パリ2024オリンピック開幕直前、すでに会場入りしている波乗りジャパンが、現地よりオンライン会見を開いた。
参加者は日本代表選手の五十嵐カノア、コナー・オレアリー、稲葉玲王、松田詩野の4名。各記者の質問に、選手らが答えた内容を抜粋して紹介。
【松田詩野】
パリオリンピック開幕間近、現在の気持ちは
今このタヒチで、色々な波で練習ができていて、陸に戻ってきたらチームやスタッフのみんなとオフの時間を過ごせていて、そのオンオフがこの3日前でもうまくできてるのが、すごく良いかなって思っています。
日本選手の中でタヒチへ一番乗り、その手応えなど
(タヒチには)2週間ちょっと前から入って、 凄く風が強い日もあったり、昨日今日はすごく良いチューブの波になったり、調子も徐々に上がってきていると実感しています。
本番ではどんな大会になりそうか
その日の波のシチュエーションで点数も決まってくると思うんですけど、やっぱりここはチューブがメインの場所なので、そういったコンディションになると、 チューブの波の大きさとか、チューブの中にいる深さで点が決まってくると思います。
今まで練習してきた中でも、波が大きい日もあれば、小さい日もあるので。どんなコンディションでもなるべく練習してきたので、そこは自信を持ってできると思います。
去年エルサルバドルで出場権を得てから練習を重ねて、最も変わった部分は
1年前ぐらいから初めてタヒチに来て、 その時は、どんな波なんだろうっていう緊張や不安もあったんですけど、練習を重ねていくたびに波が割れる場所が分かったり、テクニックも自分で成長していってるなと感じていて。タヒチの自然と波の素晴らしさを、いつ来ても感じられています。
あと1歩届かなかった東京五輪を経の想い気持ち
東京五輪は逃してしまったけど、このタヒチでオリンピックの舞台に立てているのは周りのサポートのおかげだと思うし、自分がオリンピックに出るっていう目標から、全てが自分の成長に繋がっていると思います。全ての過程が自分を強くしてくれたと思うので、このオリンピックは、始まりから終わりまで全ての瞬間を楽しみたいと思います。
コーチやチームとの交流は
ローカルのコーチや日本のコーチ、あと海外から来てるコーチもいて、みんなそれぞれ持っている知識を共有してくれて、誰に聞いても良い答えが返ってくる環境なので、凄くありがたくて。あとは、チョープーの海の中は、波のパワーもすごいので、常に気が張っている感じなんですけど、ジャパンハウスに戻ってきて、みんなと普通に砕けた会話をして、笑って。オンオフの切り替えでリラックスできる環境になっています。
最も印象に残っている教えなど
1番は、波のポジショニング大事だと感じていて、そのポジショニングが自分で分かるだけでも落ち着いて波を待てるので、それが結構大きかったかなっていうのと、 あとは、自然の力じゃないけど、波をしっかり待つっていうこともすごい大事なので、焦って乗るんじゃなくて、しっかり自分が乗りたい波を待って乗るということもすごく大事だと感じました。
以前はCTも女子はやらなかった「チョープー」に挑むこと
私も最初タヒチでオリンピックをやるんだって聞いた時はびっくりして、それでもチャレンジしてる他の女子選手がいて、私も刺激をもらっているので。次の日本の女の子たちにも、刺激を与えられたらいいなって思うし、できないかなとか怖いという気持ちもあるけど、トライしてみないとその先の景色は見えないと思うので、それをオリンピックでも伝えられたら良いなっと思います。
若い世代へ伝えたいこと
自分の好きなことを見つけて、目標を決めて、それに向かって頑張っている時が一番成長しているなと感じるし、その目標を叶えていこうという中での、全ての出来事とか、困難なことも、全て自分を成長させてくれることだと思っていて。その瞬間は今しかないので、それを全部楽しんで、自分が目標を達成した後のことを想像して、日々1歩ずつ成長するということが、このオリンピックを通して感じたことなので。若い子たちにも、そういった目標設定と楽しみ方を、知ってもらえたら良いなと思います。
サーフボードについて
最初に用意したのは5’6で、いつも自分が乗っているショートボードから、 1番長いので6’4ぐらいまで用意していて。フィンはトライフィンとクワッドを用意していて、その日の波のサイズによってフィン設定も変えたりしています。
ボードは前回に来た時から現地に置いていて、全部で13本ぐらいあります。
CT選手も多数出場する中、誰にも負けない強みは
このタヒチで練習して学んだことが1番自分の強みかなと思っています。 戦い方ももちろんなんですけど、1番は自分が乗りたい波の場所に座って、その波に乗れたら勝つことができると思うので、それに集中してヒートはやりたいなと思っています。
普段の国際大会と異なる雰囲気は
タヒチは選手村が船なんですけど、その船もすごくオリンピック仕様で。タヒチは自然が豊かで、パリの雰囲気とはまた全然違うんですけど、そういう選手村だったり、アスリートエリアを見て、すごくオリンピックを感じていて、もうすぐ始まるんだなっていう気持ちです。
恐怖心を克服するための戦術など
サイズが上がったら恐怖心もすごく出てくるし、ラインナップに座っていても、いつ次のセットが来るんだろうっていうドキドキ感はあるんですけど。でもワイプアウトしても諦めずにまた沖に戻って、それで今までで一番良い波に乗れたという経験もあるので。
そういう経験で、巻かれてもまた戻るっていう、強さができたかなと思っています。あとは、波が大きくなっても良いチューブが巻くので、それを信じて集中をすれば、良い波に乗れて、楽しむことができると思います。
(THE SURF NEWS編集部)
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