナ・ブランチャードはCTイベントでもこまめにビキニを変えたりと、自己ブランディングの一環としてビキニを活用していました。
また、CTサーファーではないのですが、エリー・ジーン・コフィーは女性の武器を前面に出した露骨なほどのSNS投稿でファン獲得を狙っています。
そう考えると、性的な目線で見られたくない女性サーファーはボードショーツを着用していますし、意図的にビキニ着用で注目を浴びたいタイプもいるのも事実。
セクハラについては論外ですが、ウイメンズサーファーのビキニ問題は線引きが難しい問題と言えるのではないでしょうか。