プロサーファーとしてだけではなく、三児の母として、妻としても世界中の女性のロールモデルとなっているべサニー・ハミルトン。
多くの人は彼女が13歳の時にカウアイ島でのシャークアタックで片腕を失いながらもサーフィンに献身する映画『ソウル・サーファー』のイメージが強いと思うが、彼女の人生を見ているとハンディキャップという言葉を使うのが恥ずかしくなるほど真っ直ぐに生きていると強く感じる。
もちろん、彼女や家族にしか分からない葛藤はあっただろうが、それを乗り越えた後の人生は前だけを見て止まらずに進んでいるのだ。
そして、今やサーフィン界で最高のママアスリートとして憧れの存在になっている。
べサニー・ハミルトンの人生
カウアイ島出身のべサニーは、すでに9歳で「RipCurl」と契約して将来を有望視されていた。
片腕を失った後もすぐに海に戻り、2005年には全米アマチュア選手権、NSSAのタイトルを獲得。QSにも出場、ワイルドカードでのCT出場経験も豊富で、2016年『Fiji Women’s Pro』ではリアルなクラウドブレイクで3位に入ったこともある。
2018年にはシャークアタックから15年経った現在の彼女の姿を追った『Unstoppable』が公開され、男性のビッグウェーバーでも怯むような波にトライする姿や、エアーリバースをメイクするなど大きな話題になった。
私生活では2013年に結婚をして2015年に長男、2018年に次男、2021年に三男が誕生。
子育てをしながらハードなトレーニングをこなす姿を自身のInstagramで公開している。
23年間サポートされているRipCurlと新たに5年契約を更新
プロサーファーとしてのべサニーの活動を9歳から23年間サポートし続けている「RipCurl」が新たに5年の契約更新をした。
今後5年間、「RipCurl」はべサニーとのビデオプロジェクト、サーフトリップ、サーフウェアコレクションで協力する予定。
また、間も無く次世代に向けたマスタークラスを開始して彼女の経験から海と陸の両方で学ぶ取り組みをするそうだ。
「これだけの長いサポートにただただ畏敬の念を抱いているわ。長い間、リップカールと一緒に歩めたのは素晴らしいことだと思うし、私達は多くの共通点があると感じている。私はこのブランドのサーフィンをする若い女性の環境に対するアプローチや、本気でサポートする姿勢が大好きなの。今後数年間、一緒に様々なことを精力的に達成したいと思っている。今のところ海では大きな目標を立てていないけど、いつでもチャージする準備はできているわ。サーフィン以外の目標は、若い女性が困難を克服して楽しみながら学び、最高の人生を送る方法を見つけることね。私は自分の将来やキャリアについてずっと考えてきました。この新しい契約によってそれが可能になったと感じているわ。私はまさにふさわしい場所にいるのよ」
べサニー・ハミルトン
今シーズンのべサニー・ハミルトンの凄さ
今シーズンの冬のノースショアでのべサニーの活躍は目を見張るものがある。
究極のローカルコンテスト、『Da Hui Backdoor Shootout』では初のウィメンズチームのメンバーとして凄まじいチャージをしてSNSで話題になり、特別賞を獲得。
更にステファニー・ギルモアの代理として2021年CT開幕戦『Billabong Pro Pipeline』に出場。
バレルをメイクしてキャロライン・マークス(USA)を倒し、ベスト16入り。9位でフィニッシュした。
なお、べサニーの公式サイトでは彼女の経験を活かしたオンラインセミナーを始め、障害者のためのプログラムなど精力的に活動を行なっている。
https://bethanyhamilton.com/
(空海)