五十嵐カノア

【五十嵐カノア】パリ五輪直前、日本代表オンライン会見「準備は100%」

パリ2024オリンピック開幕直前、すでに会場入りしている波乗りジャパンが、現地よりオンライン会見を開いた。

参加者は日本代表選手の五十嵐カノア、コナー・オレアリー、稲葉玲王、松田詩野の4名。各記者の質問に、選手らが答えた内容を抜粋して紹介。


【五十嵐カノア】

パリオリンピック開幕間近、現在の気持ちは

本当にオリンピックが近づいてきて、毎日毎日1時間ずつテンションが上がって やっぱりプレッシャーを感じることもあるけど、もうみんなも準備はできてると思うので、その楽しみと緊張と、色々なことでテンションが上がってきているので、全部ポジティブで、すごく楽しみにしてます。

本日の公式練習で感じたこと、どんなところがポイントになりそうか

いつもと同じ感じで、もうチョープはすごくシンプルな波で、意外と考えることはあまりないので。普通の波は、決めたい技とか、そういうメニューを色々と作らないといけないけど、チョープーはチューブだけ、バレルライディングのことに集中すればいいから、全部の大会に比べると、意外と一番やりやすいというのかな。その中で、なるべくチューブ中に深く入ることとか、 もうちょっとテクニカルなチューブの入り方とか、点数を作るようなサーフィンをなるべく練習しているけど、でも本当にシンプルで、考えすぎないように練習をしてます。

現地トレーニングの模様 Photo:ISA/Beatriz_Ryder

東京五輪の銀メダル続き、パリ五輪への想い

この前の東京オリンピックでも、すごく良い成績で自分もやっぱり嬉しいけど、まだまだ、もう1ステップあるっていうことで。 この前の銀メダル持つ時も、すごくモチベーションにもなるし、メダルを取れるサーフィンを持ってるっていうことと、あともう1プッシュという感じで。
今回も、またそのチャンスがあるっていうのは凄くありがたい気持ちで。自分の身体も調子は良いし、自信も持っているので、このあと1週間オリンピックに集中することで、それ以外は何も考えていない感じです。

高得点を出すために意識していること

やっぱり練習の時に集中しているのは波選びです。乗りやすい波ではなく、点数が出る波を見つけること。ヒート中に色々な波が入ってくるけども、その中で、ちゃんと7点台、8点台、9点台が出る波を見つけるのは、本当に難しいことで、チェスみたいな。相手のコンペティターには、あまり良くない波に行ってもらう作戦とか、自分はちゃんと待って、点数が出る波を探すということが、一番集中してる部分だけど、それ以外にも、チューブの入り方とか、自分のテクニックとか、チューブの中もなるべく深く入るとか、普段やっているときは、そんなに深く入らなくても気持ちいい感じにチューブに入れるけど、大会のライディングはギリギリのところで一番点数が出るので。頭の中ではもう大会をやっている感じで練習をして、大会のプレッシャーをなるべく感じて、同じフィーリングでやることに集中してます。

使用するサーフボードについて

今回は多分30本ぐらいの板を持ってきてるので、色々な長さ、厚さのボードを持っているんですけど、その中で、大会の板はもう決まっていて、この前のCTよりもまたちょっと違うデザインで。普通のハンティントンの板よりも厚めで、普段は6’0なんですけど、今回のチョープー用は6’2を使っていて、厚めで、ちょっと幅を狭くして、板の前の方にちゃんと厚さが入っていて、後ろの方は薄めに。シェイパーのマルシオさんと色々試してきて。
やっぱり良いボードを持ってると自信にもなるし、1つ考えることが少なくなるので、 今回の良いボードを見つけられて、ありがたくて楽しみです。

ヘルメットを着用しない理由は

やっぱりヘルメットのプロテクションは凄く大切で安心できるんですけど、オリンピックでは、1センチでも、2センチでも、ちょっとした違いで感覚が崩れちゃうと嫌なので。チョープーは危ない波で、色々なリスクがある波だけど、オリンピックのメダルを取るためには、なるべくトップのパフォーマンスをできるように、感覚を大切にしたいので。本当はヘルメットを使いたいところだけど、あまり使った経験はないし、自分のバランスが崩れてしまう方が危ないかなと思っていて、今回はいつも通りに自然な感じでやります。

チームジャパンの雰囲気は

今回のチームも東京オリンピックと似ているチームで、 みんな仲も良いし、チームとしてみんなの力を集めて、一人ひとりの力をもらう感じで。やっぱり、海に入って自分のためにメダルを取るというよりも、チームのためにメダル取るという感じで。ひとりが優勝すれば、みんなが優勝するっていうマインドセットで毎日やってるので、自分もみんなのためにも頑張りたいと思う。みんな朝早くから頑張ってもらって、夜遅くまで本当にありがたいです。
アスリートとして、サーフィンのことだけに集中できるってことは、パフォーマンスも良くなるし、みんなポジティブで、良い感じに1日1日前に進んでると思うので、大会も楽しみです。

最後は「押忍!」でインタビューを終了

サーフィンと大学(勉強)の両立について

オリンピックは大切っていうことを知ってると思うけど、でも勉強の方が大切だって言われました。昨日の夜も(大学の課題をしていて)23時くらいかな。今日は5時に起きて、ちょっと今眠たいけど、でも勉強が終わって良かった。1週間に1回テストがあって、今週のは昨日終わった感じです。
(両立の目的は)自分にチャレンジすることなのかな。色々やりたいことがいっぱいで、サーフィンのパフォーマンスに影響がなければ、ハーバードで頑張りたい。勉強してる時は自分のリカバリにもなるし、オリンピックのプレッシャーとか、考えることはいっぱいあるけど、勉強している時は、そのことを全然考えられなくて、それが自分の身体の疲れが取れるのかなって感じで。 もし勉強してなかったら、どうせ25時ぐらいまで、オリンピックのこと考えて起きてたと思うから、 だったら違うことを考えて、頭の切り替えで、朝5時に起きたら、勉強のことは全く考えないで、サーフィンのことに集中してる感じで、そのバランスがもしかしたら良いのかな。

タヒチでどんな波を見せたいか

去年自分で作った目標は、オリンピックの前の日に「もうこれ以上できなかった」というぐらい練習をしておきたいって、そういう目標を作っておきました。もう本当に、明後日はオリンピックの前日になるけど、これ以上できなかった。準備はもう100%で、あとは自分のサーフィンに集中して、(ヒートの)30分の間に自分のパフォーマンスを見せられる波をちゃんと探すことで、それ以外の準備はできています。

(THE SURF NEWS編集部)

▼パリ五輪サーフィン特設ページ

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