北半球のウインターシーズンになると、ホームブレイクであるパイプラインでサーフすることが仕事のジェイミー・オブライエン。
自宅のベランダからパイプラインの波チェックが可能と言う環境なので、誰よりもパイプラインを知り尽くしているサーファーとも言えます。
そしてウインターシーズンを終えたと言う事で、ジェイミー本人によるオアフ島ノースショアでのトップ10ライディング映像を公開しました。
また、各ライディングについて本人が解説を加えるという非常に興味深い内容となっています。
そこで私がビューアー目線で印象的なベスト3を選び、そのライディングについてジェイミーが解説している内容などを織り交ぜてお届けしていきます。
3位:ナンバー10
パイプがホームブレイクのジェイミーなので、パイプではなくロックパイルズでのライディングが意外性を含めて興味深い一本。
ロックパイルズは普段からこのようなブレイクというわけではなく、たまたま砂が堆積し続けた結果、生まれる事になったレアな現象だそうです。
興味深いのが短めのボードを選んだと言う点で、ボードが短いとレイトドロップになりテクニカルな要素が求められる事になります。
その代わり、テイクオフの時点からバレルに入る準備完了となります。
このジェイミーのアプローチを見ると思い出すのが、2008年にケリー・スレーターがパイプマスターズで当時はあり得なかった5フィート台のボードに乗った時のこと。
「Deep Six」と呼ばれるチャネルアイランズのモデルで、ケリーはレイトドロップになる点を認めながら「ストールする必要がなくなるんだ」とも答えていました。
バレルスポットでレイトドロップを難なくメイクできるサーファーならではのボードチョイスと言えますね。
2位:ナンバー5
ジェイミーのお家芸とも言える9フィートのソフトトップのログに乗ってのビッグバレルチャージ。
おそらくジェイミーが乗るハイパフォーマンスボードのリッター値は20台後半くらいだと思いますが、このログは98リッター。
パドリングはメチャクチャ早くなって乗れる波の本数は増えるでしょうが、乗ってからのコントロールがスーパーハードなのは容易に想像が付くでしょう。
しかも、ソフトトップと言う事は、あそびの部分が大きくなるので体重をかけてからの反応がハードトップよりも遅いですし。
それだけに、ジェイミーは軽々とバレルをメイクしていますが、テクニカルな要素がふんだんに詰まっているライディングです。
テイクオフ後はエアドロップまでしているのにメイクしたりと、パイプにおけるジェイミーのパフォーマンスがネクストレベルであることの象徴とも言えます。
1位:ナンバー1
このライディングはコロナ前まで行われていた「WOTW(Wave of the Winter)」に選ばれもおかしくないのですが、ライディング前のストーリーが興味深いです。
ジェイミーにとってパイプはホームブレイクにもかかわらず、この日は入るまで2時間も波チェックをしていたと言ってるためです。
理由としてはコンディションが安定しなかったためで、風向きやスウェルは完璧だったのにコンディションがおかしかったと言うのも不思議ですが興味深い内容です。
にもかかわらず、意を決してヘルメットを持って海に入ると、一本目で動画のビッグバレルメイクに至るわけですから、運命めいたものがあったのかもしれない珠玉の一本となっています。
(World Surf Movies)