Wave Park Photo: THE SURF NEWS

韓国ウェーブプール「Wave Park」リポート&ガイド。波の種類や予約方法なども解説

韓国のウェーブプール「WavePark」。2023年の夏、サーファー達の間で話題となるものNo1はコレかも知れない!?

2020年に開業していたこの施設。コロナ禍での一時閉鎖を経て営業が再開されると、日本人プロサーファーの来場に伴う映像露出などより僅かな期間で話題沸騰‼
2023年の夏~秋は、日本人サーファーの来場が激増しそうな雰囲気だ。

(本年11月にはWSL QS3,000の開催が決まり、プロサーファーの来場や映像露出も益々増えると思われる)

「Wavegarden(ウェーブガーデン)」社のウェーブプールの中でも最長ライドを誇るのがこの韓国の「WavePark」だが、波質などについては、一目瞭然なYouTube動画などに任せるとして、ここでは、セッションスケジュールやその内容〜エントリー方法、セッション時の注意点、感想の他、プール内外の現地事情などを中心に一般サーファー視点にてお伝えしたい。

レギュラーブレイク(M3) Photo: THE SURF NEWS
グーフィーブレイク(M4 Photo: THE SURF NEWS

波の種類と予約方法

まず、現在、どの様な波で一般営業をしているのか。
波の種類とセッション・予約については、公式ホームページ上部右側の「リザーブ」ボタン(外国人専用)より、スケジュール(月毎)を確認し、セッション毎に予約する事ができる。
https://jpwavepark.imweb.me/
※事前予約が基本となりますので、来場の際はくれぐれもご注意の程を。

月〜木曜までのタイムスケジュール(7月分)

利用料金は?

ウェイブパーク自体(プール全体施設)への入場料を含め、1セッション目が80,000ウォン(約8,700円程度)。
追加の1セッション料金は、初級、中級50,000ウォン、上級65,000ウォンとなる。

ちなみに、1ヶ月パス(1日最大2セッションで毎日使用可能)が出来たり、地元韓国の方々は3割程度安い予約方法(入場料は半額)があるとかの情報もある。

左右のプールを挟む形で通路があり、ライディング観戦や撮影も可能 Photo: THE SURF NEWS

波の感想と評判

– Advanced/上級コース –

M4、T1、T2という波が、それぞれのセッションにより異なる配分で設定(スケジュール写真参照)されており、M=マリブ波と呼ばれる中で、最大サイズのM4は(公式HPで1.0~1.5mと表現)ピークで胸くらいの乗りやすい波。
T1、T2は(公式HPで1.5~1.8mと表現されている)ピークで肩くらいのバレルになる波となる(ちなみにTの意味はトラッスルズ?と思ったらTurn/ターンだとか)。

しかしながら、風や(波でできる)カレントによってコンディションは変わり、1本1本の波質も多少異なる印象を受けた。
特に、現在最上位に位置するT2の波は、癖が強く難しいと表現するサーファーも少なく無い上、PR動画でプロがライドする波とは異なる印象(映像は波は異なる? )となるため、綺麗なバレルや癖のないフェイスを期待し過ぎると失望してしまうかも⁉

また、サイズ自体も想像より少し小さいと感じるかも知れない(静波サーフスタジアムとの比較含め)。

なお、上級コースでは、8本の波発生の後、インターバルを挟む事になるため、最大定員はそれぞれ15名程度(LEFT、RIGTH別)とされているほか、現在、更なる上級セッションを計画中とのコメントがあリ、早ければ8月以降の予約スケジュール上に出現する可能性があるとの事だ。

まさにマシンブレイク(T1)Photo: THE SURF NEWS

– Intermediate/中級コース –

主にM3、M4を中心(一部M2を含む)に練習に適したピーク胸くらいのファンウェイブが用意されている。
M4では8本の波、M3では 15本、M2、M1は20本もの波が続き、1分弱のインターバルの後、また波が連続発生するため、波数も多く、人口波の特性を利用した反復練習が可能となる。実際、乗る場所を間違えない限りテイクオフミスのリスクも少なく、癖の少ない波ではあるが、ミドル~インサイドセクションの張り方は、最初の波とカレントが発生し始める中盤では多少異なる印象になる。
定員は25名程度(LEFT、RIGTH別)とされているが、さすがに20名以下でないとストレスを感じる事になるだろう。
(逆に10名以下だと波が余る事もある)

なお、M3以下の波を軽視している部分があったが、意外と遊べるどころか、一般サーファーならこれで十分満足できるとも感じた。

インサイドにはテイクオフの練習をする「Bayコース」の利用者がいる Photo: THE SURF NEWS
インターバル後の1本目は癖が無い(M3)Photo: THE SURF NEWS

(M2、M3の波の変わり際も気付かない人がいる程度の違い)

– Beginner/初級コース –

M1、M2、M3を様々な配分としたセッションが用意されているが、前述の通り、M2、M3の波は癖も無く、波数も多いため、エンジョイできる(人数が少ないと逆にハード⁉笑)が、初級コースは地元の初心者サーファーも多く、テイクオフミスによりストップされる事が1番のリスクと言えるかも知れない(但し、M1、M2は20本もの波が続くため、余程混み合わない限り、余っている時も少なく無い)。

Photo: THE SURF NEWS

なお、全てのセッションに言えるのだが、LEFT COVE(グーフィー側)の方が空いている傾向があり狙い目となるが、寸前でのチェンジは不可なシステムとなっている。

参加人数が少なければ、1セッションで20本以上乗れる場合も Photo: THE SURF NEWS

セッション時のワンポイントアドバイス

・静波SSと異なり、全てパドリングでのアウトとなる。

・前の方(利用者)がロングボーダーの場合、テイクオフポジションに近付くのが遅れやすいため、その方の横に並ぶなどの対応を。
(静波SSほどテイクオフポジションはシビアではない)

・ロングなどの初級者の方で、ピークを避け、少しインサイド目の肩から乗る人も居た。(乗りやすい)

・当日のキャンセルや変更は出来ない可能性が高い(申込時のメールに記載があるが、2日前までの予約変更は可能)上、現地の総合窓口を含めたスタッフ達にはその権限が無いとのこと。但し、当日の追加は可能との事。
※後払いである事や、現地で変更、キャンセルをしている外国人を実際に見掛けたが、時間は要する事になると思われる。
※2日前であっても現地総合窓口など、現地での変更も出来なず、メール及びオンラインサイトでの変更を薦められてしまう。

・ビギナーサーファーの後ろは注意が必要!(できれば避けたいw)
(ワイプアウト時はストップが入るため、自らのテイクオフポジションが変わるなどリズムを崩す場合が多い)

・土日は混雑しやすい。

・水温・・・夏場は問題ないが、静波SS以上に冬場は水温低下が著しいと聞くため、天気予報サイトでの気温確認とともに事前の現地メール確認(日本語、英語対応可)をオススメする。

・動画撮影については、最も一般的なのが、桟橋からの撮影となる。近距離からのダイナミック映像になるため、写真のようなタコ足型の三脚を利用したスマホが何台もセットされていた。その他、正面のアングルで固定できる場所(ダイビングプール側)も複数あるが、手すりを越して撮影する場合(一般的な三脚使用)は、1.5m以上の高さが欲しいところ。

中央桟橋からの観戦/撮影等が可能 Photo: THE SURF NEWS
手摺りなどに直接固定するタイプの三脚がおすすめ Photo: THE SURF NEWS

施設内の受付〜セッション受付まで

流れとしては、地下の総合受付でチェックインと支払いを終えた後、腕バンド型のICキーを受け取り入場。決められた番号の靴ロッカー、更衣室ロッカー(かなり綺麗で貴重品も安全そうなため空港から直行しても安心)を経て、表のスロープを上り、各種プールのある地上フロアへ出る。

その後、セッション開始前までに、「SURF  Check-in(緑の小屋)」に寄り最終チェックインを行う必要がある。

「SURF  Check-in」の小屋は、左右2つに別れており、まず、左側のシステムチェックインを行う事になる。具体的には、腕バンド型のICキー使用し、操作パネルにて、安全確認承諾の後、サイン、連絡先(日本の携帯電話番号でOK)などを記入する。

自ら安全確認承諾・サインなどを行う必要がある Photo: THE SURF NEWS

その後、セッションの15分前から、小屋右側での受付が始まり、人手により、自分が行うセッション場所毎に色分けされた腕バンドが渡され、これでようやく全ての受付が終わる。

※システムチェックインは、ハングル語となり、初めてでは分かり難いため、近くのサーファーに尋ねよう(韓国人サーファーは親切でフレンドリー)。

※5分前から入水(ゲッティングアウト)が許される。

初級者が多いと、土日などは並ぶこともある Photo: THE SURF NEWS
場内の導線、手順が映像で確認できる(WorldSurfTrvel

施設利用上の注意点など

・受付を含め、パーク内では日本語はもちろん、英語も通じ難い。
(後述の翻訳アプリなどが重宝する)

・サーフィン利用者は、地下の総合受付の1番左側で予約確認の後、1名づつ支払いをするが、何故か毎回時間を要するので、20分くらいは掛かる覚悟で時間の余裕を。

・飲食など施設内の清算が腕バンド型ICキーとなるため、地下のロッカーフロアにある機械には、先にチャージをし、帰りに清算するシステムとなっている。

・パーク内の店舗の雰囲気は良いが、飲食はイマイチ。

・複数セッションの間に小腹が減るため、プロテイン、サプリメント類などを用意したいところだが、施設内へ飲食物持ち込みはNGとなっているため注意が必要。

・地下にプロショップがあり、忘れ物を補う事ができる。

・ボード預かりは1日20,000ウォン(約2,000円)と高めなため、ホテルから歩いてボードを運ぶ姿を見る。(エントリースロープに年間ボードロッカーが並ぶが、空きは無い模様)

・飲食店は昼時間混み合い、オーダーミスも多い印象。

地下フロアにはプロショップなどのテナントもあり Photo: THE SURF NEWS

アクセスなど

韓国までの飛行便は格安航空など多数あり、飛行時間は2時間ちょっとという手軽さ。
しかし、空港(千川/インチョン又はソウル/金浦)からのアクセスはタクシーで通常1時間との事だが、交通渋滞が酷い時間帯には2時間半掛かったなどの話もある。

タクシーについては、「Kakao T」や「Klook」などアプリのサービスを通じて、大型タクシーをチャーターする必要があるが、その後のホテルとWavePark施設間の移動を考えるとレンタカーがベストではある。しかし、国際免許が必要なことや言語問題(日本語はもちろん、英語も通じ難い)、交通事情(右側通行、運転)を考えると、レンタカーの敷居は高いとも言えそう。

※「Papago」などの翻訳・通訳アプリを活用しよう!
会話のみならず、ハングル語の看板やメニューなどをその場で理解する上でも翻訳アプリは活躍する。

現地の方々の印象

筆者は初めての韓国であったため、正直、観光地として有名な地域とは異なり、地方エリアでは、日本人に対する反応を危惧する部分もあったが、その心配が恥ずかしくなる程、韓国の方々をフレンドリーと感じた。
飲食店でも(英語を含め)言葉はあまり通じないものの、親切に対応頂けたし、プールでご一緒した韓国人サーファー達もとてもフレンドリーに接してくれた。

なお、2023年6月、日本人ジュニアサーファーが、デザイン上センシティブな柄のボードをWavePar内に持ち込み使用停止となった話が、韓国人反日家にSNS投稿されYahoo!ニュースにも取りあげられたが、現地施設側からは、世界からの観光客を歓迎します!とのコメントが出されており、事実、その直後の訪問時にも何らの違和感も感じる事が無かった事を記しておきたいと思います。

Photo: THE SURF NEWS

宿泊などの周辺施設環境

「WavePark」内のホテルは2023年夏現在建築中なものの、周辺徒歩10分程度の場所には、複数のホテルがあり、ビジネスホテルテイストの金額で宿泊する事が出来る。
ちなみに、一帯はタートルアイランドと呼ばれる埋め立て地で、イメージとしては、お台場の様な(面積は数倍)リゾート拠点を目指した始興市(シフン)の一大プロジェクトとして開発され、その第一弾として「WavePark」が2020年10月に開業したものの、新型コロナウイルス感染症の影響をもろに受け、一時閉鎖していた関係もあり、既に完成している多くのオフィスビルやホテルなどのテナントはガラガラ。パッと見たところ、10%未満の入居率といった様子で、看板が出ている飲食店でも営業しているところは限られていた。

とはいえ、ホテル周辺には、決して多くは無いものの、レストランや焼き肉店、コンビニも複数あるため、食事などには困る事は無いだろう(人気店は要予約)。

※コンビニは、セブンイレブンもあるが、日本と異なり狭く、商品数も少ない上、所謂、スーパーの様な店舗が近くで見つけられなかった為、レンタカーなどで無いと節約組は苦労しそう。

まだ営業前の店舗も多数 Photo: THE SURF NEWS
巨大なモニターも Photo: THE SURF NEWS
飲食施設、休憩スペースも多数ありゆっくりできる Photo: THE SURF NEWS

韓国はサーフィンブーム?

現時点でブームなのかは定かではなく、更に美白文化の韓国でサーフィンがどの程度受け入れられるのかは疑問⁉︎

既にそれなりに乗れる常連サーファーの中にも、顔を真っ白に日焼け止めを塗りたくっているばかりか、フェイスマスクと帽子を被っている者まで居るので、韓国人にどこまでサーフィンが受け入れられるのかには疑問を感じたのだが、週末になると、高校生など学校単位でレッスンに訪れる人達が増え、底辺拡大の規模の大きさに、かつてのサーフィンブーム(80年代)かの雰囲気を垣間見る事ができた。

インサイドのレッスン風景(高校生を中心とした学校単位のレッスン)Photo: THE SURF NEWS

しかしながら、施設利用などで毎回お金が掛かるのは事実。
更に、本来の楽しさを知るために、海でのサーフィンに繋がるかなどには疑問が残るところ。

実際、現地でのベテラン級韓国人サーファーの方と会話時、「僕、海ではサーフィンした事が無いんですよ〜」の発言には驚かされた。

Wave Park
https://wavepark.co.kr/

齋藤 丈

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