ケリー・スレーターと並ぶモーメンタム世代の中心人物だったロブ・マチャド。
ツアーを引退した後もフリーサーファーやシェイパーとして活躍しており、最近ではIKEA×WSL「コーセベルガ」コレクションのデザインプロセスの中核を担い、現在も圧倒的なカリスマ性を持っている。
ロブの中核にあるのは常にサーフィンであり、あの力の抜けつつもシャープな独特のスタイルは昔と全く変わりがない。
そんなロブが地元サンディエゴで過去5年間にも渡って冬の間撮影した映像が『The Color of Winter』という作品として公開された。
ロブのサーフボード開発過程を垣間見る映像
『The Color of Winter』は過去5年間のカリフォルニアを象徴する11月から3月までのノーススウェルの期間にサンディエゴの海岸線で撮影された。
撮影場所はロブのホームであるシーサイドリーフや、ブラックス。
この映像には、シェイパーでもあるロブが、自身のブランドRob Machado Surfboardsと7年間の付き合いになるFirewire Surfboardsのテストや開発も兼ねて、様々なボードに乗っている様子が収められている。すでに発売されているGlazerやSeaside and Beyondから、過去に公開されていないモデルまで様々な板が登場する。
カメラマン、パット・ステイシーの思い
カメラマンを務めるパット・ステイシーは、これまでサーフフォトグラファーとしてスチール撮影にフォーカスしていたが、現在はビデオやフィルムを使用した動画撮影に移行しているそうだ。
「作品の本当の意図は’サーフボードを車に放り込んで、地元のブレイクにサーフィンに行くだけで幸せなんだ’ということ。それが人生の一部であるならば、とても幸運なことだと示したかったのさ」とパットは作品について話している。
「私達はハワイやメンタワイの映像ばかり見ていてホームでのサーフィンを見過ごしがちだよね。サーフィンの人気スポットである遠く離れた土地で過ごす日々は、とても幻想的だからという面もある。しかし、カリフォルニアでも他の場所でも、ホームでのサーフィンは宝物なのさ」と現実を見つめる映像だとも説明している。
『The Color of Winter』の秘話
『The Color of Winter』はカリフォルニアの美しい海岸線から始まる。
朝食にアサイーボウルを食べたロブはまだ薄暗い内から年季の入った愛車に乗り込み、V8エンジンを始動して海に向かう。
「カリフォルニアの冬の朝は身の引き締まるような寒さで、オフショアなんだ。パットと僕は光を考慮して朝の1時間と夕方の1時間だけ撮影することが重要だと思ったのさ」と撮影秘話をこぼしていた。
パットは映画にも使用される重いレッドカメラにハウジングをつけた状態で海に入り、ロブと波に合わせて水中を動き回っていた。
モーメンタム世代のロブにとって全盛期の作品は全てVHS、DVDで発売されていたが、今回はYouTubeだけに絞った。
ロブのYouTubeチャンネルで米国PST時間の4月21日水曜日の早朝に公開がスタートした。
これについては「なんか奇妙だよね。VHSとDVDの時代を生きてきて、今はYouTuberだよ。その意味は良く分からないけど、今はみんなそうだからね」と話している。
現在のロブについて
現在、ロブはカリフォルニアのカーディフを見渡す絶壁の上にあるシェイプ工場で「Rob Machado Surfboards」の主要シェイパーとして仕事をこなしている。
彼のサーフキャリアの3ステージ目で、モーメンタム世代でのコンペティションのキャリアと10年に及ぶ長いフリーサーフィンで今もREEF、Dragon、Vuori等のブランドとの長いコラボレーションを続けながら、世界で最も知名度があるサーフボードデザイナーの1人としてFirewire Surfboardsのパートナーも務めている。
パット・ステイシーについて
5歳からサーフィンを始め、2002年にプロのサーフフォトグラファーになる。
5年後の2007年にはアンディ・アイアンズの専属のカメラマンの地位を確立。現在も使用され続けているアンディの多くの写真はパットが撮影したものである。
2018年、動画撮影を勧めるアンディーノファミリーからREDカメラを借りて以来、ロブとの撮影を通じて急速に動画撮影技術も身に付けている。
Firewire Surfboardsについて
革新的なデザインや新素材、高度な構造法を通じてサーフィン体験を高める事にひたむきなブランド。
世界市場向けの製品の100%を「伝統的製法のサーフボード製造と比べて製造時の炭素排出量をおよそ30%減少させる」というサスティナブル製品の証明プログラムであるSustinable SurfのECOBOARDS基準を満たす、唯一の世界的サーフボード製造業者だ。
更にインドネシアでのマングローブ植林やカリフォルニアの海藻群の保全等々というSustinable Surfの海洋樹木トークンの使用により炭素排出量を払拭してもいる。
(空海)