素晴らしいコンディションで行われたCT第5戦『Corona Bali Protected』
今イベントでは開催直前に’tected’という文字を加え、「Pro」から「Protected」に変更。
バリ島が抱える深刻な問題、海洋プラスチック汚染に提議するため、特別に「保護」という言葉をイベント名に入れ、開催中に「WSL PURE」「Corona」「Parley for the Oceans」の三団体が中心となり、様々な活動が行われた。
WSLの慈善団体「WSL PURE」とは
WSLでは2016年にサーフィンのフィールドである海への恩返しを目的に慈善団体「WSL PURE」を設立。
コロンビア大学と特別なパートナーシップを結び、科学的な側面を含め、世界中の海の保護のために活動を続けている。
具体的には2017年のトリプルクラウンの開催中、観客や関係者などにリサイクルを促すため、ゴミの分別が分かりやすく示されたリサイクルボックスを設置。
他にも出来るだけリサイクル可能な物を使用してのイベント運営を考え、現在日本でも普及しているステンレスボトルブランド「Hydro Flask」と提携して使い捨てのコップの使用を抑えるなど徹底的にリサイクルにこだわっていた。
更にイベントの運営に使用する電力の大半をオアフ島で生産されたバイオディーゼル燃料によって賄ったり、「タートルベイ・リゾート」と提携して誰でも利用可能なシャトルバスを運行、無料のライブ中継、ケーブルテレビの放送を行って会場に向かう車両の数を極力抑えるなどリサイクル以外の部分でも環境配慮を追求していた。
「Corona」×「Perley for the Oceans」の取り組み
2017年のJ-Bayからスポンサーになったビール会社「Corona」もWSLの環境問題の提起に賛同。
『Corona Open J-Bay』からスタートして2018年にもベルズとクラマスで行われたスペシャルヒート『Corona Highline』では、アディダスなどの大企業と海洋保護に取り組んでいるNPO団体「Parley for the Oceans」と協力。現在のサーフィン業界に提議するように、リサイクルよりも環境にやさしい「アップサイクル」(廃物などを利用して新しい素材に変換する)のフォームと環境に害がない植物ベースのエポキシ樹脂のサーフボードが使用された。
チリの漁網をリサイクルしたフィンに選手が着用するジャージさえも、「Parley Ocean Plastic」の商標登録がされた海洋プラスチックの廃棄物から作られたものを使用と徹底的にこだわった。
なお、ベルズではラスタことデイブ・ラスタビッチが乗っている独特なブラシが特徴の「Gary McNeill」シェイプのレトロツインフィンが使用されていたが、クラマスでは「ロブ・マチャド」シェイプのレトロとモダンがミックスされたロブらしいデザインのシングルフィンが使用され、WSL公式Facebookで配信されたライブ中継にはロブ自身も解説に加わっていた。
▼クラマスでの『Corona Highline』の模様
2017年5月、「Corona」と「Parley for the Oceans」は2020年までに海洋プラスチック汚染から世界中の100の島々を保護する大プロジェクトを打ち立ており、すでにモルディブなど世界中のいくつかの地域で実施され、オーストラリア、メキシコ、チリ、イタリア、ドミニカ共和国にも拡大している。
また、この一環として「Corona」は生活からプラスチックを減らすことや最大限にリサイクルする方法を考え、自社のCMなどのプロモーションでプラスチックを使用することも極力控えている。
『Corona Bali Protected』期間中の活動
『Corona Bali Protected』開催中、上記『Corona Highline』のほかにも、「WSL PURE」を中心としたビーチクリーンが行われ、選手も積極的に参加。その模様はInstagramなどのSNSによって公開された。
ビーチに無数にあるゴミの中には注射器なども…。
「私達はこの場所を綺麗にするために来た。このスタートは素晴らしいと思うよ。ここにいる皆や、サーファー達で意識するからね。全てのWSLのアスリートを本気で巻き込んでいるのも良いと思う。この活動で何かが変われば良いよね。シンプルだけど一歩前へ。無駄なプラスチックの使用を止めようぜ」
ジョン・ジョン・フローレンス
「このイベント名を’Corona Bali Protected’と呼ぶのは特別なことよ。私達が持つべき本当の美しさは何かや、私達の贅沢によってどのように自然が台無しになっているかを本気で伝えてくれる」
ステファニー・ギルモア
「いつもバリに来るとプラスチックのゴミや汚染を見て悲しくなるんだ。道のりは長いけど、とりあえず始めなければね」
ジュリアン・ウィルソン
「今こそ本気で行動する時よ。そして、人々の認識を高めるべき。もっとこの問題を考えたいわ」
レイキー・ピーターソン
(空海)