ハワイのノースショアが本格的なシーズンに入る前、11月の西ヨーロッパにハリケーン・マーティンによるビッグスウェルが入った。
ナザレだけではなく、同じ北太平洋に面するアイルランドのマラモアでも歴史的なセッションとなり、ヨーロッパで波を追いかけていたネイザン・フローレンスがまるでタヒチのチョープーのようなレフトのスラブ波(底掘れ)にチャージ。
見事に最高の映像を残し、ビッグウェーブサーフィンの世界に貢献するサーファーを経済的に支援するプログラム、ビッグ・ウェーブ・サーファーズ・ファンド(BWSF)から2,500ドルもの賞金が贈られた。
ネイザンはその日ラインナップにいたサーファーよりも1ftは短い8’6″のボードを使用。一度フェイドしてからバレルに入り、危険なセクションをグラブレールで抜け、ローカルを驚愕させていた。
また、このセッションでネイザンが使用していたリーシュコードはFCSの特別なビグウェーブ用モデルで、ベルクロ部分が二重で取れにくく、更に最悪のケースでリーシュがボトムのリーフに引っかかって邪魔になった時にすぐ外れるようなピンが付いている。
彼のような超人でも命に関わるようなビッグウェーブに挑む時は用意周到が当たり前。
だからこそ全力でチャージできるのだ。
(空海)